小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密/ピーター・シムズ

大きな成功をするためには小さく賭けることを繰り返すことが有効である、ということを様々な実験結果やストーリーから導き出しています。これは直感的には、自明なことのように思いますが、一方で実践するのは非常に難しいです。

だから、本書にあるようなストーリーを見ていくことで、小さな失敗を恐れないようにしたり、点と点を繋ぐことを意識したり、運のいいひとの行動様式を真似ることができればよいと思います。

改めて、いろいろと種を蒔いて、小さく賭けて行こうと思いました。

<抜粋>
・固定的なマインドセットを取りがちな人々の場合、知能や才能は生まれながら決まっている、いわば石に刻まれたようなものだと信じる傾向がある。こういう人々は自分の能力をどうしても繰り返し見せつけなければ収まらない。彼らにとって失敗は、自らの重要性、アイデンティティーを脅かすものに映る。(中略)逆に、成長志向のマインドセットの人々は、知性や能力は努力することによって伸びると信じ、失敗や挫折を成長のための機会と考える。彼らは常に新たな挑戦によって自らの限界を広げていこうとする。
・(ジョブズ)「創造とはものごとをつなぎ合わせることだけ。何かを成し遂げた創造的な人に、どうやったのかを尋ねると、彼らは少し後ろめたさを感じる。なぜなら、実際何かをしたわけではなく、何かを見ただけだからだ。しばらくすると、彼らにはそれが当然に思えてくる。それは、彼らが自分の経験をつなぎ合わせ、新しいものへと合成する能力を持っているからだ。そして、それができる理由は、彼らが人よりも多くの経験をしているか、自分たちの経験について人よりも多く考えているからだ。残念ながら誰もが持てる才能ではない。われわれの業界にいる者の多くが、あまり幅広い経験をしていない。だから彼らはつなぎ合わせるべき『点』を十分に持っていないために、答えがきわめて直線的になり、問題を大局的な視点で見ることができない」
・「4歳児を見ていると、彼らは常に質問し、ものごとの仕組みを知りたがっている」 とグレガーゼンは言う。 「しかし、6歳半を過ぎると質問をしなくなる。それは、面倒な質問より正しい答えのほうが、先生に高く評価されることを素早く学びとるからだ」
・運のいい人のほうが運の悪い人よりも、自分の周囲で起きていることに注意を向けていることだ。(中略)運のいい人たちは、自然にやってくるチャンス(あるいは知識)を受け入れやすく、一方、運の悪い人たちは、「習慣の生き物」であり、決められた結末に固着されている。
・運のいい人達は、多くの人たちと交流することで偶然の出会いや体験の確率を高めている。「外向性」が機会と知識という報酬を払っていることを、ワイズマンは発見した。そしてそれは完璧に理にかなっている。偶然の出会いは数のゲームなのだ。自分の参照空間中にいる人や視点が多ければ多いほど、優れた知識と機会が結合する可能性が高くなる。