馬鹿(ダム)マネー/ダニエル・グロス

著者はニューズウィークの記者で、テレビなどでも活躍するコメンテイター。アメリカ流のシニカルなタッチで、ここ10年のバブルとその崩壊を描いたドキュメント。かなり偏りのある見方ではあるため、それらは差っ引いて見た方がいいかなと思えるものの、米国経済がどのようにバブルになり金融危機へとつながっていったのかがよく分かります。文章も分かりやすいし、概要をざっと把握するにはいいのではないかなと思います。

<抜粋>
・ところが2004年2月、アラン・グリーンスパンFRB議長がにわか財テク評論家に返信し、アメリカ人にとんでもないアドバイスを送った。全米信用組合連盟の総会に来賓として呼ばれたグリーンスパンは、こう述べたーー最近の研究によると、過去10年間、変動金利ローンを組んだ住宅購入者は固定金利ローンを組んだ人に比べて、何万ドルも負担が少なくすんだ、と。 当たり前だ。その10年間は、金利が下がり続けた時代だった。
・ウォール街は、証券化とデリバティブを活用すれば、どんなに予想外のリスクも管理でき、究極的にはリスクを完全になくせると信じるようになった。ファニーメイとフレディマックは、自らが住宅ローン担保証券を発行するだけでなく、リスクヘッジのために既存の住宅ローン担保証券やデリバティブを市場で売買した。
・本質的に、CDOには大きなリスクがついて回る。しかし、S&Pやムーディーズ、フィッチなどの格付会社は、いそいそとCDOに格付けを与えた。ウォール街にとって母乳に等しい手数料が手に入るからだ。
・リーマン・ブラザーズのCDS取扱高も大きかったが、CDS市場を牽引したのは世界最大の保険会社AIG傘下のAIGフィナンシャル・プロダクツだった。
・アポロは2006年、パーソ・ペーパーという会社を14億ドルで買収。このうち自己資金は2億9000万ドルで、残りはパーソに債券を発行させてまかなった。翌年、パーソは債券発行で調達した資金の一部を使って、総額2億5000万ドルの特別配当を行った。
・アメリカの消費者は突然、自動車なり洋服なりを買ったり、旅行を楽しんだりするためには、実際にお金をもっていなくてはならないのだと思い知らされた。

P.S.ここのところ本当にどたばたでなかなかブログも書けず。。Twitterはそこそこ書いてるんですが。。先週お伝えしたように、超絶求人中なのでエンジニアに限らずあらゆるカテゴリの方の応募をお待ちしております。特に英語/中国語のできる方とか。。