その科学が成功を決める/リチャード・ワイズマン

イギリスの心理学教授リチャード・ワイズマンが豊富な科学的実験結果から常識と言われていることの間違いを指摘し、その代わり科学的効果の実証されている方法を提示するという構成になっています。といっても文章は平易でウィットに富んでいて非常に読みやすいです。久しぶりに抜粋コメント方式でいきます。

<抜粋&コメント>

  • (20種類のブレインストーミングの実験結果を分析したところ)驚くべきことに、実験の大半で、参加者が一人で考えるほうが集団で考えるより量も質も上という結果がでていた。
    ブレストの有効性については疑問は感じてはいたのですがここまではっきり結果が出ているのですね。個人的にはブレスト自体は他の人の自分では思いもつかない発言が元になって、「その後の」自分のアイデアを出すのにいい効果があるように思います。なので、ブレストはあくまでアイデアを集める場所と捉えて、実際は企画者がじっくりと考えて決めるのがいいのではないかと思います。
  • 職場に花や観葉植物が置かれていると、男性社員から出されるアイディアが15パーセント増え、女性社員の場合は問題への対応が以前より柔軟になった。
    さっそく観葉植物を買おうw
  • おそらく誰もが大好きな行動、“仕事中に寝転がる”が科学的に検証された。オーストラリア国立大学のダレン・ニプニッキとドン・バーンは、参加者に後文字からなるアナグラムの問題を、直立姿勢とマットレスに横になった姿勢の両方で解いてもらった。(中略)おもしろいことに、横になった参加者の方が問題を解く速度がおよそ10パーセント速く、したがって制限時間内の正解率も高かった。
    オフィスに横になれるところつくりたいけど、どうやったら作れるかなぁ。コタツはあるので、広めに畳とかを敷き詰めたらいいかもしれない。
  • 科学的な実験結果から言うと、いざという場合は配偶者より飼い犬にそばにいてもらったほうが、あなたの健康にはよさそうだ。 おもしろいのは、猫では同じことが言えない点だ。研究によると猫と暮らしているとマイナスの気分が軽くなりはしても、目立って気持ちが穏やかになることはなく、心臓発作を起こした場合に、12ヶ月後の生存率が高まるわけでもない。
    どっちかというと猫派なんですが、犬の方がいいのかな(苦笑)
  • 親はつい子どもの才能や知能をほめて、気分をよくさせたくなるものだ。だが、研究によると、そうしたほめ言葉はいい結果を生まないようだ。ほめるなら子どもの努力や、集中力、時間の使い方などをほめるほうがはるかに効果がある。たとえばあなたの子どもが試験でいい点をとったら、「ずいぶんよく勉強したね」「遊びにいったりしないで、時間をちゃんと使ってえらかったわ」「大変だったのに、よくがんばったね」などとほめる。(中略)こうしたほめ言葉で子どものがんばる力や柔軟性、忍耐力がはげまされる。さらにそれらの点を明確にするために、子供が自分の使った技術や作戦を思い出させるような質問をする。
    頭がいいとほめられるだけだと、同時に失敗を恐れるようになり、さらにがんばらなくてもできると勘違いする、そして実際に悪い成績を取るとやる気をなくしてしまうという。なるほど、ですね。