ザッポス伝説/トニー・シェイ

(本書は献本いただきました。献本、ありがとうございます)

ものすごいリアルなシリコンバレーでの起業物語で、すごく楽しめました。著者はリンクエクスチェンジを起業し、MSに2億6500万ドルで売却。その後、ザッポスを含めて30社近くにエンジェル投資をしましたが、結局ほとんどうまく行かず、そして当時上手くいっていなかったザッポスに賭ける決断をしました。その際、全財産のほとんどをつぎ込んだそうです。

その後、CEOとして、ザッポスの立て直しと成功を導きました。この辺りの決断のディティールの一つ一つが非常におもしろく、勉強になります。アマゾンへの売却話も生々しく、セコイアなどのVCからのEXIT圧力が大きな要因のひとつであったと書いています。

投資を受けたベンチャーというのは、過酷なもので、EXITするか、IPOするか、どちらかを5年くらいのスパンで求められます。ウノウは幸いにして、非常に投資家に恵まれ、長い目で見守っていただきましたが、僕としては人生をかけて必ずリターンを提供したいと思っていたので、一定のEXITとなったのは本当に僕にとってすごくうれしいことであったし、非常に幸運であったと思います。とはいえ依然僕としてはZyngaに対して、恩義を感じていますし、引き続きZynga Japanの成功に全力を尽くしていきたいと思っています。

本書は、いいところも悪いところも含めて、生々しいベンチャーの現場を知ることができる良書だと思います。

P.S.本日は以前にご紹介した日経エンタテインメント!さん主催の映画『ソーシャル・ネットワーク』試写会でした。ご来場いただいた方、前説で私のお話を聞いていただき、ありがとうございました。