まちつく!mixi版リリースと「BRIDGE」イベント告知

今週火曜日にmixiアプリモバイルがリリースされ「まちつく!mixi版」も同時にラインナップされたのですが、とにかく膨大なトラフィックになっており、ほぼその対応に忙殺されていました(今もですが)。今のところ出だしは好調なので、今後も気を緩めずにやっていこうと思っています。ぜひmixiモバイルへアクセスしてプレイしてみてください。

後、「BRIDGE2009」というイベントでセッションをやります。テーマはTwitter。平日ですが、もしよろしければお越しください。ちなみに、Twitterアカウントはsuaddです。

BRIDGE2009|イベント内容

11月19日(木)14:00~20:45、渋谷区立商工会館で開催。「ネットワークが生むイノベーション」をテーマに8セッションとネットワーキング・パーティ、キーノート、ショート・プレゼンテーション、展示などを予定。セッションは、イノベーションのハブとも言えるリーダー達によるパネルや、若い起業家や技術者、社内起業家を集めたセミナーなどで構成され、IT関係を中心に、イノベーションをドライブする人とコミュニティをつなぎ新たな気づきとエコシステムづくりを図ります。

ここのところ本当に想像を超える出来事が続けて起こっていて、いろんな意味で非常に楽しく、かつ勉強になっています。改めて、いろいろな人の助けで自分があるのだなぁと思ったりしてます。

上海&昆山&杭州

上海からクルマで1時間くらいの昆山というところで3G summitという携帯系のカンファレンスがあり、お誘いいただいたこともあって行ってきました。

カンファレンスはmixiさんやDeNAさんも参加していましたが、外国人は30人くらいで、全体は200名くらい。10分ほどのプレゼンとパネルディスカッションに参加。内容は(プレゼンも)、TechCrunchにも掲載されているので、そちらもどうぞ。

中国の3G Industry Summitで日本の2社を含む16社が巨大市場を狙うモバイルアプリ/サービスを披露

中国のオンライン状況を、数字で素描してみよう:
・世界最大のインターネット人口: 3億3800万の中国人がオンラインしている(合衆国は2億2000万人)
・携帯電話のユーザが世界でもっとも多い(7億1000万人)
・中国最大の携帯キャリアChina Mobileは一社で5億近い加入者数を誇る(合衆国は全キャリア計で2億7100万)
・中国の通信産業の売上額は2009年1月~6月の半年で$210B(2100億ドル)
・中国の現在の携帯電話普及率は53.5%(合衆国: 88%)、今後の成長の余地がきわめて大き

全体としては、やはり中国では3Gはまだまだ始まったばかりで、まだホットではないといった感じ。中国ではPCのソーシャルアプリは非常にホットで、トップアプリベンダー(複数)は1000万以上のユーザーを抱えて、Facebookなどにも挑戦しはじめています。

それに比べて、3Gはまだ今年始まったばかりで、ようやく今週iPhoneが発売開始するなど、まだまだこれからといった印象。今回来ていた会社も1年後にはホットになっているところは多いのではないかなと思います。

<写真>
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F1000014 posted by (C)Shintaro

食事会では謎の演奏が。全体は中国語と英語の同時通訳によって行われました。

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F1000019 posted by (C)Shintaro

上海蟹。ちょうど季節で、毎食のように食べた気がする。日本で食べると高いですが、中国ではそこそこ。1000円〜2000円くらい??

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F1000026 posted by (C)Shintaro

今回、杭州まで足を伸ばしてTaobao(Aribabaグループ)などともミーティングしてきました。杭州までは上海から新幹線で1時間半くらい。

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F1000033 posted by (C)Shintaro

TaobaoはeBayのようなC2Cオークションサイト。流通総額は年間3兆円以上。ヤフオクが1兆円以下くらいなので、すでに遥かに凌駕してます。最近、淘江湖(タオジャンフー)というショッピング連動SNSみたいなのを始めています。

生命保険のカラクリ/岩瀬大輔

(本書は献本いただきました。献本、ありがとうございます)

何となく大手生命保険はあまりお得でないのだろうなと思って、独身ということもあって共済くらいにしか入ってないのですが、この本を読んだら、それも必要ではないのかもしれないという気がしてきました。本書によると、

・平均的な医療保険給付金では1件あたり14万〜25万円となり、その保険料は年間5万〜6万円
・がんなどになっても国の高額医療保険制度により月11〜12万+差額ベット代に収まる
・医療保険では60日までしか保障されない。

ということになるらしい。つまりは最大でも数十万程度しかもらえない保険に毎年6万円払うのが医療保険ということのようです。正直全然理解してなかったのだということに愕然としました。はっきり言って、数十万程度なら貯金はありますし、先日人間ドッグで10万円近くかけたのですが、むしろ毎年それをやって致命的な病気の早期発見につとめた方がいいのではないかという気がしてきました。

その他、生命保険会社の仕組みや抱えている問題など、よく分かって非常に興味深いです。岩瀬さんはまさに今、ライフネット生命保険という会社を作って、生命保険業界へ挑戦しているいわばインサイダーですが、問題だらけの業界に対してよりよくしていこうという想いが伝わって来ました。岩瀬さんとは少ししかお話させていただいたことはありませんが、これからも期待したいなと思いました。

ライフネット生命保険

<抜粋>
・この分析によれば、典型的な定期保険(かけ捨て型の保険)について、全体の35〜62%までが保険金の支払いではなく、生命保険会社の経費や利益に充てられていることが分かる。
・一連の不払い問題が起きた理由は、表面的には支払管理態勢が不十分だったことにある。しかし、より本質的には「販売至上主義」と、生保のカルチャーとしての「顧客軽視」があったと考える。
・すべての国民は、手厚い保障を提供する医療保険にすでに加入している。国が運営する、健康保険である。民間の保険会社が提供する医療保険は、あくまでも健康保険で不足する部分を補完する、副次的な保険に過ぎない。
・大きな病気にかかってしまったときに、実際にどれくらい自己負担費用がかかるのだろうか? 実際には、ほとんどのケースにおいて、医療費の自己負担額はそれほど大きくない。「高額医療保険制度」という制度のおかげである。この制度によって、自己負担額には上限が設けられている。標準的な所得層の人であれば、ひと月当たりの自己負担の上限は10万円弱である。したがって、何百万円という医療費が仮にかかったとしても、原則としてひと月当たりは10万円前後でおさまる。

歴史的な動画

ワラノート 歴史的な動画集めようぜ

このまとめすごくおもしろいです。今まで話でしか聞いたことがなかったことが実は結構YouTubeにあがっています。個人的に興味深いビデオをピックアップしてみます。元記事にはもっとたくさんの動画が紹介されてます。

<玉音放送>
昭和天皇による終戦の詔勅。多方面に気を配った内容であることが印象的。現代語字幕付きです。

<ヒトラーの演説>
ヒトラーってこんなしゃべり方してたのですね。

<東京オリンピック開会式>
この時点で終戦から20年経ってないのかと思うと国歌斉唱で結構ぐっときました。

<三島由紀夫最後の演説>
三島由紀夫はこの直後、割腹自殺するわけですが、その最後の訴えはヤジでほとんどかき消されてしまっています。。。絶望感が伝わってきます。

P.S.こういうのが気軽に見られる世の中を作ったYouTubeはほんとすごい革命だなぁと改めて思います。どうせやるなら、こういう革命的なことをやらないと!

マネーロンダリング入門/橘玲

実際に起きた事件をもとにマネーロンダリングの実態を明らかにするドキュメント。こういった実態についてはニュースだと情報が細切れすぎて分かりませんが、こうやって背景含めてじっくりと書いてあると非常に分かりやすいです。取り上げられているのは、カシオ詐欺事件、山口組の割引債を使ったマネーロンダリング、酒販組合の年金詐欺巨額損失事件、ライブドア事件、北朝鮮の資金凍結、中東のBCCIなどなど。ほとんどがよく知らない事件だったので、大変興味深かったです。こういった事象は特に知らなくても問題はないですが、現代がどういう時代なのかを知っておくというのは個人的には重視したいポイントです。扱われているのは多くが犯罪であり被害者もいて不謹慎だとは思いますが、非常に興味深くおもしろかったです。

<抜粋>
・プライベートバンクは本来、「個人のための」銀行ではなく「個人所有の」銀行のことである。スイス・ジュネーブのプライベートバンカーズ協会に加入するピクテやロンバート・オーディエ・ダリエ・ヘンチなどの名門銀行はほとんどが18世紀に創設され、王侯貴族などヨーロッパの富裕層の財産管理を営々と行ってきた。こうした伝統的プライベートバンクの特徴は、オーナー一族が自らの財産で設立し、無限責任によって運営されていることだ。経営に失敗すればオーナー自身が破産するというこの仕組みが、資産の保全を望む顧客の信用の源泉になっている。(中略)スイス系大手銀行のほか、シティバンクやメリルリンチ(アメリカ系)、HSBC(イギリス系)、ドイチェバンク(ドイツ系)なども富裕層の開拓に力を入れているが、これらはあくまでも商業銀行・投資銀行(証券会社)の一部門が提供する“プライベートバンクふうの”サービスである。それがいつのまにか本来の定義を離れ、富裕層向け営業部門の総称として“プライベートバンク”と呼ばれるようになったのである。
・アメリカはドルを支配しているが、コルレス制度を使って管理できるのは自国の通貨だけである。「テロとのたたかい」によって犯罪者やテロリストの資金をドルから切り離せば、莫大な額のマネーがユーロなど他の通貨に流れ、やがては新たな世界通貨が誕生するだろう。“対テロ戦争”の勝利は、必然的に、ドルの崩壊という大きな代償をもたらすのである。だが、アメリカはこの綱渡りのような戦略をつづけるほかはない。
・73年10月、第四次中東戦争が勃発し、石油価格が4倍に跳ね上がると、巨額のオイルマネーが「コーランの教えに則った銀行」に流れ込んでくるようになった。建設ラッシュに沸く湾岸諸国には300万人を超えるパキスタン人が出稼ぎで働いており、BCCIは彼らの故国への送金もほぼ独占的に扱っていた。その結果BCCIは、70年代末には資産総額30億ドル、32カ国に146の支店を構えるまでに成長し、とくにパキスタンからの移民の多いイギリスでは46の支店を持つ最大の外資系銀行となった。
・アメリカのレーガン政権はソビエトを「悪の帝国」と名指しし、アフガニスタンのイスラム勢力を支援していたが、それを表に出すことはできなかった。そこでCIAは、BCCIは隠れみのとして武器の提供を行なった。アフガンゲリラは阿片の原料となるケシを栽培し、その資金で武器を購入していたが、ホワイトハウスはアメリカやヨーロッパにその麻薬が持ち込まれることすらも黙認していたのである。このとき、CIAの指導によってソビエト軍とたたかったムジャヒディンの一人が、若き日のオサマ・ビンラディンである。

脱「ひとり勝ち」文明論/清水浩

エリーカという電気自動車を開発したり、太陽電池の慶応大学教授の清水氏が自らの業績を振り返りながら、未来は明るい、と言い切るエッセー。

不勉強でエリーカを知らなかったのですが、電気自動車ながらフェラーリより速く、100kmをわずか100円の電気代で移動できるらしい。Wikipediaによると研究開発中ながら3000万円程度で販売もされるそうです。本書によると日本で発生する二酸化炭素のうち20%が排気ガスらしいので、もし電気自動車が普及すればかなりの二酸化炭素排出量が減ることになりそうです。どの程度技術的な壁があるのか分かりませんが、少し前に書いたシャープの液晶テレビのごとく、意外に数年〜十数年くらいで自動車が置き換わるというのはありうるシナリオな感じがします。そして、それを阻むのが既存の自動車会社というのも納得感があります(本書では明言されていませんが)。

著者は、電気自動車や太陽電池について、もっと多くの人に知ってもらいたいと言います。僕もテクノロジーの力を信じているし、これから先の未来ももっともっとよい世の中になると確信していますが、こうやって科学技術の側からこういった方が説いているのを見るとすごくうれしくなります。タイトルはちょっと大げさな感じだと思いますが、今技術がどうなっているのかを知って希望を持つことができる良書だと思います。

<抜粋>
・これまでの電気自動車、あるいは、これまでの環境対策の技術というのは、 「何かを犠牲にしなきゃ、環境問題は解決できない」 「何かをあきらめなければ、環境対策なんでできっこない」 と、引き算の発想で考えられていました。(中略)でも、そうじゃない、とずっと思っていました。 新しい技術というのは、「社会によろこばれるもの」で、しかも、「これまでの問題を解決するもの」でなければ普及しない。
・商品の普及は、製造するほうではなくて、使用するほうが決定している(中略)初期のクルマやエアコンなどのような、社会になかったタイプの技術は、「使用の方法」「便利であること」を使う人々が理解していなかったために、普及に時間がかかったわけですね。 しかし・・・固定電話から携帯電話が生まれたというような、もう普及している技術の「置き換え」であるならば、使用するほう、つまり、消費者が技術のすばらしさをすでに理解しているので、さらに便利な技術さえできたら、すぐに簡単に価値を理解できることになる。