中央銀行は本当に必要なのかを考える「ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ」

前にご紹介したアメリカの下院議員であり、生粋のリバタリアンのロン・ポール「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ」の連邦準備銀行の廃止に絞っている著作。

著者が言うように、確かに中央銀行が金利を操作して景気をコントロールするその根拠は非常に脆弱です。社会主義の経済コントロールがうまくいかないのと同様に、中央銀行が自由市場をコントロールするため、金利をうまく操作できるわけがないというのはすごく的を得ています。

また、その施策が自由市場に間違ったシグナルを与えて、逆に景気の波を大きくしているというのもすごく納得感があります。

おもしろかったのは、

本当は、ゴールドマン・サックスやAIGが破綻したところで、一般国民にはたいして悪影響は及ばないのである。リーマン・ブラザーズが破綻処理されたのと同じにすべきだった。もちろん痛みは伴う。だがそれは短期的な痛みだ。

と言っているところ。実際リーマン・ブラザーズが破綻してもほとんど個人レベルでは差を感じなかったように、金融機関が破綻しても実はほとんどのひとはあまり困らないのだと思います。

逆に政府が救済することで、本書にあるような「リスクをとれるだけ取って、儲けているうちはお金をポケットに入れ、失敗したら救済してもらう」という戦略が金融機関にとって有効になってしまいます。

金融は社会にとってすごく重要な機能だと僕も理解してますが、だからといって幹部が何十億も報酬をもらい、普通の社員であっても何千万ももらっているというのは生み出している社会価値からして妥当なのでしょうか。この戦略が有効だからこそ可能になっているのでしょう。

だから、破綻するなら破綻させた方がいいと思います。

もちろん決済銀行が潰れたらお金を預けていたひとは困るでしょうけども、もしそういうことがあればより堅実な銀行を選ぶことになるだろうし、そうであれば銀行はより堅実になろうとします。

これを人為的に自由市場を操作して回避することで、金融機関のモラルハザードも起きるし、それによって不景気の底も深くなる。まさに悪循環になっています。

一方で、著者の言う中央銀行の廃止が本当に可能なのかはよく分かりませんでした。確かに、各国の中央銀行が権力を持ち過ぎているのは確かだと思うのですが、それに代わるものが金本位制だと言い切るにはもう少し何かが必要だと思いました。

もちろん中央銀行は権力を持ち過ぎであると思いますが、であればそれをうまいこと規制する方法もある気がします。では何なのだというとすぐに出てこないですが。

とはいえ、こういったドラスティックな意見はすごくおもしろいし、「お金とは何なのか」「経済とは何なのか」ということについても深く考えさせられました。

オススメです。

<抜粋>
なぜ中央銀行は存在しているのか? その答えは連銀に関する経済書には載っていない。大学の抗議を聴いても、連銀のウェブサイトや連銀が発行する冊子を読んでも同じことである。
・連銀は「何も無いところからお金を生み出す」特異な権力を持っているのである。連銀は、一度に膨大なお金を生み出すこともできるし、通貨量を絞り新しいお金を作らないようにすることもできる。生み出されたお金はさまざまな形態でさまざまなルートを通り、金融システムに流されるのである。例えば公開市場操作、銀行の預金準備率の変更、金利の操作を通じて、連銀は「お金を創造」している。
金本位制の下では、銀行は一般の企業と同じように自らのリスクを背負って商売をしなくてはならない。銀行はある程度まで自分の信用を拡大して、リスクの高い融資案件に貸出をすることはできた。だが、その投資先の経営破綻の際に、その損失を社会全体に押しつけることはできなかった。銀行は金融なるものの重圧に従って、貸出や契約を行わなければならなかった。 自らリスクを引き受けなければならないのであれば、意思決定はどうしても慎重になる。それが貸出に節度を与え、堅実なビジネス文化を生むのである。
・「利益は自分たちの懐に入れ、損失は社会(世の中)に押しつける」。これこそが大手銀行の望んでいることだ。銀行は好景気のときにはローンを山ほど貸し付けて利益を出す。だが景気が冷え込むと、銀行は自分が抱えてしまう損失を第三者に押しつける。銀行が臨むように通貨量を膨張させておいて、生まれた損失を補填してもらうのである。こんなことが許されるのは銀行業界だけである。こんな都合のいい商売ができるならだれでもやりたいと思うだろう。普通の企業は自由市場でビジネスをしており、自由市場ではそのような狡猾な行為はとうてい許されない。
・現在の連銀議長バーナンキだけに言えることではないが、今までさんざん連銀はその権力を乱用してきたのだ。議会は今もほとんど理解していないが、現在の連銀は驚くべき権力を有している。だれにも監督、監査、統制されていないのである。その上、連銀は連邦準備法によってしっかりと保護されている。そのために連銀議長は、連邦公開市場委員会や海外の中央銀行との協定についての議会での質問に回答する義務がない。連銀が何兆ドルというお金を金融市場に注入しても、そこでどこのだれが利益を上げたのかを連銀は報告する義務がないのである。
・ワシントンの政財界の連中が読むべき本をひとつだけ挙げるとすれば、それはロスバードの『アメリカの大恐慌』である。ロスバードはこの本で、1920年代後半のバブルが連銀によって作られ、バブル崩壊後にフーバーが経済介入したため大恐慌を長引かせたと論証した。
中央銀行ができたために総力戦が戦われるようになったのは偶然の一致ではない。お金を刷りたいだけ刷れる印刷機を持たないで戦争をすると、政府は自国の限られた税収の範囲内で戦争をしなければならない。そのため戦争を起こさないよう、外交的な努力をしなければならなくなる。戦争が始まってしまっても、できるだけ早く収拾させようという誘因となる。 19世紀の終わりのヨーロッパ諸国では戦費の財政的な歯止めがなくなった。それは各国に中央銀行が設立され、政府は必要なだけお金を刷れるようになったからだ。
お金の製造機が政治家にいつでも資金を用意してくれるから、政府は危機に対して場当たり的な対応しかしなくなったのだ。このような散財を続けるとアメリカ人はもっと高額の税金を納めなくてはならないはずだ。だがアメリカ人は高い税金を許さない。増税を偽るために政府は通貨を膨張させるのだ。そして政府の支出を世の中全体に払わせているのである。
・連銀こそが大恐慌の原因であったという意見に、すべてのオーストリア学派の経済学者は賛同している。
・市場が決めた金利よりも連銀が金利をさらに低く引き下げた場合、何が起きるだろうか。人為的な低金利は、投資を持続可能なペースを超えて拡大させる。低金利というのは本来、消費者が充分な貯蓄をしているという合図なのである。だから低金利になれば、それを当てにして事業への投資が始まる。しかし連銀が人為的に金利を引き下げた場合、そこに充分な富はない。だから新しい事業を成功させ投資を回収するに見合う分の、新しい富は最初から無いのである。連銀が金利を引き下げたからといって、新たな資本は生まれないのである。単に借り手がリスクを判断する市場の合図を歪めているだけなのだ。
市場が決める金利こそは、経済が円滑に回るために必要不可欠な情報なのである。中央銀行が決めた金利は統制そのものであり、中央計画経済の一形態である。中央銀行、政治家、官僚たちに、どれくらいが適切な金利であるのかなど分かりようがない。そのことを無視して、自分たちの権益拡大のために人々を惑わしているだけだ。
・本当は、ゴールドマン・サックスやAIGが破綻したところで、一般国民にはたいして悪影響は及ばないのである。リーマン・ブラザーズが破綻処理されたのと同じにすべきだった。もちろん痛みは伴う。だがそれは短期的な痛みだ。
・憲法は明確に政府による紙幣の発行を禁止している。「金と銀だけが法定通貨である」としている。(中略)憲法第一条十節は「どの州も金や銀以外での国債の支払いを認めてはいけない」、このように単純明快だ。政府紙幣は憲法違反なのである。
・憲法は中央銀行については言及していない。では、この問題をどのように考えたらいいのだろうか。それは憲法修正十条をみれば答えは明らかだ。「憲法で連邦政府に与えられていない権力」を、連邦政府はもたない。
・自分の頭で考えてみてほしい。お金の価値をめいっぱい高く見積もる(弾力的に運用する)という発想は、お金が必要ならもう少し印刷すればいいと言っているのと同じである。
19世紀のアメリカの銀行業が酷かったという言い伝えは大半が作り話である。何世紀にもわたる銀行の問題はむしろ政府によって作られたものだ。繰り返し起きた政府の支払い停止、戦争によるインフレ、金と銀の交換比率を政府が固定した複本位制、国債の大量発行などである。これらは政府の問題であって、自由市場の問題ではない。むしろ自由市場での銀行業はうまく機能していたのである。ミネアポリス連銀から発表された研究がこのことを証明している。
・実に興味深いことだが、連銀を廃止しても、私たちが現在知っている金融制度が終わるわけではない。
・一般の家庭と同じで、経済的に困難なときは何でもすべて好きなことをやるわけにはいかないと、議員は気づくことになる。議会は選択を迫られる。歳入が充分でなければ、予算を削減しなくてはならなくなる。現実社会と同じように、この家計の法則が議会の野心を制御するようになる。

今だからこそ大前氏の政治思想を確認する「訣別」

大前氏の政治上の主張をまとめた作品。2011年末出版。

毎回大前氏の著作を読んで思うのは、すごく筋の通ったまともな主張だと思うのだけど、なかなか受け入れらないもどかしさ。ほんと政治は難しいのだなぁと実感させられます。橋下氏が大前氏と比較的近い政治思想のようなので密かに期待してます。

もちろんすべての意見に賛同するわけではないのですが、実現していく過程で間違っていたら直していけばよいので。少しでも前に進んで欲しいと思います。

以下は特に印象的なところ

21世紀に入ってからはロシアのプーチン政権による所得税のフラット化が絶大な効果を上げている。12%、20%、30%の累進性だった所得税を2001年にオール13%のフラットタックスにした途端、所得税収が25%以上増えて、以後もしばらくは税収の大幅増が続いた。所得の87%が手元に残ることになり、所得を隠す者がいなくなって巨大な地下経済が表に出てきたのである。

日本では地下経済がどのくらいあるのか分からないのでなんとも言えませんが、もし税収増が期待できるのであれば、ぜひ実現して欲しい。国としての競争力も大幅にあがるだろうし。

(ロシア)ある日突然、ジェフリー・サックスのリコメンデーション(推薦)で国営企業が株式会社になった。株式は従業員にも配られたが、生まれてからずっと「資本主義は悪いことだ」「株式は悪だ」と教え込まれてきたから、急に資本家にされても顔を見合わせて株の扱いに戸惑うばかり。そんな人たちに「その株式、買ってあげましょう」と声をかけてきたのが、後に株式会社の会長になる男だった。

なぜ現代でいきなり大富豪が生まれうるのか不思議だったのですが、これには納得がいきました。

<抜粋>
政権と首相のたらい回しをやめさせるにはどうするべきか。 私は「一回の選挙から選ぶことのできる首相は二人まで」というルールを作るべきだと考える。一国の首相になるということは非常に重いことだ。健康問題など、何らかの理由で交代せざるを得ない場合もあるから、一回だけは首相交代を認めるが、二回目以降は認めない。二回目の内閣が倒れたら解散総選挙を行って、新しい政権に移行する。
・日本では大臣や実力派の政治家には「◯◯番」と呼ばれる、ぶら下がりの記者がつく、日本の新聞やテレビの政治部記者というのは政策を国民目線で評価するような能力がないから、とにかく担当の政治家にぶら下がって情報を拾おうとする。 政治家とぶら下がりの記者、両社の間にはぶら下がった政治家が出世をすれば記者も出世するという関係性が生じる。ゆえに新大臣が誕生すれば、善人っ者との違いをアピールしたい新大臣と前任者を否定して新大臣を持ち上げる記者という構造になりがちだ。
・日本人にもう一つ特徴的なのは、子どもの教育にお金をかけすぎることだ。(中略)百歩譲って「投資ではなく、子どもの将来のため」だとしても、今の日本の教育を受けさせれば受けさせるほど、これからの時代にも、世界的にも通用しない人材に育つだけだ。 むしろ子どもにかける教育費の半分でもいいから、自分や配偶者に投資すべきだと私は考える。そうすることで世帯としての「稼ぐ力」が上がれば、結果的によりよい教育を子どもに授けることができるようになるからだ。
・自分の稼ぐ力をアップする。そのために計画的に行動している日本人というのは非常に少ない。日本ぐらい自分に投資することに無関心な国はないが、自分の配偶者に投資するという発想はさらに乏しい。
・国土交通省が発表した2008年度の国内線利用実績によると、全国98空港で需要予測に対して実績値が100%を上回ったのは(中略)8港しかない。実績が比較可能な空港の九割が需要予測を下回り、三割以上の空港が予測値の半分にも達してなかった。
・デンマークなどでは、嫡出子だろうが非嫡出子だろうが、病院で生まれ落ちた瞬間にデンマーク国籍とID(識別番号)が与えられる。生まれた瞬間に親とは関係なく個人が国家と契約を結び、個人としての権利義務が発生し、一国民として尊重されるのである。出生届の父親の名前を記入する必要はない。それくらいやらなければ子どもは増えないのである。
・(ロシア)ある日突然、ジェフリー・サックスのリコメンデーション(推薦)で国営企業が株式会社になった。株式は従業員にも配られたが、生まれてからずっと「資本主義は悪いことだ」「株式は悪だ」と教え込まれてきたから、急に資本家にされても顔を見合わせて株の扱いに戸惑うばかり。そんな人たちに「その株式、買ってあげましょう」と声をかけてきたのが、後に株式会社の会長になる男だった。
・(中国)共産党一党独裁という政治体制については教義的にもまったく妥協していないし、地方政治の人事権も中央は手放していない。ただし、経済運営に関しては、1998年に首相に就任した朱鎔基の改革で地方に権限が大幅に移譲された。朱鎔基は「8%以上の経済成長をすること」「暴動など社会不安を起こさないこと」「腐敗しないこと」という「三つの約束」を果たす限り、経済運営に関する全権限を市長に移譲する、としたのだ。
・「答えがある」ことが前提の日本の教育では「答えがない」時代には対応できない。だから世界から後れを取っている。政治家も識者も教師もそういう現状認識ができていないから、「教育再生」などという懐古主義的なコンセプトにすがりつくのである。
・新卒の就職率が低下しているのは不況だけが理由ではない。日本にとどまっていては未来がないと、日本の企業が見切りをつけたからだ。世界、特に新興経済国に打って出ない限り、企業は生き残れない。そこで勝負すると決めたからには、新興国で通用する人材を求めるのは当然である。
究極的には大選挙区制にして、各道州から十数人の国会議員を選出する。天下国家を論じることに専念する国会議員は100人もいれば十分。国民DBの項目でも触れたように、道州から選出した国会議員で運営する下院と直接投票で民意を問う上院の二院制に移行すべきだろう。コミュニティーレベルの議員は首長以外は無報酬で、平素は仕事を持っている人々がその任にあたる。このようにすれば、行政コストも議会運営費用も大幅に下がる。
・21世紀に入ってからはロシアのプーチン政権による所得税のフラット化が絶大な効果を上げている。12%、20%、30%の累進性だった所得税を2001年にオール13%のフラットタックスにした途端、所得税収が25%以上増えて、以後もしばらくは税収の大幅増が続いた。所得の87%が手元に残ることになり、所得を隠す者がいなくなって巨大な地下経済が表に出てきたのである。
2008年に「今後きちんと納税するなら、過去の脱税は罪に問わない」という刀狩り政策を打ち出して税収を倍増させたインドネシアのような例もある。そのあたりの「納税心理」というものを日本の政治家や経済学者、税制調査会のメンバーはもっと勉強するべきだ。

これからの生き方について考えさせる「ワーク・シフト」

ロンドン・ビジネススクール教授リンダ・グラットンが、これから世界がどのように変わっていくか、それに対してどのように考え方や行動を変えていくべきなのか、を鋭く考察しています。

本書が特に素晴らしいのは、お金だけではなく自分が本当に大好きなことが何かを内省した上で選択していくべきというというところだけでなく、それに対しての不安や代償や結果も受け入れるべきだ、と主張しているところです。

あなたがバランスの取れた生活を重んじ、やりがいのある仕事を重んじ、専門技能を段階的に高めていくことを重んじるのであれば、それを可能にするための<シフト>を実践し、自分の働き方の未来に責任をもたなくてはならない。 そのためには、不安の感情に対する考え方を変える必要がある。自分が直面しているジレンマを否定するのではなく、強靭な精神をはぐくんで、ジレンマが生み出す不安の感情を受け入れなくてはならない。自分の選択に不安を感じるのは、健全なことだ。深く内省し、自分の感情にフタをしない人にとって、それはごく自然な心理状態なのだ。不安から逃れたり、不安を無視したりする必要はない。 そのジレンマのなかにこそ、あなたが光り輝くチャンスが隠れている。

結局のところ会社や社会が自分の代わりに選択してくれる世界は終わりを迎えてしまったので、それぞれが意識的にやりたいことを追求していくしかない。それはすごく厳しいことなのだけど、だからこそ自ら選び行動し、得られた人生の満足感はこれまでになかったほど高いものになる、というわけです。

それを円滑にするためのアイデアが詰まっています。素晴らしい作品なのでぜひ多くのひとに読んでいただきたいです。

<抜粋>
現在、経済発展から取り残されている貧困層は、サハラ砂漠以南のアフリカなど一部の地域に集中しているが、グローバル化が進み、世界がますます一体化すれば、先進国も含めて世界中のあらゆる地域に貧困層が出現する。グローバルな市場で求められる高度な専門技能をもたず、そうかといって、高齢化が進む都市住民向けサービスのニーズにこたえる技能と意思もない人たちが、グローバルな下層階級になる。
・どれくらいの時間をつぎ込めば、技能を自分のものにできるのか。レヴィティンの研究によれば、おおむね、10000時間を費やせるかどうかが試金石だとわかった。一日に三時間割くとしても、10年はかかる。
・はっきり言えるのは、人々の健康と幸福感を大きく左右するのが所得の金額の絶対値ではなく、ほかの人との所得の格差だという点だ。
・人々がせめて一日一時間テレビを見る時間を減らせば、メディア専門家のクレイ・シャーキーが言う「思考の余剰」が世界全体で一日90億時間以上生み出される。(中略)100万人がテレビを一時間見ても、一人ひとりの活動は分断されたままだが、インターネットでコミュニケーションを取り合いながらその時間を過ごせば集積効果が生まれる。
「自分」に関する本が読まれるようになたのは、比較的最近の現象だ。昔の人は、いまほど自己分析をしなかった。(中略)私の二人の祖母は、ビートン婦人の『家政術』はともかく、自己啓発書はもっていなかった。自分について内省することをあまりしない世代だったのである。私は自分について内省する世代の一人だ。Y世代やZ世代は、そういう傾向がいっそう強まるだろう。
・ただし、自分に合ったオーダーメードのキャリアを実践するためには、主体的に選択を重ね、その選択の結果を受け入れる覚悟が必要だ。ときには、ある選択をすれば、必然的になんらかの代償を受け入れなければならない場合もあるだろう。これまでの企業と社員の関係には、親子の関係のような安心感があった。私たちは、自分の職業生活に関する重要な決定を会社任せにしておけばよかった。それに対して、新たに生まれつつあるのは、大人と大人の関係だ。このほうが健全だし、仕事にやりがいを感じやすいが、私たちはこれまでより熟慮して、強い決意と情熱をもって自分の働き方を選択しなくてはならなくなる。そのために必要なのは、どのような人生を送りたいかを深く考え決断する能力だ。
・連続スペシャリストへの道(中略)1 まず、ある技能がほかの技能より高い価値をもつのはどういう場合なのかをよく考える。未来を予測するうえで、この点はきわめて重要なカギを握る。 2 次に、未来の世界で具体的にどういう技能が価値をもつかという予測を立てる。未来を正確に言い当てることは不可能だが、働き方の未来を形づくる五つの要因に関する知識をもとに、根拠のある推測はできるはずだ。 3 未来に価値をもちそうな技能を念頭に置きつつ、自分の好きなことを職業に選ぶ。 4 その分野で専門技能に徹底的に磨きをかける 5 ある分野に習熟した後も、移行と脱皮を繰り返してほかの分野に転進する覚悟をもち続ける。
未来の世界では、知識と創造性とイノベーションに土台を置く仕事に就く人が多くなる。そういう職種で成功できるかどうかは、仕事が好きかどうかによって決まる面が大きい。自分の仕事が嫌いだったり、あまり意義がないと感じていたりすれば、生後とで創造性を発揮できない可能性が高い。仕事を単調で退屈だと感じている人は、質の高いケアやコーチの仕事などできないだろう。日々の仕事はさしあたり無難にこなせるかもしれないが、大好きなことに取り組むときのようなエネルギーはつぎ込めないはずだ。
これまで企業は、合理性と一貫性を確保するために「管理」の要素を重んじてきた。遊びと喜びの要素が完全に排除されていたとまでは言わないが、これらはあくまでも脇役でしかなかった。しかし未来の世界では、単なる模倣にとどまらない高度な専門技能を身につけたければ、遊びと創造性がこれまで以上に重要になる。
・未来の世界で個人ブランドを築くためには、「私って、こんなにすごいんです!」と大声で叫んで歩くだけでは十分でない。(中略)業績や能力を誇大宣伝したり、虚偽宣伝をしたりする人もいるだろう。そこで、魅力的な個人ブランドを築いて大勢の人たちとの差別化を図り、その個人ブランドに信憑性をもたせることが欠かせない。職人にせよ、プログラマーや物理学者にせよ、まずは質の高い仕事をし、そのうえで自分の資質を世界に向けてアピールする必要があるのである。
・アメリカの複雑系研究者スコット・ペイジが売り上げ予測の精度を比較したところ、個人の予測より、不特定多数の人たちの予測のほうが概して正確だった。個人がきわめて高度な知識の持ち主の場合も結果は同様で、集団のメンバーが多様なほど、予測の精度が高かった。こうした傾向は、予測の対象が複雑な現象の場合にことのほか顕著だった。
・意識的に普段と違う場に身を置いたり、自分と違うタイプのグループに適応して仲間に加えてもらったりすることは、ビッグアイデア・クラウドを築くうえで重要な戦略だ。しかし、そうした「プッシュ」の戦略に加えて、「プル」の戦略も実践できたほうがいい。自分の魅力を高めて、ほかの人たちがあなたのグループに自分を適応させたり、あなたと偶然出くわすことを期待したりするよう促すことも目指すべきだ。
・活力の源となる友人関係を築き、維持するためには、時間的余裕が欠かせない。時間に追われ、他人の要求に対応することに忙殺されると、深い友情のためにつぎ込むエネルギーと意欲がすり減ってしまう。
・業績をあげた人物に高給で報いることができない組織は、代わりにどのような「報酬」を提供できるのでしょうか? 私の場合、リーダーシップを振るい、責任を与えられ、意思決定をくだす経験がとても大きな報酬になっています。そのおかげで、仕事を通じて幸せを感じられています。このような機会が得られるとわかっていれば、物質的な要素はもっと早く捨てていたのに。
話を聞くうちにわかったのは、子どもを持たない人生を意識的に選択した女性がごく少数にすぎないということだ。現在の生き方を選択した時点では、自分がどういう選択をしようとしているのかを正しく理解していないケースが多かったのだ。その選択をすることにより、どういう結果が待っていて、なにをあきらめなくてはならないのかを正確に計算できていなかったのだ。 私たちは人生における仕事の位置づけを選択するとき、こういう落とし穴に陥りやすい。選択の結果が現実になるまでに時間がかかったり、結果が予期しないものだったりするケースが多いからだ。
・どうして、お金が増えても幸福感が高まらないのか。(中略)ここで注目すべきことがある。お金と消費には限界効用逓減の法則が当てはまるが、それ以外の経験にはこの法則が当てはまらないという点である。たとえば、高度な専門技能を磨けば磨くほど、あるいは友達の輪を広げれば広げるほど、私たちが新たに得る効用が減る、などということはない。むしろ、私たちが手にする効用は増える。所得が増えるほど所得増の喜びは薄まるが、技能や友達は増えれば増えるほど新たな喜びが増す。
・「親代わりに子どもの相手をしているテレビという機会は、さまざまな品物をカネで買うことが人生そのものであるかのように描く。私たちは、子どもをポルノに触れさせないように細心の注意を払う半面で、きわめて不用意に、物質主義の魅力を生々しく教え込むメディアに子どもたちをさらしている」
・しまいには、「私はお金が好きに違いない。なぜなら、お金を稼ぐために、こんなに頑張って働いているのだから」と考えはじめる。
・コーステンバウムらに言わせれば、選択にともなう不安を避ける必要はない。そういう感情を味わう経験こそが私たちの職業生活に意味や個性、現実感を与える。選択から逃げ、不安や罪悪感と向き合うことを避け、選択につきもののジレンマについて考えることを拒めば、職業生活の豊かさのかなりの部分を手放すことになる。仕事に関する古い約束事のもとでは、誰かが代わりに選択してくれたが、未来の新しい約束事のもとでは、自分自身で選択する意思をもたなくてはならない。
・あなたがバランスの取れた生活を重んじ、やりがいのある仕事を重んじ、専門技能を段階的に高めていくことを重んじるのであれば、それを可能にするための<シフト>を実践し、自分の働き方の未来に責任をもたなくてはならない。 そのためには、不安の感情に対する考え方を変える必要がある。自分が直面しているジレンマを否定するのではなく、強靭な精神をはぐくんで、ジレンマが生み出す不安の感情を受け入れなくてはならない。自分の選択に不安を感じるのは、健全なことだ。深く内省し、自分の感情にフタをしない人にとって、それはごく自然な心理状態なのだ。不安から逃れたり、不安を無視したりする必要はない。 そのジレンマのなかにこそ、あなたが光り輝くチャンスが隠れている。
議論は哲学的な領域に入っていく。未来の世界で、私たちは自分にとって大切な価値や自己像を追求できる可能性と、そのための選択と行動をおこなう自由を手にする。そういう時代には、社会や組織からどのような制約を課されているかを認識し、その制約にどう向き合うかを決めるのが自分自身なのだと理解し、同時に、自分の選択と行動がもたらす結果からは逃れられないのだと覚悟する必要がある。

世界一周後によく聞かれることまとめ【完結編】

帰国してから1ヶ月ちょっと経ちました。旅行している間あまりインターネットができなかったので、いろいろとキャッチアップして、インターネット・サービスのアイデアを考えたりしているところです。

この間に世界一周についていろいろと聞かれたのですが、これをまとめて自分の中での世界一周編を完結させようかなと思います。

▼どのへんを何ヵ国行ったんですか? どのくらいの期間行ってたんですか?

五大陸全部を23ヶ国です。経路は下記のような形ですが詳細な都市はこの記事の末尾に掲載してあります。期間は半年弱で、世界一周業界的(笑)にはかなり駆け足な方です。通常は1年〜1年半くらいが多いような気がします。

世界一周の経路
世界一周の経路

▼どこが一番よかったですか?

ウユニ塩湖(ボリビア)

こんな感じで車で侵入します
こんな感じで車で侵入します

やはりウユニ塩湖がナンバーワン。他のスポットとの違いは360度スゴいということ。塩湖はものすごい広いので、地平線まで湖面が続き、そこにすべての風景が映り込みます。これは他にはないです。もう一度行ってもいいかなと思ってます。

バルセロナのガウディ建築群(スペイン)

コロニア・グエル教会堂内部
コロニア・グエル教会堂内部

それからガウディなどモデルニスモの建築群が観られるバルセロナ。ここは歴史観の重要性を改めて感じさせてくれた印象深い地です。後、ご飯も美味しいし、街の雰囲気も明るくて、今回行った中でどこか住むところを選べと言われたならバルセロナが第一候補ですね。

サファリ(ケニア)

ゾウ。大迫力、野生のゾウはキレイでした
ゾウ。大迫力、野生のゾウはキレイでした

サファリは、動物たちは普通に生活をしていて活き活きとしているのがとても印象的でした。実際の野生動物って自分で手入れするからかとても綺麗だし、弱肉強食なので生き残っている動物はすごくバランスがよくて美しいです。

他もよかったところはたくさんあって甲乙つけがたいのですが、この三箇所は僕の中ではベスト3ですね。

▼危なかったところってどこですか?

幸い僕自身は危険な目には合わなかったのですが、出会った旅人からの話や街の印象からした危険を感じた都市はありました。

キト(エクアドル)

徒歩で登ると必ず襲われるというパネシージョの丘からの一望
徒歩で登ると必ず襲われるというパネシージョの丘からの一望

キトはとにかく最初の宿にチェックインした時に駆け込んできた旅人に、そこでパソコンを強奪された、と言われて一気に警戒度があがった街。中心部には警察がたくさんいるのでまだいいですが、道一本外れるとただならぬ雰囲気がありました。

ラパス(ボリビア)

カーニバルで水かけする人びと
カーニバルで水かけする人びと

ヨハネスブルグ(南アフリカ)

カールトン展望台から。手前辺りが超危険エリア
カールトン展望台から。手前辺りが超危険エリア

ラパスやヨハネスブルグも同じような感じですが、盗まれたという話をよく聞いたりしたので相当警戒モードでした。全般的に南米とアフリカは強盗系の危険度が高いので本当に気をつけなくてはならず、その他はスリやぼったくりに注意すればいいかなという感じです。

▼リゾート系でよかったところはどこですか?

イースター島(チリ)

15体のモアイ、日本企業の支援で復興
15体のモアイ、日本企業の支援で復興

イースター島はモアイだけのように思われていますが、常夏のビーチリゾートでもあります。さらに自然も豊富で不思議な風景がたくさん観られ非常に豊かな土地です。離れ小島のため物価はそこそこ高いですが、見るべきものはたくさんあります。日本からだとかなり遠いですが、タヒチ経由で行けます。ファミリーにもオススメ。

ダハブ(エジプト)

海沿いはレストランになっていて、気持ちいい
海沿いはレストランになっていて、気持ちいい

エジプトの紅海沿いに位置するダハブは空港がなく行きづらいこともあって、超格安で最高の海と美味い料理が味わえるリゾートです。ダイビングできる方はもちろんシュノーケリングだけでも熱帯魚がものすごい種類観られます。さらにモーセが十戒を授かったシナイ山も必見。時間のある方には、ヨルダンかイスラエルから入ってカイロに抜ける旅程がオススメです。

ドバイ(UAE)

ブルジュ・アル・アラブ内。まさに豪華絢爛
ブルジュ・アル・アラブ内。まさに豪華絢爛

ドバイは、何も無い砂漠に作られたこともあってホテルやモールで食事からビーチまですべて完結する最強のリゾート。なぜなら外界が40度を超えほとんど生活不可能だから。世界一高いビルや世界一でかいモールや埋め立て地なんかもあり、近未来を体感できるのも魅力。ただ物価は日本並です。

▼もう行きたくないって国はどこですか?

正直言って、どこの国も魅力はあるし、よくないところもあってもう行きたくないとは思わないですが、相当なカルチャーギャップを感じた国としてはインドとモロッコですね。

インド

街中は何でもありのカオス状態
街中は何でもありのカオス状態

インドは街を歩いているだけでやたら話しかけられてきますが、ほぼぼったくり。金持ちが貧乏人に金を分け与えるのは当然であるという世界観が衝撃的で(確かに一理ある)人生観を揺さぶられました。ただ北部はだいぶ様子が違うらしいのと、都市部は今後仕事がらみもありそうなのでまた行くことになりそうです。

モロッコ

スークから
スークから

モロッコはぼったくりが多いのと、とにかくねっとりとした視線がすごい。ほっといて欲しいのに一挙一動足を見られているのでまったく落ち着きません。なぜそんなに見られるのかは不明。後、個人的には砂漠が乾燥していて常に砂が舞ってるのがちょっときつかったです。ただご飯とかはタジン鍋とかかなり美味しいんですけどね。

▼写真見せてください!

以下にまとめてアップロードしました。写真だけだとどこなのか分からないという場合は、世界一周関連のエントリをご覧ください。

世界一周の写真

写真の著作権はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス「表示」にしてます(ひとが写ってるもの以外)。営利目的利用、二次的著作物作成が可能ですので、自由にご利用ください。

▼いくらくらいかかったんですか? いくらくらいかかるのですか?

僕は基本お金の管理をしないので正直よく分かりません。また、旅のスタイルによって相当変わるので一般化するのがすごい難しいですが、ヨーロッパとかも含めて世界一周しようとしたら1日辺り5000円〜1万円くらいな方が多いのではないでしょうか。これは航空券などもすべて込みです。

なので、多くの方が思っているよりはお金がかからないと思っていいと思います。もし世界一周に興味があるのに、お金が原因で諦めている方がいたら、ぜひ具体的に考えてみてください。がんばれば、1年行って100万円というのも現実的です。

▼何か変わりましたか? いまってどんな気持ちですか?

世界一周を終えていまの気持ちに書きました。

▼世界一周って何持っていくんですか?

こちらも世界一周の持ち物(最終版)にまとめてあります。

…そんなくらいでしょうか。何かあれば下記コメント欄なんかで質問していただければ極力お答えしたいと思います。

<おまけ>
世界一周のエントリ(ニューヨークから続けて読めます)
・役に立つかもしれない番外編
ニューヨークのとんでもサウナの話
本を電子化して持ち歩く
SIMロックフリーiPhone購入記(スペイン編)
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信じられないほど透明な湖、九寨溝を訪ねる
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世界一周番外編ー信じられないほど透明な湖、九寨溝を訪ねる

世界一周は無事に終えたのですが、どうしても行ってみたかった場所がまだいくつか残っています。それらは一生のうちに行ければいいと思っているのですが、友達が近くに会社を持っているということもあってチャンスとばかりに中国四川にある九寨溝に行ってきました。

といっても、友達の会社のある四川省の省都成都からは400キロも離れているので飛行機で行かなければなりません(バスでも10時間くらいかければいけるようです)。さらに九寨溝の空港から1時間半かけて九寨溝に到達です。

しかし、まずは九寨溝の近くにある黄龍という観光名所を訪ねました。ここはトルコのパムッカレのような石灰によって段々になった湖が続いています。しかし、ここはなんと海抜3500メートルくらいあるので空気が非常に薄い。かつ、敷地内が広大なためものすごい距離をあるかなければいけません。さらに追い打ちをかけるように気温が数度しかないので、ほとんど風邪を引きかけました。

黄龍とお寺
黄龍とお寺 posted by (C)suadd

黄龍2
黄龍2 posted by (C)suadd

黄龍6
黄龍6 posted by (C)suadd

ただそれに増して、黄龍の湖群は非常に幻想的で美しく素晴らしかったです。

翌日はいよいよ九寨溝。こちらは海抜3000メートルくらいですが、朝早くから行動したためものすごく寒い。普通に地面とか凍ってて氷点下です。そんな中、九寨溝の湖群を上から順番に観ていきます。

九寨溝8
九寨溝8 posted by (C)suadd

九寨溝10
九寨溝10 posted by (C)suadd

九寨溝11
九寨溝11 posted by (C)suadd

九寨溝18
九寨溝18 posted by (C)suadd

九寨溝19
九寨溝19 posted by (C)suadd

しかし、それを忘れるくらいどの湖も個性があって美しかったです。メインは五花湖と呼ばれる湖で、ここは湖底の地形や藻のようなものと水中に沈んでいる木々から、非常にバラエティのある色彩になっていて、本当に素晴らしかったです。

九寨溝3
九寨溝3 posted by (C)suadd

九寨溝5
九寨溝5 posted by (C)suadd

九寨溝12
九寨溝12 posted by (C)suadd

九寨溝13
九寨溝13 posted by (C)suadd

その他、九寨溝はチベット文化圏にあたり、寺院などの建築物が独特でした。ガイドさんがチベットのひとながらアメリカ暮らしが長く英語が堪能だったためチベットの文化や現状など聞いてすごく勉強になりました。料理も成都が四川料理の本拠地で激辛なのですが、チベット料理はまったく辛くないです。

チベットフラグ
チベットフラグ posted by (C)suadd

チベットの魚料理
チベットの魚料理 posted by (C)suadd

2008年のチベット騒乱以後、チベットのひとは外国へのビザがほぼ取れないらしく、ガイドさんもやむおえず帰国したとのこと。こういった現状はなかなか海外には情報がないので大変興味深かったです。

成都に戻ってからは、友達の会社を見学したり、現地のベンチャーの方々とご飯食べたり。ベンチャーは若々しい会社ばかりで会食にも関わらず皆一滴も飲まずオフィスに帰って行きました。たくましさを感じました。

後は一応、成都にある劉備玄徳の墓やパンダを観に行ったりもしました。パンダ基地は結構広い敷地でかなり間近に観られてよかったです。

成都のパンダ基地
成都のパンダ基地 posted by (C)suadd

成都のパンダ基地2
成都のパンダ基地2 posted by (C)suadd

劉備玄徳の陵墓の近く
劉備玄徳の陵墓の近く posted by (C)suadd

そんなわけで、またどこか行ったら更新するかもしれません。

<TIPS>
・11月は九寨溝、黄龍ともにものすごい寒いので防寒具必須です。冬になると道などが凍結して危ないのでオススメできません。夏は雨が降って危険らしいので、恐らく9〜10月くらいが紅葉もあって一番よい時期だと思われます。
・成都のタクシーはメーターを必ず使ってくれ、かつ安いです。最初の2キロが8元(104円)です。夕方はタクシーが捕まらないことも多く、渋滞もかなりありますので注意。空港までは空いていれば30分で着きますが、1時間くらいかかるときもあるようです。その場合で60元(781円)程度。
・中国では相変わらず、Facebook、Twitterが使えません。LINE、Skypeは使えます。携帯電話の国際ローミング(各キャリア3000円/日程度)であれば使えるようなのですが、僕のau iPhoneではなぜか途中から使えなくなってしまって非常に困りました。いまだに原因は分かりません。
・成都までは今年からANAが直行便を就航しています。しかし中国内陸のため行きは6時間45分、帰りも4時間50分と思ったより時間はかかります。北京や上海のような感覚ではないです。
・四川料理と言えば激辛。食事の度に汗ダクでしたが、割りとなんでも美味しいです。一方で、九寨溝はチベット文化圏のため食事はまったく辛くありません。ヤクや名物らしい魚を食べましたが、正直言ってそこまで美味しくなかったです。。

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