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みんな、気持ちよかった!--人類10万年のセックス史

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ジョナサン マーゴリス
ヴィレッジブックス
¥ 1,680


ジャーナリストが表の歴史にはあまり現れない性に関する歴史を明らかにする貴重な作品。古今東西、あらゆる場所、時代におけるセックス観や事件が取り上げられていて、かなり驚きの事実がいっぱいです。

時によってあるときは、乱交からセックス愛好クラブまで何でもありだったり、異常に禁欲的なときもあったりする。そして現代において、誰もがセックスを楽しまねばならない神話が生まれているという。

ジャーナリストが書いていますが、割と学術的なので文は冗長なところもありますが、純粋に知識欲を刺激される良書だと思います。

<抜粋>
・あらゆるまじめな研究と大多数の事例によれば。従来型のセックスによる摩擦だけで女性がオルガスムに達することはまさに例外中の例外である。
・(古代ギリシャでは)軍隊に不可欠な身体の鍛錬が、そのまま同性愛文化に移行した。少年は、健康であるほど快いオルガスムを仲間に与えるとされ、容姿が美しいほど優れた精神の持ち主だとみなされた。したがって並外れて美しい少年には、年上の男たちがこぞってセックスの個人指導を買って出た。
・古代ローマ人の直近の先祖は、乱交パーティーで結婚を祝った。パーティーではまず新郎の友人全員が、立会人の面前で新婦とセックスした。これは夫婦の絆という概念がなかった昔に、結婚に先立っていわゆる「無報酬の売春」の時期が存在したことの名残と考えられる。
・(インドの)ひとりの男が多くの女たちをはべらせるハーレムの慣習がある地域では、去勢された男はクンニリングス要員であった。
・(ローマカトリック教会、1714年)教会がこの年、姦淫の相手となった女の名の告白を男性に課すことをやめたのだ。これは、必ずしも性の解放を進めはしなかった。その理由は前に見たとおり、聖職者が不貞を懺悔した男に、赦罪と引き換えに相手の女の名前を告白させ、自分自身がひそかに姦淫の罪を犯すことのできる女に関して信頼できる秘密情報を得ていたのである。
・ヴィクトリア女王にまつわる性的な逸話に、イギリス議会が同性愛を禁ずる法案を決議したが、女王は女同士でそのような行為が生じるとはどうしても信じられず、その法令に承認を与えなかったというものがある。
・フロイトは自慰を、成長の過程で卒業すべき行為と捉え(自分の息子には自慰を控えるよう忠告していた)、自慰を続けると自己嫌悪や不感症になると考えた。また、射精しないセックスは精神に悪影響を及ぼすとも訴えていた。
・(オーストラリアでロジー・キング医師曰く)だれもが1日24時間、週7日セックスを求めて楽しまねばならないという新たな神話が生じており、セックスがだれもが常にメダルを狙わねばならないオリンピック競技のようなものとして認識されていると語っている。

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