人を殺すとはどういうことか
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どういう人がどういう心理状態でどういう方法で人を殺すのか、さらにその後、どのように考え、刑務所で暮らし、どのように生きていくのか。日本において人を殺すということはどういうことかを、自らも殺人を犯し長期収監中の本人が語り、さらに同じ受刑者に聞いて書き起こした作品。
やはり著者自身に関する記述が多く詳細で、いつの時点でどういう考え方をしているから殺人に手を染め、紆余曲折を経て、考え方を改めていったのかが描かれています。著者は、自分でも言うように、非常に頭脳明晰ですが、それゆえに他の人が何を考えているのか分からなかったというのが、大枠での理由で、その後の展開も含めて、かなりリアルな感覚で迫ってきます。その後考えを改めてどのように自分が考えているのかも詳細に独白しています。
一方で本書では、長期受刑者のほとんどは更生どころか反省すらしていない、という衝撃的な事実も明らかにしています。そういった受刑者が無期懲役でない場合は、世の中に出ていっているわけで、かなり寒い気持ちにさせれます。著者は、どういう環境にすべきなのかいくつかのアイデアを出していますが、どれも決定的というわけではありません。
たくさん人がいればおかしな考えを持つ人もいるのだとは思いますが、自分たちを守るために、何かできないのかなと考えさせられました。文章も明快で分かりやすいです。
