アマゾンの強さを知る「ベゾス・レター 」

今や世界最大級の企業となったアマゾンの哲学がまとめられています。個人的にはアマゾンの強みは大きく2つあると考えています。

ひとつはeコマースというある意味勝ちパターンが決まっているサービスで、とにかく愚直に改善し続けること。eコマースは、できるだけ豊富な品揃えで、できるだけ安く、そしてできる限り早く届くのが絶対的によいわけです。誰も少し遅いほうがいい、とは思わないわけで。これは言うは易しですが、実際には倉庫やデリバリー網やベンダー確保まで、ひたすら投資を続ける必要があり、いったん引き離されると追いつくのはほぼ不可能になってきます。その結果アマゾンで扱えないようなユニークな商品でなければアマゾン一択になってくるわけです。

もうひとつは、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)やAlexaのような周辺の未知な分野への果敢な挑戦と成功です。この影には、zShopsやFire Phoneのような壮大な失敗もあるのですが(一覧でみるとこんなにあります)、それを補ってあまりあるだけの成功例があるため、失敗を許容できる強いカルチャーが形成されています。いったん成功の可能性が見えれば、ひとつめに戻り愚直に改善を続けます。

この組み合わせが強力な成功を続ける推進力になっていると考えます。見習うべきところがたくさんあるメガベンチャーなのですごく勉強になりました。

<抜粋・コメント>

ところで、会議室でメモを全員で読む理由は、そうしないと、会議前にメモを読み終わったふりをして会議を乗り切るという、高校生のようなことをする経営幹部が出てくるからです。みんな忙しいですから。そこで、わざわざ事前にメモを読まなくてすむよう、会議の最初の 30 分間に組み込んだのです。こうすることで、全員がきちんとメモを読むようになり、読んだふりをする人はいなくなりました。かなり効果が高かったです

これメルカリでも取り入れていますが、非常にワークしています

ですが、社員の意見はまったく異なっていました。ぜひ進めたいと言われたのです。私はすぐに返信しました。「異議を唱えたから、あとは全力で取り組むよ。これまで作ったものの中で一番視聴されるものになってほしい」と。考えてみてください。もし私がただ全力で取り組む姿勢を見せるのではなく、チームがまず私を説得しなければならなかったら、決定までの流れはどれだけ遅くなっていたことでしょう。

いわゆるDisagree and commitの文化

これは、ウーバーやリフトのような会社がドライバー候補者に示している奨励策とは対照的だ。ウーバーは、柔軟な働き方や報酬の早期支払いを売りにしている。リフトも似たような奨励策を採用していて、ウェブページにもこう書かれている。「あなたが従わなければならないのは、あなただけです。収入を得たい場所も手段も時間も自分でコントロールできます。通勤途中でも、お子さんが学校に行っている間でも、夜間学校が終わったあとでもかまいません」。これは、アマゾンがドライバー候補者に対して強調している「顧客へのこだわり」や「リーダーシップ」や「結果を出す」ことや「粘り強さ」というメッセージとはまったく違う。

カルチャーへのこだわりをどのように徹底しているか