美しすぎる純粋な物語「おおかみこどもの雨と雪」

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おおかみこどもの雨と雪 (2012)

【監督】細田守


★★★★★ [100点]「美しすぎる純粋な物語」

サマーウォーズ』の細田守監督の新作。

アニメらしい、おおかみおとこと恋をして、子を産み、都会を離れて子育てをする、というファンタジー感あふれる設定とストーリーなのですが、純粋な気持ちになれる素晴らしい作品でした。もちろん実際の子育てはもっともっと大変だと思うし、恋だって美しすぎると思う。でも、それを補って余りある主人公花の純粋な愛情による行動と、雨と雪が子どもながらに悩みながら、自分なりの生き方を見つけていく姿に何度もホロリときました。

脚本も素晴らしいし、映像や音楽もすばらしく、必見の作品です。

Posted by suadd on 2013/04/07 with ぴあ映画生活

魔法少女まどか☆マギカ

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いろんなところからおもしろい、という話を聞くので観てみました。テレビアニメで全12話、4月に完結したばかりです。

キャラクターの絵柄で拒否感出る方もいるかもしれませんが、戦闘シーンなどはサイケデリックな感じだし、内容もかなりおもしろくて、絵柄に似合わず超ハードな展開。深くて斬新で先が読めないストーリーがものすごくおもしろいです。ネタバレになってしまうので、ぜんぜん書けませんが、ぜひ騙されたと思ってとりあえず3話まで観てみてください。

ちなみに、僕は結末はかなりキレイにまとまっていると思うし、こういう物語は好きです。

※いまだとニコニコ動画で2016円で観ることができるようです。

映画『ソーシャル・ネットワーク』の翻訳監修メモ

ふとした縁からお声がけいただいて映画『ソーシャル・ネットワーク』の翻訳監修をやらせていただきました。この作品は、Facebookの創業前後の物語となっていて、個人的には書籍もおもしろかったのと、何でもとりあえずやってみるポリシーから、引き受けてみることしました。

後、デヴィッド・フィンチャー監督は『セブン』『ファイト・クラブ』とか大好きな映画だし、Facebookの物語だからというのも結構大きいのですけど。

翻訳監修って何?

海外の映画を日本で上映する場合、字幕版と吹替版を作りますが(字幕だけのこともあります)、その翻訳をするのは、もちろんプロの映画翻訳家が行います。しかし、映画によっては、専門用語などが頻繁に出てきて、映画翻訳家だけでは、自然な翻訳が難しい場合があります。そんな時に、専門用語をその業界のひとが見ても不自然にならないようにするのが、翻訳監修の仕事です。なので、必ず翻訳監修が必要となるわけではありませんし、翻訳監修という職業があるわけではありません。また僕が積極的に関わったのは映画の一部ですし、一から訳したわけではありません。

どのくらいの英語力が必要なの?

僕を知っている方なら僕が大して英語できないこともご存知かと思いますが、英語ができるか、というより、どれだけ求められる専門用語に親しいかが重要だと思います。今回だとハッキングのシーンや契約書を交わすシーンなど、インターネットとビジネスが分かって、英語が少しできれば可能なんじゃないかと思います。

どういう流れでやるの?

今回、TechDollの三橋ゆか里さんと一緒にやったのですが、まずラフな字幕の入った映画をソニー・ピクチャーズ本社で見て、スクリプトを持ち帰ります。それを各自で数時間かけて修正したものを、2時間位かけて突き合わせ、さらに何度かメールのやりとりをして、ソニー・ピクチャーズさんに提出。その後、それらを盛り込んだ字幕を試写会を見て、また気になったところをまとめた修正案を送って提出。

実際のところ字幕版は、セリフに比べて表示できる文字数が少ないので、どのように反映させるかはプロの技術が必要になってきます。なので、これで字幕版監修の仕事は終わりです。

その後、(字幕版に盛り込めなかった部分も盛り込んだ)吹替版のスクリプトが送られてきます。これも同様にレビューするのですが、字幕版に比べて格段に情報量が多いので、思ったより時間がかかります。これも三橋さんと付き合わせて、提出しました。

この間、時期的には2週間くらいかかっています(もちろん、ずっとそれに集中していたわけではありません)。その後、吹替版においては専門用語のイントネーションも必要になるということで、これについては電話でお答えしました。

どれくらい時間がかかるの? どれくらいのギャラなの?

実働はよくわかりませんが、20〜30時間くらいでしょうか。この頃の休み全部時間使ってやりました。ギャラはさすがに内緒ですが、一般的なアルバイトなどの時給よりはよいとは思います。が、定期的な仕事でないので。。

映画はおもしろいのですか? どうしたら観られますか?

さすがに関係者になってしまったので感想は控えますが、結構話題にはなってるみたいですよ! 観るには来年1月15日のロードショーを待つか、今なら下記試写会が先着順で受け付けてますよ!

日経エンタテインメント!主催『ソーシャル・ネットワーク』特別試写会

日経エンタテインメント!では、この冬の話題作『ソーシャル・ネットワーク』の試写会を実 施します。本作は世界最大のSNS「フェイスブック」成功の光と影を実話に基づいて描 いたもので、世界中の高評価を獲得し東京国際映画祭でもオープニング作品として上映 された注目の映画です。今回の試写会では、映画をより楽しんでいただくために、上映 前に本作の題材となっている「フェイスブック」やSNS、起業についてのトークセッション も実施します。早くも主要映画賞の呼び声が高く、映画ファンはもちろん、ITや起業に興 味があるビジネスパーソンも楽しめる傑作です。この機会をお見逃しなく。

P.S.映画の見所はどこですか?

最後の「翻訳監修 山田進太郎」のところ。この映画で一番笑えるところですw

(500)日のサマー[80点]

(500)日のサマー (500)日のサマー (2009)

【監督】マーク・ウェブ
【出演】ジョセフ・ゴードン=レヴィット / ズーイー・デシャネル / ジェフリー・エアンド / クロエ・グレース・モレッツ / マシュー・グレイ・ガブラー / クラーク・グレッグ / レイチェル・ボストン / ミンカ・ケリー

★★★★ [80点]「いろいろな感覚が思い出される良作」

ロマンチストの男子トムは恋に落ちて、愛を信じない女子サマーは恋に落ちない物語。軽いように見えて、結構奥深くて、個人的には好きです。

最初にキスをした後の信じられなさとか、寝た後に本当に世の中が一変してしまう感覚とか、喧嘩した後の焦燥感とか、喪失感とか、鮮やかに描かれていて、素晴らしいと思いました。

500日の間を前後にスキップする構成、そして必ずトムからの視点で描かれているがゆえに、サマーのミステリアスぶりが際立って感じられるのもよかった。

こういう経験って基本的になかなかきついのだけど、生きてるって感じがするから、忘れたくないなと思う。そんなことを思い出させてくれる作品。

後、ヒロインのズーイー・デシャネルがとてもよかった。主人公のジョセフ・ゴードン=レヴィットは「インセプション」にも出てきてますね(アーサー役)。映像も音楽もセンスがあって、すごくよかったです。

Posted by suadd on 2010/08/29 with ぴあ映画生活

インセプション[100点]

インセプション (2010)

【監督】クリストファー・ノーラン
【出演】レオナルド・ディカプリオ / 渡辺謙

★★★★★ [100点]「ぶっ飛んだ想像力」

クリストファー・ノーラン監督作品。「ダークナイト」は本当に素晴らしかったので、かなり期待していたところ、期待を裏切られない素晴らしい作品でした。

まず、夢の中という潜在意識の中で大事な情報を盗むとか、夢の中の夢の中(二階層目)みたいなアイデアが素晴らしいし、かつ次々に明かされる夢のルールとストーリーが密接に絡まり合っていて、重層的な作りになっているのが素晴らしいと思います。

かつ、それを補完するような映像、予告編でもおなじみの街が折りたたまっていくシーンとか、無重力上でのアクションとかの想像力がぶっ飛んでいてものすごい刺激的です。

ストーリーはかなり複雑なのですが、丁寧に追っていけば、かなりきれいにまとまっていることが分かると思います。そういう意味では「ダークナイト」に近くて、一度目でもおもしろいけど、分からない部分を知るために、何度でも観たいと思わせる傑作だと思います。

Posted by suadd on 2010/08/15 with ぴあ映画生活

アバター[70点]

アバター

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】サム・ワーシントン / ゾーイ・サルダナ / シガーニー・ウィーヴァー / スティーヴン・ラング / ミシェル・ロドリゲス / ジョヴァンニ・リビシ / ジョエル・デヴィッド・ムーア / CCH・パウンダー / ウェス・ステューディ / ラズ・アロンソ

★★★☆ [70点]「デジタル3D映画の幕開け」

メガネをかけて3Dになるタイプなのですが、初の著名な監督(ジェームズ・キャメロン)による本格的な長編デジタル3D映画ということで注目を集めているようです。

観た感想ですが、確かにすごい。ほとんど違和感がなく立体感があって、本当に異惑星に紛れ込んだような感覚を覚えます。人間よりもかなり大きく体のバランスが違ったりする異星人ナヴィたちや、動植物や景色も本当に自然で、まったく現実とCGの境が分かりません。スピード感のある映像は新体験の連続で本当にこれだけで観る価値ありです。

一方で、ストーリー的には、それなりに工夫されているもののハリウッド的シナリオから抜け出せておらず、映像のすごさに比べて、平凡さが目立っています。とはいえ、退屈するわけではないので平均点は超えていると思いますが。

つまり、ストーリーは平均的であるものの、映像はものすごいですし、今後「ハリー・ポッター」シリーズやディズニー作品も3D化すると言われており、「アバター」がデジタル3D映画の幕開けだったと言われることは間違いないので、観ておいて損はないと思います。

Posted by suadd on 2010/01/02 with ぴあ映画生活

2009年の映画

2007年の映画2008年の映画に続いて、2009年の映画ベスト3。でも、10本くらいしか映画を観に行ってないので。。年々減っていますね。。今年はもっとたくさん映画を観に行こうと思います。

その他観た映画でよかったものは映画カテゴリ旧ブログへどうぞ。
※ちなみに、映画も本も観たもののうちよかったもの一部しかエントリにしてません。

  1. 1位.サマーウォーズ
    日本の昔と今のかっこいい部分をミックスした傑作アニメーション。日本から世界に出るなら、こういう方向性なんだろうなと思いました。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」も新境地が見えてよかったのですが、4部作見ないとなんともといった感じです。
  2. 2位.マイケル・ジャクソン THIS IS IT
    ちょっとこれを入れるというのは抵抗があったのですけど、唯一2回観た作品でもありますし、偶然の産物であろうが、いいものはいいということで。
  3. 3位.チェンジリング
    とにかくすべてにおいてクオリティが高い。「グラン・トリノ」もよかったですし、今年前半はクリント・イーストウッドの年でもありましたね。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

マイケル・ジャクソン THIS IS IT マイケル・ジャクソン THIS IS IT (2009)

【監督】ケニー・オルテガ
【出演】マイケル・ジャクソン

★★★★☆ [90点]「偶然の産物のドキュメンタリーだけど、、」

マイケル・ジャクソンが亡くなることがなければ生まれなかった偶然の産物のドキュメンタリーなのでなかなか評価も難しいのですが、広義の感動を与えるのが映画だとすると、素晴らしい作品だと思います。

僕の中ではマイケル・ジャクソンと言えば、「Dengerous」だったりするのですが、それ以後、HR&HMに行ってしまい、J-POPを経て、HOUSEなひとになってしまったので、あまり接していませんでしたが、改めて聞いてみてすごくいい曲が多いし、マイケル・ジャクソンの音楽への真摯な取り組み方がかっこよかった。

僕は一度は六本木ヒルズで、もう一回はIMAXで観たのですが、二度目の方が親近感が湧いてしまって、冒頭の一緒に働くために選抜されたダンサーたちの熱い想いを聞いた時点で激しく感情移入して、その後は、IMAXの臨場感のあるサウンドと相まって、圧倒されてました。そして、もう観られないんだなと思うと、本当に残念な気持ちになりました。

たくさんのひとに観ていただきたいドキュメンタリーです。

Posted by suadd on 2009/12/29 with ぴあ映画生活

イングロリアス・バスターズ

イングロリアス・バスターズ (2009)

【監督】クエンティン・タランティーノ
【出演】ブラッド・ピット / ダイアン・クルーガー / メラニー・ローレン / クリストフ・ヴァルツ / ダニエル・ブリュール / イーライ・ロス / サム・レヴァイン / ティル・シュヴァイガー / サミュエル・L・ジャクソン / クロリス・リーチマン / マイク・マイヤーズ / マギー・チャン / ミヒャエル・ファスベンダー

★★★★ [80点]「非常にタランティーノ的」

ビラッド・ピット主演のタランティーノ監督作品。初期のタランティーノ作品を彷彿させる長回しの台詞と残忍なシーンがより強化されて帰ってきていて、とにかく強烈な映画です。

多くが緊張感のある台詞シーンで構成されており、いつも通り何やらかすか分からない連中が、どつぼにはまって行くパターン。なのに、ときおり挟まるニヒルな笑い。非常にタランティーノ的。

脚本は非常に練り込まれており、2時間33分はあっという間です。全体的に完成度が非常に高く、タランティーノの代表的な作品になると思います。

唯一いつもは気になる音楽が今回は印象にあまり残ってないのが気になりました。後、刺激的なシーンが多いのでホラー映画とか苦手なひとは遠慮した方よいと思います。

Posted by suadd on 2009/11/22 with 映画生活

「ダークナイト」IMAX版

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前にもお伝えした川崎でやってる「ダークナイト」IMAX版、ついに観てきましたー。

まぁ正直IMAXじゃないバージョンとの違いをすごい感じたわけではないんですが(昔すぎて、、)、家で観るのと桁違いの迫力でやっぱり何度観てもおもしろいなぁと思いながら観てました。

もう二度と観ることもできないと思うので、東京に住んでる方はぜひ。川崎ラゾーナとかふらふらするのには楽しいと思いますし。

see also ダークナイト – 旧suadd blog

『ダークナイト』〔IMAX版〕の上映決定!!

109シネマズ/IMAXデジタルシアター オフィシャルブログ : 念願

皆さまからの熱い、熱い、熱いご要望にお応えして…

『ダークナイト』〔IMAX版〕の上映が決定しました

109シネマズ川崎にて9月12日土曜より。詳細はこちら

その昔「ダークナイト」のIMAX版がすごいらしいと聞いてるのに、東京にIMAXシアターがなくて泣き寝入りをしました。

それから数年、、、109シネマズ川崎にIMAXシアターができたと聞いて、密かにブログを購読してたらビンゴ!! 絶対観に行く、何度か。

ダークナイト観たことない方は絶対観た方がいいですよ!

P.S.9月12日に観に行こうと思ったら出張中でした><

サマーウォーズ:古き良き日本と新しい日本

サマーウォーズ (2009)

【監督】細田守

★★★★★ [100点]「古き良き日本と新しい日本」

時をかける少女」の細田監督最新作。まずとにかくストーリーが予測不可能でおもしろいし、世界観が独特だし、泣けるしで傑作と言ってよいかと思います。

ストーリーは、昔日本にありがちな大家族な田舎シーンと、10億人が利用する仮想空間OZを交錯しながら話が進み、古き良き部分と先端な部分が入り交じって極めて独特な世界観を持っています。

まず田舎シーンについては、大黒柱のおばあちゃんがキーポイントになっており、大家族で田舎でありながら、武家出身という設定でさっぱりとした人間関係が築かれています。でありながら現実生活ではケータイを始めとしたデジタルモノもふんだんに取り入れられており、同じアニメの大家である宮崎駿が最近特に警笛を含めたメッセージ色が強まっているのに対して、もっと自然体に「ありえる」日本を描き出していると思いました。

また、OZという仮想空間内のサブカルチャー色を持ったゲーム的な世界感も秀逸で、こういった世界観だと「マトリックス」のような哲学的で終末論的な暗い世界になりがちですが、現代日本人が軽やかにインターネットを「ケータイ」で使いこなして、掲示板やケータイ小説などのサブカルチャー空間を築き上げている感覚を映し込んでいると思います。

つまり、古き良き日本と新しい日本を見事に織り込んでいるところが素晴らしいところかなと思いました。

それ以外にも、高校生の主人公とヒロイン夏希の淡い描写とか、大入道の雲と高校野球とか、OZ内での数々のオマージュと色彩感覚とか、細かい部分でのクオリティが非常に高くてうれしくなってしまいます。

難を言えばストーリー的に無理がある部分が多いところかなとも思いますが、あまりつじつまを合っているか気にしないで畳み掛けるような展開にそのまま乗ってしまうと、あっという間に時間が過ぎてしまうと思います。

個人的には、「ダークナイト」以来の衝撃を受けたので、また観に行っちゃうかもしれません。

Posted by suadd on 2009/08/26 with 映画生活