バクマン。/大場つぐみ、小畑健

中学生の同級生がタッグを組んで、マンガ家になることを目指すというストーリーなのですが、毎回毎回カタルシスがあるだけでなく、青春っぽい友情、恋愛、お笑いの要素もあって、とにかくおもしろい。個人的に、ぐっとくる台詞が多くて、久しぶりにものすごくおもしろいマンガ読んでる!という高揚感がたまらない感じでした。

個人的にいいなと思ったのが、作品中でも売れるか売れないかは博打だというシーンがあったりとか、漫画家の三大条件のうちのひとつが、運だったりとか、偶然の要素がときおり出て来て、でも一方で主人公達はとにかく一途に努力する。それで、うまくいくこともあればうまくいかないこともある、うまくいかないから必死で方針変えてまた挑戦する(しかも編集者たちや周りの漫画家はみんな違うこと言う)、といった感じで、すごく現実っぽいと思うんですよね。うまくいかないなと、泥臭くいろいろやっていると、ぽっと道が開けて欲しかったものがあっさり手に入ったりとか。これはすごく実感がある世界観で、すごく共感できます。

さすが『DEATH NOTE』の大場つぐみ+小畑健。でも、個人的には『バクマン。』の方が数段おもしろいし、好きです。まだ5巻までしか出ておらず、連載中なので、今後が非常に楽しみです。

<抜粋>
・(シュージン)「亜豆は計算じゃなく素で女の子してるんだ」「? 意味わかんねーよ わかり易く話せよ」「なんていうのかなおしとやかに行儀よくしているのが女の子らしい それが一番ってのが自然に身についてて 女の子だから真面目な方がいいけど勉強は中くらいでいい出来過ぎても可愛くないって感覚 生まれつき持っているんだ」
・(母とサイコー)「お父さんに話したわよ」「ああ」「やらせろ 男には男の夢がある 女にはわからない だって」なぜか涙が出そうになった でも母親には涙はみせたくなく堪えた
・(シュージン)「一緒に漫画家目指すなら同じ高校行った方が何かと都合いいし近道だ 「時間がもったいない」ってサイコーと同じ気持ち それに サイコーここの合鍵くれたじゃん 俺ほんとすげー嬉しかった 俺にもそれくらいさせてくれたっていいだろ」
・(天才じゃない場合のマンガ家に必要な三大条件)
その一 うぬぼれ 自分は他の奴よりできると思い込め
その二 努力
その三 運
・(服部)「正直に言うと僕達にだって何が当るか当らないかなんで完璧にはわからない それがわかれば新連載があんなすぐには終わらないだろ ははは 作品をヒットさせるのって結構博打なんだ」単純だがこのひと言え僕は服部氏を完全に信頼した
・(シュージン)「夢を追って破れて後悔するなら納得できる 夢を追わなかった事に後悔したくない 真城とマンガを描き始める前は毎日がただ過ぎていくだけだった けど今は楽しい 懸命に生きてる…」
・(編集長)「マンガは面白ければいいんだ 面白いものは連載される 当たり前だ」
・(本誌読切エントリ作品の感想)前作とあまりにも違うので服部にこの2人は何が描きたいのか聞いたところ何が描きたいではなく人気を取れるもの、売れているものが描きたいらしい…この若さで見上げたプロ根性である! 確実に売れる作品を載せてやりたい!!

バクマン。 – Wikipedia