北海道の新ボールパークのドキュメンタリー「アンビシャス」

北海道に新しくできた北海道日本ハムファイターズのボールパーク「エスコンフィールドHOKKAIDO」が話題になっていますが、その球場移転を巡るドキュメンタリー。もともとファイターズは札幌市の札幌ドームを拠点にしていたわけですが、市の施設であり他との共同利用ということもあり、なかなかやりたいことができない状況にありました。

これによって札幌ドームはサッカーと野球、両方のプロ球団が本拠地とする国内唯一のスタジアムとなった。サッカーの開催前になると、屋外で養生されていた天然芝のステージをドーム内に移動させる。その作業には十時間以上を要するため野球用の人工芝は迅速に撤去できる巻き取り式でなくてはならず、他の球場に比べて極端に薄かった。ファイターズの選手たちが悲鳴を上げたのはそのクッション性の低さのためだった。

球団は毎年、球場使用料として約一三億円を支払っていた。札幌ドーム側はファイターズが本拠地とすることで使用料とグッズや飲食店販売収入の一部などを合わせて年間およそ二〇億円の収入があり、その総額はファイターズの選手総年俸に迫るものであった。また顧客サービスのためハード面を改善しようにも、あらゆることにドーム側の許可がなければ実現しなかった。球団に与えられた裁量権は極端に少なく、現場で戦うチーム内にも、前沢たち事業部員の間にもフラストレーションは募っていった。

そのため移転先を進めていくわけですが、当然札幌市も移転して欲しくはないですし(新規場所の提案も)、日本ハム本社も300億以上に及ぶ投資をどう考えるかにはいろいろな意見もあるしで、役人や周辺住民も含めて様々な思惑が交錯する非常に難しいプロジェクトになっていきます。それらを重層的に描いていますが、軽やかなタッチで非常に読みやすく一気に読めました。

信念を持ってつくられたボールパークは試合が見える部屋のあるホテルなど周辺施設も含めたボールパークについては評判は上々のようです。アクセスや観客動員などは批判もあるようですが。。私もぜひ遊びに行ってみたいなと思っています。