Zyngaとの思い出

「グランド・セフト・オート」のTake-Two、モバイルゲーム開発企業Zyngaを買収へ

Zyngaが買収されました。Zyngaの名前は残るようですが独立上場企業としてはなくなります。Zyngaに会社を売却して、一緒に働いたものとしては大変感慨深いです。

2010年頃のウノウ社は、「まちつく!」といくつかのヒットゲームがあったものの日本のガラケー向けにモバイルゲームを開発運営していて、これをグローバルで成功させるためには、まだ大きなギャップを感じていました。

そんな中、2009年末にZyngaのひとたちと会う機会があり、何度かの議論を経て、日本への足がかりとしてウノウを買収したい、というオファーをもらいました。もちろんウノウがグローバルでゲーム配信するときはZyngaの配信力が使えると。

ウノウのミッションは「世界で使われるインターネット・サービスを創る」でした。独立性を取るより、ミッションを取ろうと思い、オファーを受けることにしました。

当時Zyngaはシリコンバレーでもっともホットなスタートアップのひとつで、わずか3年で3,000人以上になり、月間2億人のユーザーを抱えていました。

その後、Zynga本社にも頻繁に行かせてもらい、いろいろと学ばせてもらいました。例えば、ABテストでよりよいアイデアを見出し、それを複数のゲーム間で展開するデータドリブンな開発手法やユーザビリティテストのようなプロダクトに関するものから、OKR(目標管理)やストックオプションやM&Aを活用したダイナミックな組織作り、などなど。

その後、Facebookの仕様変更などで業績が落ち込んだ際、私が作っていたスマホゲームも開発中止となったことで、2012年、私は辞めてもう一度ゼロから「世界で使われるインターネット・サービスを創る」ことを目指すことにしました。

その後もZyngaは不遇の時期も長く、元ウノウ=Zynga Japanはクローズとなり、社員や関係者を大変な目に合わせてしまいました。これは本当に申し訳なかったと今でも思っています。

こういった、うまくいかなかったことからも学び、シリコンバレー式にスタートアップを作り、ゲームのノウハウを使い、全力でスマホアプリを開発運営したのが、メルカリです。

僕にとって、シリコンバレーの最先端に触れて、ビジネスにせよ、プロダクト開発にせよ、ものすごい新しい可能性が一気に拓けた青春のような時代だったなと思います。

ありがとう、Zynga!!

P.S.買収時のブログはこちらです