iPhone vs Androidの歴史「アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか」

iPhone vs Androidつまり、スマートフォン分野でのApple vs Googleの歴史。ものすごい丁寧に追いかけてあり、iPhoneもぎりぎりの選択から生まれてきたことが分かるし、Androidにいたってはほとんど奇跡のようなタイミングと戦略により生き残ってきたことがよく分かります。

ベゾス(アマゾン創業者)が言うように、AppleはiPhoneで儲け過ぎたがゆえにGoogleのAndroidに付け入る隙を与えられてしまいます。しかし、Googleもなんだかよく分からなかったAndroidに紆余曲折ありながらも賭け続けたのは素晴らしい。僕はAndroidが出てきた時になんでこんなことやってるんだろうと思っていた口なので、本当に尊敬します。

ビジネスというのは最先端に行けば行くほど、誰も見えていない可能性に気づくことができます。それに対して社内外から批判されようが、ベットし続けることが重要なんだなと思いました。自分も早く勝負できるだけの先端に行きたいものです。

<抜粋>
モトローラと提携するのは、キャリアと直接交渉せずに音楽携帯を作って他社に対抗しようという、防御措置とリスク回避のためだったが、2004年がひと月、またひと月とすぎていくにしたがって、iTunesとiPodについてはなんら防御措置など必要ないことがわかってきたのだ。iTunesをより広く普及させるのに<ロッカー>の手助けはいらず、iPodの売上がロケットさながら急上昇するのを、ただ待てばよかった。2003年夏の四半期にわずか30万台ほどだったiPodの売上は、2004年に入っても四半期でまだ80万台だったが、同年夏に爆発的に伸びる。2004年9月締めの四半期では200万台、年の最後の四半期では450万台になった。
・アップルは初代iPhoneを作るのに1億5000万ドル以上の費用をかけたらしい。
・iPhoneは、見た目がクールなだけでなく、そのクールさを利用して、まったく新しい携帯電話の使い方を生み出していたーーアンドロイドのエンジニアたちが可能だと思っていなかったか、可能だとしても危険すぎると思っていた方法だ。
ルービンは「ボス」でなくなったことにも慣れなければならなかった。グーグルのアンドロイド部門を率いていたが、2005年の末でも、従業員5700人の会社で10人ほどの部下しかいなかった。ただグーグルは、明らかにアンドロイドをほかのあまたの小さな買収企業より優遇していた。
・立案に半年を費やしたあと、マーケティングそのものを放棄し、ジーマンを解雇した。ペイジもブリンも、グーグルの検索エンジンが自動的に広まると信じていてーーその読みは正しかったーーその後もグーグルは、2001年までマーケティング担当役員を置かなかったほどだった。
アップルはそのあと残りの30%を取るが、ルービンは、アンドロイドの取り分にもできるその30パーセントをキャリアに渡すことにした。差し出されるものを受け取らないのはおかしいという意見もあったが、ルービンは<ドロイド>成功のチャンスが少しでも広がるなら安い買物だと思った。
・携帯電話一台からあがる広告収入はデスクトップ一台より少ないが、保有者の数を考えると、全体としての収入は爆発的に伸びそうだった。消費者が一年で買う携帯電話の数はPCの五倍にのぼるーー18億台と4億台のちがいだ。グーグルはまだその市場にほとんど浸透していなかった。
2010年になると、アメリカの多くの消費者が、たんにキャリアがAT&T社でないという理由からアンドロイド携帯を買っていた。ジョブズは2007年のiPhone発売以来、ネットワークの性能を早く上げろとAT&T経営陣に圧力をかけていたが、独占契約が終了してベライゾンでもiPhoneを提供できるようになる2011年のはじめまでは、AT&Tに行使できる影響力にも限界があった。
(ペイジ)グーグルに関する記事を読むと、どれもこれも、グーグル対ほかの会社、グーグル対くだらない何かといった内容ばかりだ。興味が沸かない。われわれは、いまここにない偉大なものを作るべきだろう? ネガティブな態度では進歩できない。それに、本当に重要なことはゼロサムではない。チャンスはたくさん転がっている。みんなの暮らしをよりよくするために、テクノロジーを使って、斬新で本当に重要なものを作り出すことができるんだ。
(ジョブズ)2010年、なぜiPadが重要なのかと尋ねられて、こう答えた。「アメリカが農業国だったとき、車はすべてトラックだった。農場で必要とされたからだ。でも、都市部で乗られるようになると、沓間の人気ががぜん高まった。オートマティック・トランスミッションやパワーステアリングなど、トラックにはあまり関係のなかったイノベーションが、乗用車では何より重要な機能になった……PCはトラックのようになる。まだ出回っているし、価値も大いにあるが、やがて一部の人しか使わないものになるだろう」

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか