ビル・ゲイツの取り組み「地球の未来のため僕が決断したこと」

マイクロソフト創業者でゲイツ財団のビル・ゲイツ氏がカーボンゼロ達成のために現状をどう捉えていて、どうすればよいと考えているか、それらにゲイツ財団としてどう取り組んでいるかを語っています。

いま人類は二酸化炭素は毎年510億トン排出しています。これらを、電気を使う(27%)、ものをつくる(31%)、ものを育てる(19%)、移動する(16%)などに分類し、それぞれどうすればカーボンゼロを達成できそうかを解説しています。

感銘を受けたのは、それぞれに対してイノベーションをコアにしていることです。様々なテクノロジー、例えば太陽光発電についてどういったイノベーションが見込まれるのか、それについてゲイツ財団としてどういう投資をしているのか、というようなことをひとつひとつ説明しています。失敗事例も紹介されてますし、すぐに結果が出ない足が長いプロジェクトが多いですが、着実に前進していることが分かりました。

個人的に、財団活動を始めてみて、暗中模索ではあるのですが、営利企業の組織運営やテックのノウハウがものすごく活せる部分があるなと思っています。ただ、イノベーションに対して投資してレバレッジをかける、という発想がなかったので、目からウロコでした。もちろん、奨学金という教育分野というのもあるかもしれませんが。

本書では、カーボンゼロは絶対にやらないとまずいこととして描かれていますが、そこについてのビル・ゲイツ氏の見解はもう少し聞きたかったです。ただ個人的には、いずれにしてもカーボンゼロを達成することは人類の責務であると考えているし、その実現可能性も高いということが改めて分かって、すごくよかったなと思いました。

政治的な難しさもたくさんありますが、メルカリでプラネット・ポジティブを目指しながら個人としてできることを考えていきたいなと思いました。