新しいフレームワーク「「価値」こそがすべて!」

ハーバード・ビジネス・スクール教授フェリックス・オーバーホルツァージーが提唱する「バリューベース戦略」を解説した作品。非常にシンプルですが、フレームワークとして使うとよさそうなので、メルカリでも一度考えてみたいと思います。

Amazonにもある簡単な説明は以下の通りです

■ WTP(Willingness to pay、支払意思額)

バリュースティックの上限に位置します。これは、 顧客の視点を表しています。具体的には、顧客が製品やサービスに対して支払うであろう上限額のことです。企業が製品を改善すれば、WTPは上昇します。

■WTS(Willingness to sell、売却意思額)

バリュースティックの下限に位置し、従業員とサプライヤーに言及したものです。従業員にとって、 WTSはジョブオファーを受け入れるために必要な最低限の報酬のことです。企業が仕事をより魅力的 なものにすることができれば、WTSは下がります。逆に、仕事が特に危険な場合は、WTSは上昇し、従業員はより多くの報酬を必要とします。

WTPWTSの差、つまりバリュースティックの長さが、企業の生み出す価値になります。ある調査によると、優れた財務パフォーマンス(企業の資本コストを超えるリターン)は、より大きな価値を創造することができるかどうかに依存していることが示されています。そして、付加価値を創出する方法は、WTPを高めるか、WTSを低くするかの2つしかありません

とりうるオプションを、WTPを高めるのか、WTSを下げるのかを定量的に検討し、戦略に落とし込むことができます。本書には、それぞれの事例が豊富に取り上げられており読みやすく勉強になりました。

メルカリは「新たな価値を生みだす」マーケットプレイスでもあるため、「価値」について議論することも多いですが、事業展開の可能性を価値で捉え直す、というのはすごくよいのではと思っています。