福岡で対談イベント出ます

Zynga(旧ウノウ)の山田進太郎さん×gumiの国光宏尚さんの対談「Fukuoka Startup School」

2011年11月5日(土)に福岡でgumi国光さんと対談イベントに出させていただきます。福岡周辺にお住まいの方は是非。

P.S.世界のエンジェルとかVCのひとが登録するAngelListに登録してみました。

お知らせ×3

いくつかお知らせをば

・TechCrunchのイベント「TechCrunch Tokyo 2011」のスタートアップバトルで審査員やらせていただきます。27日(木曜)締切なので、よければご応募ください。

イベント名称: TechCrunch Tokyo 2011(ハッシュタグ #tctokyo)
開催時間: 2011年11月29日(火)10:00〜20:00
※時刻は現在のところ予定となっております。最終確定次第このサイトでお知らせいたします。
会場: ラフォーレミュージアム六本木(東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビルB1F)
主催: AOLオンライン・ジャパン株式会社
協力・協賛: 国内および外資系大手インターネット企業/IT企業を予定(近日公開)
プログラム:
セッション・キーノートスピーチ――現在調整中 ※確定次第このサイトでお知らせいたします
スタートアップバトル――スタートアップ企業によるプロダクトのデモプレゼンテーション
ミートアップと表彰式――ミートアップはランチとディナーを予定。夜はスタートアップバトルの勝者の表彰式も執り行います。

「Tokyo StartUp School」に登壇させていただきます。こちらは明日夜締切です。

「Tokyo StartUp School」 
日時:2011年10月30日(日曜)午後3時~6時 

内容:「創業期の経験談、WEBサービスの作り方など」
講師:山田進太郎氏(ウノウ創業者/Zynga Japan)
講師:衛藤バタラ氏(元mixi CTO/East Ventures)
講師:早剛史氏(美人時計創業者) 
講師:家入一真氏(ペパボ創業者/ハイパーインターネッツ代表取締役)
講師:ワイアード石原明彦氏 シフト管理ASPシフター開発者
進行:松山太河(クロノスファンド/East Ventures) 
ほかゲスト来賓(Blau村上直氏、クレイジーワークス村上福之氏)

・Entrepreneurs’ Mindというインタビュー・サイトに「ベンチャーでの経験×山田進太郎氏(1)」が公開されています。よろしければどうぞ。

『なぜ経済予測は間違えるのか?』は必読

前からそうでしたが、2008年に金融危機が起き、明らかに今までの経済学が現実社会では成り立たず、エコノミストの予測にはまったく根拠がなかったということが分かっているにも関わらず、なぜ未だに正規分布から導きだされた金融理論を使い、エコノミストの経済予測がまことしやかに信じられているのか。

ものすごく疑問だったのですが、本書を読むとすごくすっきりとします。一言で言えば代わる理論がない、というだけなのですけど。もちろん本書で代わりとなる統一的な理論が提示されているわけではないですが、それぞれの分野で少しづつ新しい考え方が生まれてきているのだなと思って、安心しました。

個人の戦略として重要なのは、今まで正しいとされていたことすべてに疑問を持って、今までのやりかたが間違っていたなら捨てて、確実に意味のあることをやる、ということでしかないのかなと思いました。

そして、間違っていることには加担しない、ということでしょうか。むしろ、個人的には、明らかに間違っていることが進行している世の中ではアービトラージはすごく取りやすいなと前向きに捉えるようにしています。

<抜粋>
・金融業界のこれほど多くの人々が、自分たちが管理しているリスクを誤解して、危険について知らなかったとすると、それはなぜか。私が思うに、経済理論の基礎をなす根本前提が間違っているからだ。つまり、数理モデルだけではなく、経済についてエコノミストがとる、現行の思考様式が完全に間違っているのだ。
・経済が予測しがたい理由の一つは、創発する特性があって還元論的分析になじまないからだ。これと同じく予測する際に重要な問題は、正のフィードバックと負のフィードバックのからみ合いがあることで、どんな流れにも、間もなくそれに対抗する流れが育つらしい。
・クオンツたちの後ろ暗い秘密は、用いられる道具がたいてい非常に単純だということだーー数学や物理学の博士号はほとんど箔をつけるためのもので、実際のところを言うと、リスクのモデル化という分野は、パスカルとその三角形の時代以降さほど変化していない。
・「たいていの経済学の論考や教科書には『バブル』という言葉は出て来ない。(中略)バブルが存在するという考えが、経済学や金融の世界の大部分ではいかがわしいこととされるようになっていて、経済セミナーでそれを持ち出すのは、天文学者の集まりで占星術を持ち出すようなことになっている」
・ゴールドマン・サックスのような会社に、金融の話がよくわからない人向けの二段階金利サブプライム・ローンをまとめる自由を最大限に与え、ほとんど何もないところから何兆ドルもの信用バブルを作り、うまく行かなくなると政府から金を引き出すというのは、フリードマンの頭にはなかったことだろう。
・学会や政府にいる主流のエコノミストは、完全な経済というピュタゴラス教的な幻想にまだ目をくらまされていて、誤りから学習できていない。この神話を拡げ続けることによって、大学やビジネススクールは、未来の金融危機の種を蒔いている。誤ったリスクモデルが経済のリスクを上げるのと同じように、経済が本来安定して自己調整すると見て、そのように扱うーー規制を緩めることによってーー世界観は、いずれその逆になる。
・言いたいのは、ただ経済が再帰的で、したがって予測しにくいということだけでなく、私たちの考え方や神話が経済を特定の形にし、不安定になるように細工するということでもある。これはたぶん、経済学理論が世界に影響し、そのため客観的だとは言い張れなくなる最も明らかな例だろう。
・利益のために取引することが、必ず善だったり悪だったりすることはない。それは脈絡に左右される秤の上に乗っている。アデア・ターナーは、「市場はすべて初めから善であるか、すべての投機は悪であるか、いずれかの前提で生きていく方がよっぽど難しいでしょう。現実はもっと複雑で、私たちは差引勘定や決断をしなければなりません。けれどもこの複雑な世の中では、それ以外のことはできません」と言う。

34歳になりました

ちょっと前ですが、9月21日、嵐の日に34歳になりました。Facebookでたくさんのメッセージと、サプライズで200本以上のバラをいただき大変うれしかったです。ありがとうございました。

抱負とかは特にないんですが、33歳は着実に前進しているという実感はありながらも、あまり目に見える結果がなかったので、今年は結果を出せればいいなと思っています。が、急いでもあまりいいことはないのでマイペースに長期的な視点で望んでいきます。

<お知らせ>
・YouTubeでプレイリストなるもの作ってみました。ハウスまたはテクノの好きな方は、suadd listを作業用BGMにどうぞ。
・FacebookもTwitterのようにフォロー(Subscribe)できるようになったということで、よろしければ僕のFacebookページもどうぞ。

ここのところの動き

ザ・インタビューズ
とても楽しいです。どしどし聞いてください。

エンジェル投資
趣味の範囲内でぼちぼちやってます。いろいろな方の話を聞くのがとても楽しいです。かつ、勉強になります。

仕事してるんですか?
全力投球で、新作作ってます。お楽しみに!

スピーカーなど
イベントでのスピーカーやパネルなどは現在ZyngaがIPO申請中につき、すべてお断りしています。せっかくお声がけいただいて、ほんと心苦しいのですが。。

ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態/ロバート・フランク

ニューリッチとは資産1000万ドル以上の新富裕層のことで、本書ではニューリッチは、どういうひとびとで、どういう生活をし、何をしようとしているのかを明らかにした良書。新しい動きをウォッチしたいひとは必読だと思います。

個人的に一番おもしろかったのは、ニューリッチが自らの財産を子孫に残す、のではなく、どのように使うか、に焦点を当てているというところでした。そういったお金の使い道として、新しいタイプのNGOやNPOが生まれており、特にニューリッチの多くを占める成功した起業家が社会問題の解決に自らの力と金を使うのであれば、もっと世の中はよくなっていくのではないかと希望が持てました。

<抜粋>
・1980年代に、流れが変わりはじめた。情報技術と資本市場、政府による規制緩和の進展により、富裕層が經濟的地歩を取り戻し始めたのだ。資産額上位1%の層が国全体の資産に占める割合は、1989年には30%に急上昇し、その後33%にまで上がっている。
・長年、「ミリオネア(百万長者)」という言葉は「富裕層」と同義語だった。だが今日では、100万ドルあったところで、マンハッタンに2LDKのアパートを買うのがやっとで、高級住宅地のハンプトンズに住むことなどかなわぬ夢だ。(中略)その結果、両者の考える「富裕層」の定義は大きく異なってきている。
・富は人間の最低の部分も、最良の部分も引き出す、とティムは言う。つまり、富は人間性を誇張するのだ。「金は自白剤のようなもので、人間の本質を引き出してしまう。だから、嫌なやつは金をもつとますます嫌なやつになる」
・エチオピア国民や慈善家仲間からは賞賛されているバーバーも、大手の非営利組織からの受けは悪い。実際、彼はこうした組織にとって悪夢のような存在である。バーバーは「一縷の望み」によって、ユナイテッド・ウェイや赤十字、CAREといっった既存の大手慈善団体に寄付する必要がないことを示した。(中略)「ほとんどのNGOは、民間企業だったら破産している。私たちが生きているうちに変革の風が吹き、寄付をする人々が寄付金の使途についてもっとよく知るようになるだろう。実際の援助に寄付金の19%しか使っていない団体もあると知ったら、誰でもショックなはずだ」
・リッチスタン人、特に短期間で富を築いた人々は、自分の能力を過信し、複雑化する社会問題も自分なら解決できると思いがちだと、マリーノは指摘する。「簡単に金を儲けると、財産がほのめかすほど自分は賢くないという事実を見失ってしまうのです。自己顕示欲が強く、世界を変えようとする人が多すぎる。最初の数年は私も同じ過ちを犯しました。でもいまは、この世界では傲慢は凶と出ることを知っています」
・バーバーは、どんな援助にも成果目標を取り入れている。エチオピアの小規模NGOに資金を提供する場合、最初は第1四半期分の援助金しか渡さない。そのNGOが一定数の井戸を掘るなり、学校を設立するなりして目標を達成したら、初めて第2四半期分の援助金を渡す。目標を達成できなければ、援助を打ち切る。

自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門/森村進

リバタリアンはどのように考え、行動するかというのを(リバタリアニズムの中の)様々な説から検証している良書。2001年と少し前の新書なんですが、今読んでもぜんぜん色褪せてません。

僕は自分をリバタリアンだと考えているのですが、実際には今自分が当たり前と考えている考え方について、リバタリアニズムから検討すると、いつの間にか自分がリバタリアニズムと反していることがあることに驚きます。

リバタリアンであれば、国家による婚姻制度は認めるべきではないし、会社の賠償責任は無限であるべきだし、国民栄誉賞は認めるべきではないし、相続税は認めても累進課税は認めるべきではない(ただし、もちろんリバタリアニズムにもいろいろな説があります)。こういう思考実験というのはすごく刺激的でおもしろいです。

いまはまだ自分の中でもまとまっているわけではないけれども、折にふれて深く考えたり、ひとと議論したりしながら、自分の人生観を変えていきたいと思います。そのための入門として素晴らしい作品だと思います。

<抜粋>
・訴訟遅延は確かに重大な問題だが、法的サービスは国家しか提供できないものではない。アメリカのリバタリアンは、紛争の解決は民間でもできるという発想から、専門的な民間の第三者による仲裁や和解といった「代替的紛争解決」(ADR)のサービスを高く評価している。アメリカにはADRを行う大きな会社や非営利組織が多数活動していて、利用者の満足を得ている。
・興味深いことに、リバタリアンの中には、この点でアメリカよりも日本の刑事法制度の方が被害者の権利をよく保護していると主張する論者もいる。(中略)日本の刑事裁判ではアメリカと違って、被告人が悪い環境で育ったなどという言い訳が責任軽減事由としてはほとんど通用せず、また被告人と検察官との間のプリー・バーゲニング(有罪答弁取引)も存在しない一方、犯人が犯行を自白し、真摯に後悔して、被害者側に謝罪・賠償しその許しを得るということが基礎の有無や量刑において重要な役割を果たすといった事実を指摘する。
・国家の中立性というリバタリアニズムの原理は、政府が教育の場などで特定の歴史観(唯物史観、新自由主義史観、民衆史観など)やライフスタイル(核家族、一夫一妻制、禁煙運動など)を押しつけたり援助したりすることも排除する。一夫一妻制だけを法的な婚姻制度として認めたり、特定の近親者だけに遺留分として相続財産への特権を与えたりすることは、この見地からは弁護しがたい。また政府が人々をその功績によってーー官尊民卑の観点からーー格付けする叙勲制度も廃止すべきである。
・そもそも婚姻という制度を法的に定めなければならない理由は明らかでない。実際には多くの法制度は色々な点で既婚者を独身者よりも優遇しているが、この優遇も法の下の中立性と衝突するから、もっと根本的に、婚姻という制度を法的には廃止すべきである。
・相続制度が廃止され、親への扶養義務が法的には最小化された社会の家族は、確かに現在の家族とはかなり変わってくるに違いない。そこでは親の扶養義務をめぐる争いはずっと少なくなり、遺産相続をめぐる紛争はほぼ消滅するだろう。成人した子供と親の間の関係はもっとドライなものになるだろう。そして代々続く「家」という観念も薄くなるだろう。法的な絆がないと(事実上の)離婚も多くなるかもしれない。このような変化を耐え難いと感ずる人もいるだろう。しかし自由を愛する人は、むしろそれをどろどろした血のしがらみからの開放と考えるだろう。親族関係は自発的な友人関係に近くなるのである。
・これらの(注:リバタリアンの)要請をもっともよく満たすのは、何の例外も控除もない、一定率の所得税か消費税である。所得税の税率は、累進課税では、所得の少ない者のために所得が多い者を搾取することになり、不公正である。税金が市場制度の使用料のようなものだと考えれば、その額は市場で得られた所得に比例しているのが公正だろう。
・大気や水の汚染は、その空間や水面の利用者の人身と財産への侵害に他ならない。工場主をはじめとする汚染者たちは、自分の財産の領域を超えて他人の人身と財産に損害を与えているのに、その責任を問われない。したがって最善の公害対策は、私的所有権、特に不動産所有権の厳格な執行ーー侵害行為に対する事前的な差し止めと、事後的な損害賠償ーーである。そしてその際、伝統的な過失責任ではなくて無過失責任主義を取るべきである。

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会社作ってから10年たちました/多謝

約10年前の2001年8月1日にはじめて会社を作りました。フリーランスでウェブ・プロデューサーやエンジニアをしていた僕にとって、特にすごく必要性があったわけではなかったけれども、会社にすれば大きな仕事も取れるかなというのと、節税などお金の流れをきれいにできるかなと思って作ったスモールビジネスとしての有限会社でした。

そのウノウという会社は、2005年に株式会社化して再出発。資金調達をして、ひとを雇って、ウェブサービスを開発して、いわゆるベンチャーになりました。いろいろ試行錯誤する中で、「まちつく!」というケータイゲームを作って、大ヒットしました。

そして昨年のちょうど今日(2010年8月3日)、Zyngaとの契約書を交わして、ウノウはZyngaの日本法人として、Zynga Japanになりました。いま僕はなんとかして、世界でメガヒットするコンテンツを作ろうとしています。

会社を作って10年、少しは成長できただろうか?

会社とは何か、受託とは何か、契約とは何か、コンサルとは何か、エンジニアリングとは何か、共同創業者とは何か、財務諸表とは何か、資金調達とは何か、株主とは何か、ストックオプションとは何か、ひとを雇うということは何か、マネジメントとは何か、監査とは何か、証券会社とは何か、バイアウトとは何か。どうやったらサービスをメガヒットさせることができるのか、どうやったら社員や役員に幸せになってもらえるのか、どうやったらみんなに喜んでもらえるのか。

10年前は何も分かってませんでした。もちろん今でも分かっているなんてとても言えないけども、10年前よりは少しは、徐々に分かるようになってきていると思います。

そしてこの間、とにかくいろんな方からの支援を有形無形に受けてきたと、今ははっきりと分かります(もちろんそれ以前もですが…)。

10年間ウノウとZynga Japan、あるいは僕個人に関わったすべての皆様(ウェブサービスのユーザーの皆様も!)、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

なぜ日本に起業家が少ないか

日本に起業家が少ない理由 – Chikirinの日記

このエントリをきっかけに日本の起業家が少ない理由をいろいろな方が分析してくれているようです。起業家としての僕の感覚からすると、情報ギャップがかなりあるんじゃないかと思っています。

例えば、1999年に東証マザーズができるまでは、上場するまでに10年以上かかることが普通でした。僕も大学時に何度か起業家を少人数で囲んで話を聴く機会がありましたが、どの方も非常に苦労されて起業され、しかもすでに30代後半〜40代の方が多かったです。

つまり昔は、普通に起業しても、一定の成功をおさめるまでに、非常に時間がかかっていました。しかし、現在はよいビジネスモデルがあれば数年で上場することも不可能ではありません。
※もちろん上場はゴールではありませんが、創業者が一定のリターンを得る機会でもあります

次に、日本では戦後、会社員が勝ち組の時代が長く続いていました。経済が急激に成長していたのでみな豊かになれたし、安定した立場でもあるわけで、合理的に考えて、どこかのできれば大きな企業に所属することが有利な時代がありました。

しかし、今は企業間の競争も激しくなり、企業内においても熾烈な出世競争や合理化が行われていますし、特に給与も右肩上がりなわけでなく、サラリーマンだから安心とも言えなくなっています。

一方で、起業については、長らくリスクが非常に大きい、あるいはリターンまで時間がかかる、という時代が続いていました。

しかし、最近は、確かにリスクは依然高いものの、資金調達も多様化しつつあり、失敗したからといって、借金に追われないようにすることも(やりようによっては)可能ですし、またネットの普及により(ネットビジネスに限らず)昔に比べると明らかにイニシャルコストが低くなってきています。

さらに、これが僕としては大きいと思うのですが、日本では優秀なひとの多くは大企業や国などに就職するため、世の中の大きな組織が埋められない需要に対する、供給元としてのベンチャーが相対的に少なくなっています。

つまり、大枠で考えると、

・起業は、ハイリスクハイリターンからミドルリスクハイリターンへ
・会社員は、ローリスクミドルリターンからミドルリスクローリターンへ

それぞれ向かっているという傾向があると思います。

しかし、依然多くのひとが「起業はハイリスク」という固定観念に縛られているため、なかなか起業するひとが増えないのではないかと。

なので、個人的には、もっと起業すればいいのに、と思ったりしてます。

P.S.だからというわけでもないですが、ハイパーインターネッツというベンチャーに投資しました。今後も機会があれば、特に若いひとに投資していきたいと思います。

今やっている仕事は、今のユーザー数を何倍にも増やす可能性がありますか?

いろいろと細かく調整していく仕事は、どんどん結果が出て、きちんとなっていくからすごく気持ちよいです。仕事しているという感覚もありますし、心地良い環境で仕事ができるようになります。

でも、そういう仕事って、実はユーザーさんへのバリュー(価値)というのは小さいことが多い。ユーザーさんは本当はそんな細かいことは気にしていなくて、もっと大きな「○○が簡単にできる」とか「××が無料でできる」とか何か一点でのみ惹かれて使ってくれていたりします。

細かく調整していく仕事は、全体へのインパクトはほとんどありません。一気にユーザー数が何倍になったりしません。

大企業ならそれでもいいかもしれません。でもベンチャーならやるべきなのは、圧倒的なバリューをユーザーさんに提案することだと思います。「おお、すごい!」と思ってもらって、クチコミしたくなるような、圧倒的な仕事をすることだと思います。

でも、これはほとんどのひとにとって、恐怖以外の何ものでもありません。大きく変えると、今までのユーザーさんからの反発をくらって、使ってもらえなくなってしまうかもしれません。

だから、ほとんどのベンチャーは、ちょっとした使い勝手をよくするとか整合性を取るとかいう調整ばかりをしてしまいます。今いる少ないユーザーさんを大切にしすぎて、可能性のある大衆を取り込むことができないで終わります。

つまり、自分のやっていることが、自分のための仕事なのか、ユーザーさんのための仕事なのかを常に考える必要があります。今やっている仕事は、今のユーザー数を何倍にも増やす可能性がありますか?

自分の気持良さとか心地良さは無視して、ほとんど失敗するかもしれないけれども、ユーザー体験をダイナミックに変えて、桁の違うユーザーさんに使ってもらえる「可能性のある」仕事をしなければいけません。

失ってもいいから、ダイナミズムに賭ける、ことがベンチャーがやることです。

誰のいうことを聞くべきか?

最近思うのは、誰のいうことを聞くべきかが実はすごく重要なんじゃないかということです。

普通、ビジネスでもプライベートでも、なんとなく近しかったり、親身なひとのアドバイスだったり、書籍などで読んだ心地いい言葉を重視してしまいがちです。

ここでは分かりやすくビジネスに限定しますが、圧倒的な成果を出せる人というのは本当に少ないです。自分が何かを成し遂げたい場合、やはりその分野で結果を出してきたひとのアドバイスを聞いた方がいいと思います。

よくあるのは、ネット上で発言力の強いひととかマスコミや評論家の言論に左右されるということです。まずそのひとが何を成し遂げたひとなのかを考えるのがいいと思います。さらに、その何かと、その発言の対象がどのくらい密接かを考え、もし全然違う分野であるならばあまり参考にならないと考えます。

この考えには、多くの反論があると思います。言論そのものをひととは切り離して考えるべきだ、というひともいるでしょう。もちろん正しいものは正しいし、実際に何かを成し遂げていなくてもいいことをやっているひとや実績をあげつつあるひとはたくさんいます。

でも僕はあえて、この短い人生で何かを頼りにするのならば、二つの意見があった場合、やはり実績のあるひとの言葉を重視したい。

ユリウス・カエサルは「人は喜んで自己の望むものを信じるものだ」と言っています。

僕は弱い人間なので、自分に心地のよい言葉を受け入れてしまいがちです。だから、自分にとって厳しい言葉であったり理解できない言動であっても、そのひとが自分が目指す分野で本当に圧倒的な結果を出しているひとであれば、じっと心にとめるようにしています。

そうして、後から考えると、やはりあの時のあれは正しかったなと思うのです。逆に言えば、心地良い言葉がその通りうまくいっていることは稀です。

だから、僕はこれからも、何かについて考えるとき、その何か(に近いこと)を成し遂げたひとの言うことを信じて行こうと思います。

魔法少女まどか☆マギカ

[tmkm-amazon]B004INGZAE[/tmkm-amazon]

いろんなところからおもしろい、という話を聞くので観てみました。テレビアニメで全12話、4月に完結したばかりです。

キャラクターの絵柄で拒否感出る方もいるかもしれませんが、戦闘シーンなどはサイケデリックな感じだし、内容もかなりおもしろくて、絵柄に似合わず超ハードな展開。深くて斬新で先が読めないストーリーがものすごくおもしろいです。ネタバレになってしまうので、ぜんぜん書けませんが、ぜひ騙されたと思ってとりあえず3話まで観てみてください。

ちなみに、僕は結末はかなりキレイにまとまっていると思うし、こういう物語は好きです。

※いまだとニコニコ動画で2016円で観ることができるようです。

近況

気づいたら2月から1度もポストしてなかったという… これはいかんということで、どんな些細なことでもいいからぽつぽつポストしていきたいと思います…

とりあえず近況なんですが、1月〜3月はZynga本社のあるサンフランシスコに行ってることも多かったのですが、ここのところは日本(Zynga Japan)で新たなミッションを開始しています。ちなみに、よくいつ辞めるんですかなどと聞かれるんですが、ものすごい毎日普通に働いているし、とりあえずZynga Japanから世界的なサービスを生み出すまでは、諦めないつもりです。

ここのところの主だった活動としては、こんなのがありました。

新進の起業家が成功のために大事にすることとは–トーマツがイベント開催

トーマツ ベンチャーサポートが開催した起業家向けイベント「トーマツベンチャーサミット」。そのパネルディスカッションでは、エスクリ 代表取締役社長の岩本博氏、paperboy&co. 創業者の家入一真氏、ビジョン 代表取締役社長の佐野健一氏、ジンガジャパン ジェネラルマネージャーの山田進太郎10 件氏が登壇。それぞれの立場から、起業についての思いや苦労を語った。

僕と山田進太郎で選んだ#givemac2選手権結果発表

#givemac2 22歳以下の学生ひとりに最新のMacBookProかMacBookAir、またはiPad2を無料で進呈します

先週ついに〆切を迎え、週末に審査・・・しようと思ったんだけど、急遽、地震の被災地を視察することになって、審査が伸びてしまった。

しかし昨夜、ついに結果が出たので、みなさんにお伝えする。

今回の#givemac2選手権は、Zynga Japanの山田進太郎さんがスポンサーになった。
Zyngaはいま、Facebookで最も大きな利益を上げている企業の一つ。

だからソーシャルやゲームをテーマに据えてみた。

oxweb – “世界中で使われるインターネットサービスを創る”

インターネット業界で夢を実現する、ってどういうことですか?
Zynga Japan ジェネラル・マネージャー 山田進太郎メールインタビュー

後、ジャカルタで「Jakarta Ventures Night」に参加したりもしました。

[jp]「Jakarta Ventures Night」にインドネシアのスタートアップたちが集結

このインドネシアでもスタートアップの胎動が始まっている。日本では地震の影響により震災被害が続く中ではあったが、従前より予定していた3月17日、18日の両日に首都ジャカルタのスタートアップ企業視察のためにインドネシアを訪れた。というのも、インドネシアでアーリーステージのスタートアップに投資をするベンチャーキャピタル、East Venturesが、スタートアップイベントの「Jakarta Ventures Night」を開催したからだ。

それから直近だと大阪で話す予定があります。

「起業家支援イベントStartUp Engine2011」が5月20日に大阪で開催-ジンガの山田氏や美人時計の早氏が講演

StartUp Engine事務局は、5月20日、「起業家支援イベントStartUp Engine2011」を大阪で開催する。時間は、13時~17時30分まで。

今回のセミナーは、成長志向企業の経営者、起業・事業創造を志望するビジネスパーソンや学生を対象に、「次世代起業家、新事業を生み出す知識・人・気持ちが集まる場の創造」を目的とした企画。注目のベンチャー企業やグローバルカンパニーの最前線で活躍するスピーカー陣を迎えたセミナーとなっているという。

とりあえず軽めのエントリでウォーミングアップということで。

フェイスブック 若き天才の野望/デビッド・カークパトリック

フェイスブックの立ち上げから今までを丁寧な取材から明らかにした良書。フェイスブックとザッカーバーグ(とその周辺の人物が)がどういうタイミングでどんな決断をし、発展を遂げてきたかが非常に鮮明に描かれています。

個人的に一番興味深かったのは、フェイスブックがヤフーへの10億ドル(約820億円)での売却の交渉の最中に、フェイスブックが社会人へのオープン登録制(それ以前は大学生と高校生のみ)の導入する辺り。

「もしオープン登録制にした後も、ユーザー数と滞在時間が安定して伸びないようなら、あの10億ドルだか10億1ドルだかが、ぼくたちの欲しいものなのかもしれない」

しかし、結果は

約1週間後、大人たちはフェイスブックに入るだけではなく、入った後に友だちを招待したり、写真を載せたりと、アクティブユーザーのすることすべてをやっているらしいことが分かった。彼らはハマったのだ。 オープン登録以前、新規ユーザーの登録は1日に約2万人だったが、10月の第2週には、その数が5万人になっていた。

となる。そして『まだ売り時じゃない』と。会社を経営していると、常に「ここが頂点なのではないか」という思いと、「まだまだこんなものじゃない」という思いが交錯しますが、フェイスブックでもどこでも同じなんだなと思いました。

また、全体として感じるのは、ザッカーバーグがものすごいアグレッシブにサービス自体にコミットしていること。時にそれは、ユーザーから強い反発を受けて、後戻りしたりしますが、それでもザッカーバーグは常に(彼の考える)あるべき未来を見据えて、既存サービスの大幅な変更(ニュースフィードは典型)を次々にしていきます。

それで、共同設立者のサベリンも含めて多くの敵を作ってしまうわけですが、それがゆえにフェイスブックが力強くここまで成長してきたのも事実です。ザッカーバーグの天才性や狂気性、そして成長を垣間見れるのも本書の魅力だと思います。

ベンチャーというのは、本当にスリリングな瞬間が多くて、しかしそれを乗り越えた時の達成感は代え難いものがあります。だから止められないわけですが、本書にはそういうストーリーが満載で、ベンチャーに関わる、もしくは関わりたい方であれば誰であってもオススメ、というか必読だと思います。

P.S.ちなみに、映画『ソーシャル・ネットワーク』と本書を読むとかなり違う部分がありますので、比べるとまた楽しいです。

<抜粋>
・学生たちは、全学の「フェイスブック」写真がオンラインで検索できるようなフレンドスター的サービスを強く求めていた。オンライン人名録をつくるのに、それほど難しいプログラミングが必要ないのは明らかだった。サンフランシスコの起業家がつくれたサービスをハーバードの管理者たちがいつまでもつくれないでいるのはどうしたわけなのだ?
・みんながレストランで食事をしている最中に、パーカーに彼の弁護士から電話が入った。悪いニュースだった。プラクソ社の取締役会はパーカーが保有していた50パーセント近くの持株を剥奪することを決定した。つまり今後、プラクソが買収されても上場されてもパーカーには1ドルも入ってこないのだ。
・サベリンはフロリダの銀行口座を凍結した。 ザ・フェイスブックは、運営費を支払うことができなくなった。(中略)サベリンはザ・フェイスブックの運営に関して、ザッカーバーグと自分の役割を定めた合意書を用意したと告げた。だがサベリンは、ザッカーバーグが弁護士にもほかの仲間たちにも見せずにサインすると約束するのでなければ、その合意書を見せることはできないと主張した。
・交渉が続く間、ザッカーバーグはパロアルト市ラジェニファーウェイ819番地の灯りを消さないために、自分の貯金をはたき続けた。(中略)ザッカーバーグと家族は結局この夏、総額で8万5000ドルをザ・フェイスブックのために支出した。
・トライブのピンカスは1994年にバージニア州アーリントンで「フリーローダー」(Free-loader)というベンチャー企業を起こしていたが、パーカーは15歳でその会社でアルバイトしたことがあった。
・「辞めるなんてとんでもない間違いだ。一生後悔するぞ。ザ・フェイスブックはすぐにものすごい会社になるんだ! ビデオサイトなんて掃いて捨てるほどあるじゃないか」 しかし、言うことを聞かずにチェンはザ・フェイスブックを去ってビデオ・サービスを立ち上げた。それがユーチューブだった(同社は2006年にグーグルに16億ドルで買収された)。
・ザッカーバーグとモスコヴィッツは徹底的に順序立てて仕事を進めた。ザ・フェイスブックが正式に運用を開始していない大学の学生で、ユーザー登録を試みようとする者も多かった。彼等は待機リストに登録され、その大学で運用が開始されると、メールで通知が送られた。待機リストに登録された学生の割合が20%を超えると、ザ・フェイスブックはその大学を運用の対象に加えた。
・アップルは1ユーザーあたり毎月1ドル払ってくれるので、アップル・グループが拡大するにつれてザ・フェイスブックに入る収入も増えた。すぐにアップルからの広告収入は月額数十万ドルに達した。2005年のフェイスブックにとってはこれが事実上唯一の収入源だった。
・写真はフェイスブックで最も人気のある機能になっただけではなく、フェイスブックはインターネットで最も人気ある写真サイトになった。リリース後わずかひと月で、85パーセントのユーザーが少なくとも一度は写真でタグ付けされた。
・(ヤフーとの買収交渉時、姉のランディの回想)「弟は本当に葛藤していた。彼はこう言った。『これは大変なお金なんだ。ぼくの下で働いているたくさんの人たちにとって、それこそ人生を変えるかもしれないお金だ。だけどぼくたちには、これ以上もっと大きく世界を変えるチャンスがある。誰かがこのお金を手にすることが、ぼくにとって正しい行動とは思えないんだ』」
・「2種類のアイデンティティを持つことは、不誠実さの見本だ」 ザッカーバーグが道徳家のように言う。(中略)自分が誰であるかを隠すことなく、どの友だちに対しても一貫性をもって行動すれば、健全な社会づくりに貢献できる。もっとオープンで透明な世界では、人々が社会的規範を尊重し、責任ある行動をするようになる。
・ザッカーバーグはかなり以前から、ほとんどのユーザーが時間を費やしてまで複数のソーシャルネットワークで複数のプロフィールを作ったりしないことに気づいていた。さらに彼は、ハーバードとパロアルトでの延々と続く雑談で「ネットワーク効果」の知識を得ていた。ひとたび、ひとつのコミュニケーションプラットフォームへの集約が始まると、加速がついて勝者による市場総取りが起きる。
・「ぼくたちにできる最善の策といえば、周りの世界と共にスムーズに動き、常に競争に励み、壁をつくらないことだ。いずれにせよぼくたちは、共有のほとんどがフェイスブックの外で起きるようになると考えているから、是非ともこれを進めていきたいと思っている。ぼくには成功を保証することはできない。ただ、今これをやらなければいずれわれわれは失敗すると思うだけだ」
・(続いて)「そんな大胆な考えが会社の財政を脅かすのではないかと心配しなかったのか」と、私は聞いてみた。 「何十年間も価値の続くものをつくろうとしているなら正しい方向に議論を進めるしかない」と彼は言った。

しばらくサンフランシスコのZynga本社に

10日ほど前から、サンフランシスコのZynga本社に来ています。こちらには1ヶ月ほどいる予定で、結構長いです。今回の主な目的は、本社でいろいろと見て、Zynga Japanに持ち帰ること。

個人的に、シリコンバレーのベンチャー(正確に言うと、Zyngaはサンフランシスコにあるのでシリコンバレーではないのですが)がどのように経営・運営されているか、ものすごい興味があったので、すごくいい機会だと思っています。そして、もちろんソーシャルゲーム制作のノウハウも。

こちらでは、とりあえず先日MAU(月間利用者)が1億人を超えたことで話題になっているCityVilleチームにいて、GMのMark Skaggsをシャドウイングしてます(ついて回ってるってことです。ちなみに、Mark SkaggsはFarmVilleやTresure Isleを作ったひとでもあります)。その他、かなり重要な上層部のミーティングにも参加を許されていて、見るもの聞くもの新鮮で非常に勉強になって、楽しいです。

できればもう少し英語ができるといいんですが。。とりあえずこっちにいる間にもっと英語が話せるようになる、というのが裏テーマです。

という、久しぶりに日記っぽいエントリ。

ザッポス伝説/トニー・シェイ

(本書は献本いただきました。献本、ありがとうございます)

ものすごいリアルなシリコンバレーでの起業物語で、すごく楽しめました。著者はリンクエクスチェンジを起業し、MSに2億6500万ドルで売却。その後、ザッポスを含めて30社近くにエンジェル投資をしましたが、結局ほとんどうまく行かず、そして当時上手くいっていなかったザッポスに賭ける決断をしました。その際、全財産のほとんどをつぎ込んだそうです。

その後、CEOとして、ザッポスの立て直しと成功を導きました。この辺りの決断のディティールの一つ一つが非常におもしろく、勉強になります。アマゾンへの売却話も生々しく、セコイアなどのVCからのEXIT圧力が大きな要因のひとつであったと書いています。

投資を受けたベンチャーというのは、過酷なもので、EXITするか、IPOするか、どちらかを5年くらいのスパンで求められます。ウノウは幸いにして、非常に投資家に恵まれ、長い目で見守っていただきましたが、僕としては人生をかけて必ずリターンを提供したいと思っていたので、一定のEXITとなったのは本当に僕にとってすごくうれしいことであったし、非常に幸運であったと思います。とはいえ依然僕としてはZyngaに対して、恩義を感じていますし、引き続きZynga Japanの成功に全力を尽くしていきたいと思っています。

本書は、いいところも悪いところも含めて、生々しいベンチャーの現場を知ることができる良書だと思います。

P.S.本日は以前にご紹介した日経エンタテインメント!さん主催の映画『ソーシャル・ネットワーク』試写会でした。ご来場いただいた方、前説で私のお話を聞いていただき、ありがとうございました。

強さと脆さ/ナシーム・ニコラス・タレブ

ブラック・スワン」のタレブ新作。「ブラック・スワン」では、ブラック・スワンという現象そのものに焦点を当てていましたが、本作では「ではどうしたらいいか」に踏み込んでいます。

「ブラック・スワン」から1年半で金融危機が起き、それから2年。タレブは反省として、無駄の重要さについて語っています。あまりにも最適化されていると、予想外のことが起こったときに対応ができなくなる、と。

これによって、タレブの主張(哲学?)には磨きがかかりましたが、「ではどうしたらいいか」というと、いろいろな悪い可能性に備えて一見無駄なこともキープしつつ、できるだけ多くの良い可能性に賭ける、と結構実行するのが大変な戦略になってしまっています。

しかし、それでもそれが唯一の戦略である、と僕は思います。個人的には、前にも書きましたが、もっと自分の好きなことややりたいことに重点を置いてもいいのではないかと思います。そうすれば、人生を楽しみつつ、良い可能性に賭け、稀に良い可能性が起こればより人生を楽しむことができるからです。

「ブラック・スワン」に比べるとインパクトは欠けますが、これからの不確実な時代を生きて行くためには、セットで必読と思います。

<抜粋>
・グローバリゼーションは一見効率がいいように見えるかもしれない。でも、レバレッジを大きく利かせている点や要素同士の相互作用が多岐にわたる点を考えると、一ヶ所で不具合が生じれば、それがシステム全体に伝播するのがわかる。その結果、たくさんの細胞がいっぺんに発火し、癇癪の発作を起こした脳みたいな症状に陥る。すばらしく機能している複雑なシステムである私たちの脳みそが、「グローバリゼーション」なんかしていないのをよく考えてみてほしい。少なくとも浅はかな「グローバリゼーション」はしていない。
・知識の限界の下で、つまり将来が不透明である中で、進歩を遂げる(そして生き残る)ためには、こうした無駄のどれかがないといけない。この三年間、私はそういう考えに取り憑かれてきた。明日何が必要になるか、今日のうちにはわからない。
・物には二次的な使い道があり、そんな使い方がタダでついてくるものなら何だって、今まで知られていなかった使い道が出てきたり、新しい環境が現れたりする可能性がある。そういう二次的な使い道が多い組織ほど、環境のランダム性や認識の不透明から多くを得られるのだ!
・私は大事なことを見落としていた。生きた組織(人間の身体でも経済でも)には変動性とランダム性が必要なのだ。それだけじゃない。組織に必要なのは果ての国に属する種類の変動性であり、ある種の極端なストレス要因だ。そういうのがないと組織は脆くなる。私はそれにまったく気づいていなかった。
・受けた教育と文化的環境に洗脳された私は、規則的に運動して規則的に食事をするのが健康にいいと思い込んでいた。邪悪な、理にかなった議論というやつに自分が陥っているのに気づかなかった。世界がこうあってほしいという理想にもとづくプラトン的な思い込みだ。そればかりでなく、私は必要な事実は全部知っていたのに、洗脳されてしまったのだ。
・私がモデルを激しく罵っているとき、社会科学者が繰り返し言っていたのはこんなことだった。お前の言ってることなんか前から知ってるよ、こう言うじゃないか、「モデルは全部間違っているものだ、でも中には役に立つものもある」って。 彼らには本当の問題が見えていない。本当の問題は、「中には害をなすものもある」ってことだ。で、そういうモデルは大変な害をなす。
・私にとっての問題は、みんな稀な事象の果たす役割を認め、私の言うことに頷いてくれて、それなのにみんなああいう指標を使い続けることだ。ひょっとして頭の病気なのかと思ってしまう。

2010年の本+雑感

毎年やっている本のまとめなんですが、今年は昨年に比べると若干不作だったかなと思いますが、昨年は「芸術起業論」「ブラック・スワン」「この世でいちばん大事な「カネ」の話」という傑作があったので。。

今年の傾向としては、2008年の経済危機という「ブラック・スワン」以降、ブラック・ショールズをはじめとした(ノーベル賞まで取った)正規分布に基づく金融理論の全てが崩壊して、新たな理論として、経済行動学、行動心理学みたいなアプローチで、まず「常識」の否定がされている(2位、3位、4位など)、というフェーズかなと思います。

しかし、それらが統合されることはないし、かつまったく新しい考え方に対応できるひとや組織、国は非常に少ないため、ますます世界はブラック・スワンに翻弄されるのは間違いないです。

そんな中で、個人の戦略としては、今のところは、下記にあげたような本を読んだり、現実の世界を観察して自分なりのポリシーをしっかり定め、しかし一方で柔軟に変更していくくらいしかないかなと思います。

非常に困難ではありますが、一方で個のパワーがかつてないほど拡大しているのも事実であり、いろいろなチャンスが転がっているので、僕もいくつか新しい試みをしていこうかなと思っています。

ちなみに、ブログのエントリ数が減っているのですが、それは純粋にTwitterのせいですね。ちょっとしたことならTwitterの方が気楽ですし、最近はFacebookもfriendsが増えて、だいぶ楽しくなってきました。人間易きに流れるのはやむないわけで、むしろそういう中でどう行動していくかを考えていくべきかなと思います。

後、よろしければ、2006年2007年2008年2009年も合わせてどうぞ。

<2010年の本>

6位 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法/橘玲
いわゆるリバタリアニズムについてよく分かる良書。今後世界は国家中心から経済中心に動いていくのは間違いなく、その際にキーになるリバタリアニズムを知っておくのは非常に有益だと思います。

5位 起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと/磯崎哲也
いわゆるベンチャーを起業して資金調達などをする方は絶対に読んでおいた方がよいです。そうでなくても、ベンチャーファイナンスを知っておくことはビジネスマンには非常に役に立つと思います。

4位 事実に基づいた経営/ジェフリー フェファー、ロバート・I. サットン
タイトルはかたいのですが、内容は豊富な実例によっており、非常におもしろいです。ビジネスのセオリーと言われているものにどれだけ嘘が氾濫しているかを知ることができます。

3位 まさか!?/マイケル・J・モーブッサン
「事実に基づいた経営」に似ていますが、もう少し分かりやすく、同じくビジネス界の嘘を暴いています。

2位 その科学が成功を決める/リチャード・ワイズマン
行動心理学で、豊富な実験から世の中の常識を打ち破る良作。「事実に基づいた経営」「まさか!?」に比べると、もう少し幅広い分野を扱っているのが特徴で、その分、分かりやすい事例が多くなっています。

1位 大人げない大人になれ!/成毛眞
元マイクロソフト社長の成毛氏が独特のあまのじゃく思想を語っているエッセー。発想が奇抜なのですが、そういう考え方もあるのかと目からウロコが落ちます。

映画『ソーシャル・ネットワーク』の翻訳監修メモ

ふとした縁からお声がけいただいて映画『ソーシャル・ネットワーク』の翻訳監修をやらせていただきました。この作品は、Facebookの創業前後の物語となっていて、個人的には書籍もおもしろかったのと、何でもとりあえずやってみるポリシーから、引き受けてみることしました。

後、デヴィッド・フィンチャー監督は『セブン』『ファイト・クラブ』とか大好きな映画だし、Facebookの物語だからというのも結構大きいのですけど。

翻訳監修って何?

海外の映画を日本で上映する場合、字幕版と吹替版を作りますが(字幕だけのこともあります)、その翻訳をするのは、もちろんプロの映画翻訳家が行います。しかし、映画によっては、専門用語などが頻繁に出てきて、映画翻訳家だけでは、自然な翻訳が難しい場合があります。そんな時に、専門用語をその業界のひとが見ても不自然にならないようにするのが、翻訳監修の仕事です。なので、必ず翻訳監修が必要となるわけではありませんし、翻訳監修という職業があるわけではありません。また僕が積極的に関わったのは映画の一部ですし、一から訳したわけではありません。

どのくらいの英語力が必要なの?

僕を知っている方なら僕が大して英語できないこともご存知かと思いますが、英語ができるか、というより、どれだけ求められる専門用語に親しいかが重要だと思います。今回だとハッキングのシーンや契約書を交わすシーンなど、インターネットとビジネスが分かって、英語が少しできれば可能なんじゃないかと思います。

どういう流れでやるの?

今回、TechDollの三橋ゆか里さんと一緒にやったのですが、まずラフな字幕の入った映画をソニー・ピクチャーズ本社で見て、スクリプトを持ち帰ります。それを各自で数時間かけて修正したものを、2時間位かけて突き合わせ、さらに何度かメールのやりとりをして、ソニー・ピクチャーズさんに提出。その後、それらを盛り込んだ字幕を試写会を見て、また気になったところをまとめた修正案を送って提出。

実際のところ字幕版は、セリフに比べて表示できる文字数が少ないので、どのように反映させるかはプロの技術が必要になってきます。なので、これで字幕版監修の仕事は終わりです。

その後、(字幕版に盛り込めなかった部分も盛り込んだ)吹替版のスクリプトが送られてきます。これも同様にレビューするのですが、字幕版に比べて格段に情報量が多いので、思ったより時間がかかります。これも三橋さんと付き合わせて、提出しました。

この間、時期的には2週間くらいかかっています(もちろん、ずっとそれに集中していたわけではありません)。その後、吹替版においては専門用語のイントネーションも必要になるということで、これについては電話でお答えしました。

どれくらい時間がかかるの? どれくらいのギャラなの?

実働はよくわかりませんが、20〜30時間くらいでしょうか。この頃の休み全部時間使ってやりました。ギャラはさすがに内緒ですが、一般的なアルバイトなどの時給よりはよいとは思います。が、定期的な仕事でないので。。

映画はおもしろいのですか? どうしたら観られますか?

さすがに関係者になってしまったので感想は控えますが、結構話題にはなってるみたいですよ! 観るには来年1月15日のロードショーを待つか、今なら下記試写会が先着順で受け付けてますよ!

日経エンタテインメント!主催『ソーシャル・ネットワーク』特別試写会

日経エンタテインメント!では、この冬の話題作『ソーシャル・ネットワーク』の試写会を実 施します。本作は世界最大のSNS「フェイスブック」成功の光と影を実話に基づいて描 いたもので、世界中の高評価を獲得し東京国際映画祭でもオープニング作品として上映 された注目の映画です。今回の試写会では、映画をより楽しんでいただくために、上映 前に本作の題材となっている「フェイスブック」やSNS、起業についてのトークセッション も実施します。早くも主要映画賞の呼び声が高く、映画ファンはもちろん、ITや起業に興 味があるビジネスパーソンも楽しめる傑作です。この機会をお見逃しなく。

P.S.映画の見所はどこですか?

最後の「翻訳監修 山田進太郎」のところ。この映画で一番笑えるところですw

起業家ジム・クラーク/ジム・クラーク

ネットスケープといえば、本格的な商用インターネット・ブラウザですが、1994年4月に設立され、翌年8月には時価総額22億ドル(約1900億円)をつけてナスダック上場。その後は、マイクロソフトとの不当な競争に巻き込まれ、約4000億円でAOLに買収にされますが、まさに「すべてのインターネット・ビジネスを作った会社」といっても過言ではないと思います。そんなネットスケープを作ったのが、シリコン・グラフィックス創業者であるジム・クラークと、初の本格的なブラウザであるモザイクを作ったマーク・アンドリーセン。

本書では、ジム・クラークがネットスケープ創業時代を語った半自伝になっています。とにかく、ものすごいスピード感で、開始2ヶ月で従業員100名、15ヶ月目の株式公開時には400名、設立翌年の売上が60億円、と本当に桁違いのスケール。また、事業やベンチャー・キャピタル、マイクロソフトへの率直なコメントが生々しくてすごくおもしろいです。

ちなみに、Zyngaは設立3年で、売上500億、従業員1200人程度と予想されています。最近、こういった会社をどうしたら作れるか、をよく考えています。

<抜粋>
・二ヶ月ほどで、社員がすでに100名近くに増えていた。この辺りから、野心的なスタートアップ企業は、幾何級数的な成長を開始するののだ。
・売上計画が完成し、ガースは1995年の売り上げを7000万ドル(約60億円)と見積もった。設立間もない企業の売り上げ見込みとしては、この数字は桁外れなものだった。カテゴリー別の売り上げ内訳は不正確だったが、総額予測はほぼ正確であり、1995年の我が社の売り上げは、7500万ドルを達成した。
・設立からちょうど八ヶ月、我々は、本物の製品を持ち、利益を生み出すことのできる正真正銘の企業になることができたのである。その月からキャッシュフローも好転し、その後私たちは過去を振り返ることはなかった。