ルポ資源大陸アフリカ/白戸圭一

毎日新聞記者で元南アフリカ特派員の白戸氏が書いたアフリカの実情。南アフリカはもちろんのことナイジェリアからスーダン、ソマリアなどに現地取材をしており、間一髪なシーンも何度も出てきます。その介あって様々な取材対象から多重的なコメントを引き出して、新聞という限られた紙面でないこともあり、非常に丁寧に分かりやすくアフリカが描かれています。

ここのところ新聞業界が苦境に陥ったりして、ジャーナリズムのあり方が問われていますが、本書を読むと、これこそがジャーナリズムであり、絶対に必要なものだという感を新たにしました。

非常に刺激的でおもしろいので、アフリカを少しでも知りたいと思う方には、とっかかりの一冊としてよいと思います。

<抜粋>
・ナイジェリア産原油の約半分を生産する最大手ナイジェリア・シェル社の2004年の推計では、同社の石油関連設備から盗まれた原油は1日辺り4万〜6万バレル。ドラム缶に換算すると実に3万1800〜4万7700本に相当する原油が毎日、パイプラインに開けられた穴から抜かれたり、沖合に停泊した偽のタンカーに積み込まれて密売されているのだ。これはもう、住民が貧しさに耐えかねてコソ泥を続けているというレベルの盗難量ではない。大規模な犯罪組織でなければ扱いきれない分量だ。
・私は発散さんに「スーダン政府は国際社会に対して、民兵を組織化したり支援した事実はないと一貫して否定しています。政府軍が村を襲撃することなどあり得ないとも言っています」と答えた。メッキーが通訳を終えると、周囲に集まっていた数十人の住民が一斉にどよめいた。 「本当ですか」 「じゃあ、襲撃の際に、なんで軍のヘリコプターが村の上を飛んでいたんだ」 テレビとも新聞とも無縁な人々が、自分たちを襲った惨劇が世界に向けてどう伝えられているかを知っているはずもなかった。命からがらキャンプに逃げてきた彼らにとって、襲撃の首謀者が自国政府であることは「常識」だったのである。
・無政府国家には警察が存在しない。立法機関も存在しないから、そもそも社会生活を律する法律がない。したがって、道義的な責任はともかく、法律上はソマリアで人を殺しても罪にはならない。そんなソマリアには天文学的な数の銃が氾濫しており、我々はソマリアの地に足をつけた瞬間から猛獣の檻に紛れ込んだウサギのような存在であった。(中略)入国前に我々が辿り着いた結論は、有能な私兵集団を護衛に付ける以外にないということであった。
・モガディシオ市民の日常生活の情報源はラジオである。モガディシオには、この時、十局のFMラジオ局があった。(中略)「特定の武装勢力が批判の的になると、当事者から怒りの電話がかかってくることもあります。でも、武装した人間が幅を利かせる国になってもう14年です。武装勢力を支持する国民なんて一握りしかいません。ラジオを通じて人々が自由に意見を言える社会をつくりたいと思います」

ゴールは偶然の産物ではない/フェラン・ソリアーノ

FCバルセロナがどのように世界的クラブになったのかを最高責任者(副会長)であったフェラン・ソリアーノ氏が書いています。MBA出身者らしく、サッカーという不確実性の高い業界ながら、ロジカルに考え、着実に手を打っているのが分かります。

しかし、読みながら、サッカークラブが国内リーグやチャンピョンズリーグで優勝できるのかどうかは確かに時々の運にも左右されますが、実際のビジネスもよく考えれば同じく運に左右されるわけで、サッカークラブを経営するというのは、普通の会社を経営するのとほとんど変わらないのだろうなとも思いました。

そのため、普通にまっとうな経営の成功例を知ることができ、サッカーファンにとっては欧州のサッカー業界でどのようなことが起きているかも同時に楽しめる一度に二回おいしい作品になっています。

日本はなぜ貧しい人が多いのか/原田泰

タイトルは統計的な事実の一つで、基本的に統計学を駆使して、一般に信じられている俗説の誤りを指摘し、さらにはそれではどうすればいいかまで仮説を提唱する内容になっています。統計の読み方にはいろいろな考えがあり、本書の読み方が必ずしも正しいとは言えないとは思いますが、いろいろと意外な事実を見せつけられると、もっと丁寧にものごとを見ていく必要があるのだなと痛感させられます。

特に年金について、なぜ今払いすぎになっているのかを高度経済成長と人口増で説明し、支給額と支給年限を3割カットすればほとんどすべての問題は解決するし、それでもまだ世界一のレベルにある、というのは目から鱗でした。

もちろん精査は必要だと思いますが、根拠のない削減やばらまきよりは、事実に基づいた国家経営をして欲しいものだなと思いました。これ以外のパートも非常に興味深くて、見識を広げる上でよい良作と思います。

<抜粋>
・要するに、1700年ごろまで、世界はほとんど一様に貧しかった。ところが、その後の300年で、世界のある国は豊かになり、他の国は貧しいままだった。これは、豊かな国が豊かなのは、他の国を貧しくしたからではないことを示唆する。
・子供のコストには、養育するための直接コストだけではなく、母親が子供を育てるためにあきらめなければならない所得が含まれる。(中略)失われた所得は、2億3719万延となる。これが例えば2人の子供を育てるためのコストで、1人当たりにすれば1億1860万円ということになる。もちろん、これに加えて食費や教育費もかかる。
・(年金について)人口が減少すれば有利な年金は払えない。しかし、これは当たり前のことではないだろうか。私は、むしろ、日本中のすべての高齢者が、払い込んでもいない年金が魔法のポケットから出てくるはずはなく、産んでもいない子供が年金を払ってくれるはずもない、という当たり前の事実を認識してくれると思っている。世代間の対立などあり得ない。すべての親は、次世代の子供の幸せを願っており、それが日本を繁栄させてきた。高すぎる年金は諦めてもらうしかないが、子供は、親にそれなりのプレゼントをすることを嫌がってもいない。年金のカットは、制度の永続性を保障し、人々にむしろ安心を与えるはずだ。
・年金支給額と支給年限を3割ずつカットすれば、年金支給額は(1-0.3)×(1-0.3)=0.49であるから半分になる。年金保険料引き上げは必要なくなるどころか、引き下げも可能になり、人口減少社会の問題は解決する。そして、年金をカットした後でも、日本の年金は世界一のレベルにある。年金の大幅なカットをした後でも、私たちは、日本の社会保障システムを誇りに思うことができる。これはすごいことだと思いませんか?
・日本の社会保障支出全体の対GNP比は2003年で17.7%と、国際的に見て低いが、高齢者向け支出に関しては、9.3%であり、ドイツの11.7%より低いものの、イギリスの6.1%、オランダの5.8%を大きく上回っている。では、何が低いのか。日本は医療費も低いが、もっとも低いのは家族を助ける支出だ。(中略)イギリスは、高齢者のための支出が日本の3分の2にすぎないのに、子供のためには日本の4倍も支出している。イギリスは、高齢者が我慢して、子供を育てる若者を助けている。これこそが未来のために現在を犠牲にする不屈のジョンブル魂だと私は思う。
・公務員の賃金水準が高い都道府県ほど、都道府県民の所得は低い傾向がある。(中略)なぜこのような傾向があるのだろうか。所得の低い県では、公務員の他に仕事がないので、公務員の賃金が相対的に高くなるというのが、通常の答えだろう。 しかし、公務員のほかに仕事がないのであれば、公務員の賃金も安くて済むはずだ。(中略)むしろ因果関係を逆にして考えるべきではないか。公務員の賃金が地域の賃金水準よりも高ければ、有能な人材が公務員になり、ビジネスには集まらない。だから、地域の経済発展が遅れるのではないか。

マネーの進化史/ニーアル ファーガソン

歴史におけるお金の起源から熱狂と失望など。ここ最近のバブルや壮大な失敗は見聞きしても、歴史に出てこないお金の歴史はよく知らなかったので大変興味深くおもしろかったです。最新の金融工学がどうというより、お金とは何かを考えるのが、お金を知り、お金に振り回されず、お金をコントロールすることに繋がります。全体を俯瞰できる良書だと思います。

<抜粋>
・はじめてコインがお目見えしたのは、紀元前600年ごろまでさかのぼれるようで、エフォエス(現トルコ領、イズミルの近く)にあるアルテミス神殿の遺跡で、考古学者たちが発見した。
・彼(注:アダム・スミス)が1776年に『国富論』を書いてから一世紀の間に、金融界では爆発的な改革が進み、ヨーロッパや北米でさまざまな形態の銀行が数多く生まれた。最も古くからあるのは、手形割引を行う銀行だ。
・(1970年ごろイギリスでは)収入や資本利得が高いと100%を超える限界税率が適用されたため、それまでに見られた貯蓄や投資の意欲を減退させた。福祉国家イギリスは、資本主義経済が機能するうえでなくてはならないインセンティブを奪ったように思えた。つまり、努力する者に与えられる「大金」という「アメ」、そして怠け者が被る「困窮」という「ムチ」が失われたのだった。
・このゲーム(モノポリー)を作ったそもそもの動機は、ひと握りの地主が借地人から徴収した地代で儲ける社会制度の不平等を暴くところにあった。(中略)このゲームが教えてくれるのは、最初の考案者が意図した点とはまったく逆で、「不動産を所有するのは賢い」ということだ。
・アメリカの住宅購入者に具体的な変化をもたらしたのは、連邦住宅局(FHA)だった。FHAは住宅ローンの借り手に政府が支援する保険を提供し、高額で(購入価格の最高80パーセント)、長期(20年)の、完全に割賦償還される低金利ローンを普及させようと試みた。(中略)魅力的だがどこに行っても代わり映えのしない典型的な郊外風景が広がる現代のアメリカは、このようにして生まれたと言っても過言ではない。
・一世紀あまり前、欧米の先進的なビジネスマンたちは、アジア全域には目もくらむようなチャンスが潜在していると考えた。(中略)ところが、西欧の資金を10億ポンドあまり投資したにもかかわらず、ヴィクトリア時代のグローバリゼーションの芽は、アジアのほぼ全域でうまく根ざさず、今日、植民地搾取として記憶される、苦い遺産だけが残った。
・いまになって振り返ってみれば(第一次世界)戦争の原因はいくらでも見つかり、しかも歴然としているのに、なぜ当時の人びとは悲劇的な戦争が起きる数日前まで、それらの点に気づかなかったのだろうか。一つには、流動性が豊富だったことと時間が惰性的に流れたことがあいまって、視界が曇っていたからかもしれない。世界の統合が進み、金融の技術革新がおこなわれたおかげで、投資家たちは安全感を高めた。さらに、普仏戦争という直近の大規模なヨーロッパ戦争から44年が経っていたし、ありがたいことに前回の戦争は短期間で終わっていた。
・2008年5月の時点では、中国がアメリカの景気後退の影響をまったく受けないなどということは、あり得ないように思われた。アメリカはいぜんとして中国の最大の輸出先であり、中国輸出総額のおよそ五分の一を占めていた。一方ここ数年、中国の成長に対する純輸出額の重要度は、かなり低くなった。そのうえ、潤沢な外貨準備高のおかげで、北京は悪戦苦闘するアメリカの銀行に資本注入できるくらい強い立場に立てた。
・最もあり得そうな事態は、アメリカと中国の政治的な関係が悪化することだ。争点の発端は貿易かもしれないし、台湾やチベットの問題、あるいはほかのまだ顕在化していない問題が起爆剤になるかもしれない。このようなシナリオは、信じがたいかもしれない。だが後世の歴史家たちが歴史を振り返るとき、このような展開になった経緯を説明しようとして、一連の因果関係をどうそれらしく組み立てるのかは容易に想像できる。

歴史とはなにか/岡田英弘

歴史というのはその時の国の都合によいように書かれているということを理解すべきだ、という著者の主張はとても分かりやすく、その視点でいろいろな歴史を紐解いたのが本書です。個人的には、本書の解釈には過激な部分もあるように思いますが、それもまた割り引いて捉えよ、というのが著者の主張だと思います。

しかし、著者のように歴史学者でない場合は、そこまで深く歴史を調べることはできないわけで、いろいろな本を読みながら、多面的に歴史や世界を捉えていく必要があるのだろうなと思います。

そういった意味で、その理解の助けの一つになる良書だと思います。非常に刺激的でおもしろいです。

<抜粋>
・「イン・シャー・アッラー」は、非イスラム教徒には、よく誤解される。キリスト教徒は、この表現を「イスラム教徒は不誠実で無責任なやつらだ。気が変わったら約束は守らないんだ」というふうに受け取りやすい。しかし、イスラム教徒に言わせれば、全力を挙げて約束を守るつもりでいるけれども、自分が約束を守ることを神様がお望みにならなければ、守れないかもしれない。だからこの「イン・シャー・アッラー」をつけないで「ではあした、かならずここで会います」と言ったら、神の意思よりも自分の意思を優先させるという、重大なる不敬の罪になる・
・アメリカのアイデンティティの基礎は、歴史ではない。アメリカ合衆国は、純粋にイデオロギーに基づいて成り立った国家だ。だから、アメリカ文明では、歴史はあってもなくてもいいもので、重要な文化要素になり得ない。
・アメリカ文明に歴史という要素がかけている結果、アメリカ人は現在がどうあるかということにしか関心がない。
・たとえば、貿易摩擦をめぐる交渉では、アメリカ側は、現状は不合理だ、と主張して、直ちにこう改善せよ、と要求する。それに対して日本側は、その問題にはこういう「歴史的な」事情があって、それが原因なのだから、改善のためにには、そこまでさかのぼって手当てをする必要がある、と応ずる。日本人の立場では、これは正直な言い分なのだが、アメリカ人はそれを聞いて、歴史に逃げこむとは卑怯だ、歴史なんていうのは単なる言い逃れだ、大切なのは過去ではなくて現状だ、直ちに法律でも作って現状を改善せよ、と言い返すことになる。
・北宋時代の漢人、いわゆる中国人の大部分は、血統の面では、実は隋・唐時代の中国人の主流であった遊牧民の後裔だったが、意識の面では、自分たちは秦・漢時代の最初の中国人の直系の子孫であり、純粋の漢人だと、思いこむようになっていた。 こうした思いこみを、この時期にはじめて芽ばえた、いわゆる「中華思想」と言う。 中華思想の核心は、「夷狄(非中国人)は、軍事力では中華(中国人)より勝るが、文明度の高さにおいては、中華は夷狄にはるかに勝っている」という主張で、現代のことばで言えば、「中国人は世界でもっとも優秀な民族である」ということになる。
・七世紀になって、唐朝が中国を統一し、公海を渡って軍隊を韓半島南部に上陸させ、倭王の古くからの同盟相手だった百済王を滅ぼした。当時の倭のタカラ女王(皇極天皇、斉明天皇)は、倭軍を韓半島に派遣して百済の復興を試みたが、663年、倭軍は白村江で全滅した。これで倭人たちは、アジア大陸から追い出され、海の中で孤立した。 当時の情勢では、いまにも唐軍が日本列島に上陸して、そこの住民を征服し、中国領にする危険がさし迫っていた。これは現実の危険だった。その危険を防ぐために、日本列島に住んでいた倭人たちと、出自がいろいろ違う華僑たちが団結して、倭国王家のもとに結集した。
・歴史は文学だから、一つ一つの作品には、それに備わった機能というものがある。歴史を書く側の立場から言うと、その作品で歴史家が目ざした目標、狙った効果というものがある。
・世界はたしかに変化しているけれども、それは偶然の事件の積み重なりによって変化するのだ。しかしその変化を叙述する歴史のほうは、事件のあいだに一定の方向を立てて、それに沿って叙述する。そのために一見、歴史に方向があるように見えるのだ。
・フランス革命は、われこを正当な所有権者なり、と主張する各派のあいだの流血の争いになり、たくさんの犠牲者を出したあげく、最後にナポレオンが実権を握って1799年に第一総領になって、やっと「国民」が王の財産を相続するということで決着がついた。それで、かつての王の財産はぜんぶ、フランス人という国民の「国家」だ、ということになった。こうしてフランスでも国民国家が誕生した。
・国民国家という形態が復旧したおもな原因は、軍事だ。ナポレオンが軍事の天才だったことに加えて、国民国家は、戦争に強かった。 君主制だと、君主は自分の財布からお金をはたいて、兵隊を雇って、訓練して、だいじに使わなくちゃいけない。大規模の常備軍をかかえておくことは、あまり金がかりすぎて、ほとんど不可能に近い。これにくらべて、国民軍は、ほとんど無限に多数の兵士を徴兵でき、短期間で大軍を動員できる。
・アメリカ人は、君主制は、なにか邪悪なものだ、と思っている。なにか不自然なものだ、と思っている。アメリカ合衆国の建国によって、人類の長年の理想がはじめて実現した、と思っている。民主主義が全世界に広まるのが、歴史の必然であり、それを実現するのが、アメリカの神聖な使命だ、と信じている。こういう、反論を許さない、頭ごなしの割りきりかたは、イデオロギーそのもので、マルクス主義とおっつかっつの、非論理的な信仰なのだ。
・中国という国民国家は、20世紀のはじめの1912年に中華民国ができるまで、まだなかった。だから朝鮮の国王や、ヴェトナムの皇帝が、清朝皇帝に代々朝貢して、冊封を受けていたからといって、それで朝鮮国やヴェトナム国が、清朝の宗主権を承認して、新帝国の保護国だったことにはもちろんならない。国民国家というのものは、18世紀末のアメリカ独立とフランス革命をきっかけとして発生して、19世紀の帝国主義時代に世界じゅうに広まったものなので、19世紀以前の朝貢と冊封に基づく外交関係は、「宗主国」と「保護国」の関係などとは、ぜんぜん意味が違うのだ。

おもちゃ、を作りたい

ポール・グレアム「自然発生的な起業のアイデア」 – らいおんの隠れ家

最初に作ったものが、みんなに「おもちゃみたい」とけなされてもヘコまないこと。実際、それは良いサインだ。それこそ他の人たちがアイデアを見落す理由なのだ。最初のマイコンはおもちゃだと無視された。最初の飛行機も、最初の自動車もそうだった。そういった点で、ユーザは好んでいるのに、掲示板の荒らしが「おもちゃ」と叩くようなものを誰かが持ってきたら、私たちはとりわけ投資したくなる。

まちつく!」の原型を作りはじめたのは2年前くらいで、半年くらいかけて試行錯誤しながらプロトタイプができた頃に、東京ゲームショウのインディーズみたいなデモに出そうかと思ったのだけど、こんな小さい画面でしかできない動きもない地味なケータイゲームは注目されないだろうなと思ってしまい、止めました。あの時出してたらどうなっただろう。

その後、キューエンタテインメントの内海さんに見せたら、「何これおもしろいよ、すごい。絶対流行るよ!」って言われて、すごくうれしかったのも思い出した。それ以外の場合は、だいたい無関心だったけど。

そして今、300万人以上(本体+mixi+モバゲー)のユーザーさんに使ってもらえてとてもうれしいです。結果よければよし、ということで(笑)。もっと世界のたくさんのひとに使ってもらいたいなぁ。

『孫正義 LIVE 2011』は必見

ソフトバンクの孫さんが行ったスピーチ『孫正義 LIVE 2011』がすごくおもしろいです。新卒の学生向けらしいですが、ソフトバンクというか孫さんの紹介になっているので誰が見ても良い内容です。Ustreamにて動画が公開されていますが、4/5までらしいのでお早めに。

とはいえ、2時間強あるので、内容については、テキスト起こしていただいてるものもあります。

孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その1) | kokumai.jpツイッター総研
孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その2) | kokumai.jpツイッター総研
孫正義、【志】を語る。「孫正義 LIVE 2011」書き起こし(その3) | kokumai.jpツイッター総研

個人的には、ナスダックジャパンとかヤフーBBとか、最近だと中国での孫さんの根のはり方を見て、本当にすごい方だと尊敬していたのですが、こうやってスピーチを聞くと、こんなおもしろい方が現代にいるのだなぁと改めて思いました。

自分の志なんだろうなと。僕は別に「でっかいこと」は目指してなくて、もっと身近に自分の作ったモノを送り込みたいと思っています。これはある意味で「でっかいこと」かもしれませんが、でかいことありきでやろうとしてるわけではないんですよね。

また、永続的に発展していく会社を作るとかは興味はなくて、別にグループ化しなくていいし、世の中にはおもしろいひとたちがたくさんいて、おもしろいことをしていてくれればいいとも思う。

でも、やはり孫さんの考え方はすごくおもしろいと思うし、それに賛同するひとが集まって、ソフトバンクグループになっているんだろうなと思いました。

このスピーチはすごくおもしろいので、明日までに時間のある方はぜひ観てみてください。

China Social Game Summitに参加します

China Social Game Summit 2010

China Social Game Summit (CSGS) is China’s largest professionals-only social game industry event. CSGS explores the thriving social game development scene with a lineup of 80+ international speakers and 14+ panel sessions.

中国のソーシャルゲームイベントにお誘いいただいたので行ってきます。日程は4月9日金曜〜10日土曜、場所は北京です。

中国の主なソーシャルゲームのデベロッパーやプラットフォームもだいたい参加するようです。僕も久しぶりに再会できそうなデベロッパーや新しい出会いもありそうなので、非常に楽しみです。

まだ、参加できるそうなので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。日本からもDeNA守安さんやGREE田中さんなど30人ほどは参加されるようですし、いい機会になるのではないかなと思います。

P.S.ちなみに、私が出させていただくパネルは9日金曜15時”Social Game Boom in Japan”です

新MacBook Air購入&セットアップメモ

MacBook Airが発売して以来初代Airを使っていたのですが、ついにヒンジの部分が壊れてしまい、修理に出しました。ヒンジの修理自体は構造的な問題もあるらしく、無償修理となりました。もし同じ問題がある方はこの辺りを参考にするといいと思います。

一方で、パワー的な不足を非常に感じていて、最近流行りの(笑)ソーシャルゲームが満足にプレイできないこともあり、買い換えることにしました。買ったのは、2.13GHz+SSD128GBのこのモデルです。

[tmkm-amazon]B002CJM7S0[/tmkm-amazon]

まだ、じっくり使ってないので分からないところもありますが、明らかに体感速度が早くなって、ソーシャルゲームとかUstreamとかがサクサクに。今までどんだけ遅かったのかと。仕事で使うものなので、効率が悪くなっては意味がないですし、PCは2年くらいで買い換える方がよいですね。

セットアップ方法を、備忘録も兼ねてメモしておきます。こういうのって後で参照できるのですごく便利なので。。

■旧Macで下準備
まず外付けハードディスクにバックアップを取っておきます。
・[/ホーム/]を丸ごとコピー
・iTunes
[Store→コンピュータの認証を解除]しておく
・Google日本語入力
[辞書ツール→管理→選択した辞書をエクスポート]しておく

■OS X Snow Leopardのクリーンインストール
買ってきた初期状態だといろいろ余分なものも入っているのでいきなりOSを入れ替えます。
・[システム環境設定→起動ディスクを選択→再起動]
・[ユーティリティメニュー→ディスクユーティリティ→ディスクを消去する]
※これをやらないとクリーンインストールになりません!
・左下のカスタマイズ→プリンタドライバとか使わない言語とか外す
※これもかなり見落としやすいポイントです!
・インストール(30分ほど)
・無線LAN設定&ユーザー設定など

■最初にやること
・Mac OSのソフトウェアアップデートを実施
・HDD暗号化設定。[システム環境設定→セキュリティ→FileVault→入]

■設定の読み込み
MacではMobileMe(年間9,800円)を契約しているとほとんどの設定をオンラインに保存しておくことができます。
・[システム環境設定→MobileMe→MobileMeと同期→今すぐ同期]

■書類をコピー
・外付けHDDから[/ホーム/書類/]をコピー

■アプリをインストール
・Office Mac 2008
・iWork ’09
・iPhoto+iDVD
付属のInstall Disc 2からインストールできます。
Adium
Window MessengerやGtalkなどをまとめて使える統合型メッセンジャー。
ログを移行するためには、ダウンロード&インストール→外付けHDDから[/ホーム/Library/Application Support/Adium 2.0/]をコピー→Adium起動
WideMail
Mail.appを横に分割して使う便利ツールです。ダウンロード&インストールするだけ。
Google日本語入力
ダウンロード&インストール。[辞書ツール→管理→選択した辞書にインポート]
・イーモバイル(D21HW)
付属のドライバは使えないので、Snow Leopard用のドライバをイーモバイルホームページからダウンロード&インストール。

■アプリ設定
・Mail.app
MobileMeで設定はコピーされているので、メール自体はコピーする必要もなくMail.appを起動するだけ。最初はIMAPで読み込むため結構時間がかかります。
mac.comが自動設定されますが、僕の場合はこのアドレスは使ってないので削除。
・iTunes
外付けHDDから[/ホーム/ミュージック/iTunes/]をコピーして、iTunes起動。
認証を求められるので、iTunesのアカウント認証する。
ちなみに、iPhoneは普通につなぐだけです。
・iPhoto
外付けHDDから[/ホーム/ピクチャ/iPhoto Library]をコピーして、iPhoto起動

■エンジニアリング用
“ターミナル.app”でSSH接続できるようにする
・保存しておいた秘密鍵(id_dsa)を[/ホーム/.ssh/]にコピーする
・普通にsshする
※自分の場合、パスワードが非常に長いので注意

■カスタマイズ(参考)
・Safariで新規タブが開かないように”ターミナル.app”から以下を実行
defaults write com.apple.Safari TargetedClicksCreateTabs -bool true

■積み残し(後で更新予定)
・バックアップ設定
バックアップをTime Machineでテスト中。
・Parallels Desktop
ダウンロード&インストールしてみたところ、3.0はSnow Leopardに対応していないらしい。アップグレードするか検討中。
・Macromedia DreamWeaver
未インストール

■初代MacBook Airとの違い
・有線LANを使うためには専用の変換アダプタが必要で、これが初代では別売りでしたが、最近のは付属しています。
・ディスプレイ端子が変更されているので、新しく変換アダプタを買う必要があります。最近はサードパーティからも発売されているのですね。

[tmkm-amazon]B0037HP7W4[/tmkm-amazon]

GDC(ゲームデベロッパーズカンファレンス)雑感

サンフランシスコで行われたGDC(ゲームデベロッパーズカンファレンス)に行ってきました。もちろんはじめて。

ソーシャルゲームを作るようになったので、ノウハウの情報収集という名目だったのですが、実際にはGDC全体の前半2日間は、ソーシャルゲーム(およびスマートフォン関係)のセッション一色で、ゲーム業界でのソーシャルゲームの盛り上がりっぷりがすごすぎてびっくりしました。

4Gamer.net[GDC 2010]Blizzard Entertainmentの語る「成功のためのゲームデザイン方程式」(World of Warcraft)

「Making a Design Standard: Blizzard Design Philosophies」(ゲームデザインのスタンダードを決める: Blizzard風デザイン哲学)という講義を,「World of Warcraft」や「Diablo」「StarCraft」といったモンスターゲームで知られるBlizzard Entertainmentのエクゼクティブ副社長,Rob Pardo(ロブ・パードゥ)氏が行った。

とはいえ、個人的に一番よかったのはこのセッション。日本ではあまり知名度高くないですが、WoW(World of Warcraft)は1000万人以上がプレイしている世界最大のオンラインゲームで、Activision Blizzard社はいまやEAを超えて時価総額は約1.4兆円の世界最大のゲームメーカーとなっています。

ソーシャルゲームがたかだか2,3年くらいしか歴史がないのに対して、オンラインゲームは歴史があるので、やはりその間のノウハウの蓄積というのはすごいものがあります。このセッションでは、過去の失敗例を披露し、だからこうしたらうまくいったという成功例をあげるという構成になっていて、すごく勉強になりました。

一方で、今回海外のソーシャルゲームカンパニーのひととよく食事したり、パーティーで話したりして(こちらの方がメインだったという話もあり)、それぞれすごい速さで進歩していて刺激的でした。おそらくソーシャルゲームはオンラインゲームの域にいつか到達するだろうし、それに自分たちとしてはモバイルという領域でチャレンジしていこうと強く思ったのでした。

何にせよ、新しいことというのは楽しいですね。

小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則

37signalsの経営陣による経営哲学本。37signalsは日本ではあまり知られていませんが、プロジェクト管理ツール「Basecamp」などをウェブサービスとして提供しており、インターネット系のひとには割に有名な会社です。独自の経営哲学も有名で、本書はそれらをまとめて、小さなチームで最大限の仕事をするための方法がたくさん書かれています。

もちろん37signalsの事業体の特殊性による部分もありますが、ウノウもエンジニア主体の会社であることもあり、非常に勉強になりました。いい部分は取り入れて行きたいと思います。

<抜粋>
・失敗は成功の源ではない。ハーヴァード・ビジネススクールのある調査によると、一度成功した起業家は次もうんと成功しやすい(次に成功する確率は34パーセント)。しかし最初に失敗した起業家が次に成功する確率は、はじめて起業する人と同じでたったの23パーセントだ。一度失敗している人は、何もしなかった人と同じぐらいにしか成功を収めていない。成功だけが本当に価値のある体験なのだ。
・午後二時、普通は会議中だったり、メールに返信していたり、同僚とおしゃべりしてたりしている。同僚に肩をポンとたたかれてその場で始まるちょっとした会議は害のないように思えるが、実際には生産性を蝕んでいる。作業の中断は協調作業ではなく、ただの中断だ。そして、あなたの仕事が終わらない。
・実際考えてみると、会議の本当のコストは信じ難いものだ。一時間かかる会議を設定し、参加者を10人招待したとしよう。これは実際には一時間の会議ではなく10時間の会議である。1時間の会議の時間と10時間の生産力を交換しているのだ。
・ToDoリストもより短くするようにしよう。長いリストにはゴミが集まる。長いリストに書かれたことをすべてやりとげたことがあるだろうか?
・たとえ有能な人でも必要のない人間を雇うことはない。有能な人を雇っても何もやることがないのでは、あなたの企業には百害あって一利なしなのだ。
・小さなチームでは、働いてくれる人間が必要なのであって、人に仕事を振る人間が必要なのではない。皆何かを生み出さなければならない。結果を出さないといけないのだ。
・メールを出してから返事がくるのに何日、何週間と待たされた経験は? どういう気持ちになっただろう? 近頃「待たされる」のが通常化してしまったせいか、「待つ」ことが普通と思い込んでいる人が実に多いのだ。

P.S.明日からGDC(ゲームデベロッパーズカンファレンス)でサンフランシスコです。かなり久しぶりで、グリーンカード放棄後、はじめての入国なので少しドキドキしてます。

Twitterのウノウリスト&社内Twitter

ふと思い立って、Twitterのウノウなひとのアカウントリストを作ってみました。

Twitter / @suadd/unoh

アルバイトとか契約の方も入ってるので人数が多くなってますが、ほとんどのひとがやってるんじゃないかってくらいみんなやってますね。Twitter恐るべし。フォローすると、ウノウの雰囲気が分かる、かも(ほんとか?)。

あと最近、Yammerというサービスを使って社内Twitterも始めたのですが、これがなかなか盛り上がっています。売上速報とか、xxがリリースされましたとか、ランチ行きませんかとか、空気清浄機が増えましたとか、近くのお店の情報とか、今日の勉強会のテーマこれですとか、雑多な情報が流れていて楽しいです。

結構社内という限定された中だから書けることってあるんですね。中にはYammerの方がアクティブなひとも。。まだ全然一般的でないと思いますが、これ普通に楽しいし便利なので、意外に普通になっていくんじゃないかなぁと思います。オススメです。

P.S.ウノウの求人ページをちょっと更新しました。引き続き、積極的に採用してますので、ご興味ある方はどーぞ。

「アプリやろうぜ!by GMO」イベントに出ます

ソーシャルアプリ開発者支援に総額3億円–GMOがプロジェクト立ち上げ:CNET Japan

GMOインターネットグループは2月24日、日本のクリエイターとエンジニアを対象に総額3億円の支援プロジェクト「アプリやろうぜ!by GMO」を開始した。ソーシャルアプリを開発するための資金や開発環境の提供をはじめ、技術サポート、人材のマッチングなどを行う。

GMOさんが「アプリやろうぜ!by GMO」というプロジェクトが始めるということで、キックオフイベントにお声がけいただき登壇させていただきます。

ウノウではソーシャルアプリは、「まちつく!」をmixi、モバゲーで運営しており、「農園ホッコリーナ」をモバゲーでDeNAさんと一緒にやらせていただいてますが、つくづくソーシャルアプリ、いろいろな可能性があって、おもしろいですよ。

作ってみたい方にとってよい機会だと思いますので、よろしければどーぞ。

アプリやろうぜ!by GMO
GMOグループが3億円かけてクリエーターを支援する『アプリやろうぜ!』の要点をまとめてみた – IDEA*IDEA ~ 百式管理人のライフハックブログ

知られざる穴場リゾート、コタキナバルに行ってきました

マレーシア第二の都市、コタキナバルに旅行に行ってきました。久しぶりに仕事でなく海外に行った気がします。。

順泉茶室
順泉茶室 posted by (C)Shintaro

センターポイント近くの中華料理屋。激ウマ。ここのミースープは絶品。温度は昼間の直射日光の下はかなり熱いのですが、それ以外は特に汗が出るほど熱いという感じもなく、逆に夜中も気温が下がらないので、朝から晩まで半袖で超快適です。もちろん僕たちが滞在していたときが特別だったのかもしれませんが。

マヌカン島3
マヌカン島3 posted by (C)Shintaro

海は、15人ほどが乗れるボートで15分ほどかけて、いくつかある島に行ってシュノーケリングを楽しむのが基本です。島は非常に整備されていて、トイレやレストラン、シャワー設備などもあります。ビーチ脇にはテーブルも置かれていていたせり尽くせり。そのくせ海には熱帯魚や珊瑚で満ち溢れています。

マヌカン島15
マヌカン島15 posted by (C)Shintaro

浜で見つけたヤシの実をみんなで割ろうとするの図。叩きつけたりしても全然割れないので、鋭利な石をぶっさして、格闘すること数十分、見事に真っ二つに。

Suria Sabah 6
Suria Sabah 6 posted by (C)Shintaro

Suria Sabahは新しくできたデパートらしいのですが、まだテナントがぜんぜん入ってなくて大丈夫なのか非常に心配。でも、フードコートで食べたシンガポールチキンライスとトムヤムクンは超美味でした。

キナバル山3
キナバル山3 posted by (C)Shintaro

4000メートルを超える富士山より高いキナバル山。圧倒的な存在感がすごいです。僕たちはオプショナルツアーに申し込んで半日で近くまで行きましたが、1泊すれば割と普通に登れるようです。

ラフレシア
ラフレシア posted by (C)Shintaro

噂の世界最大の花ラフレシア。僕たちが見たのは、あまり大きくなかったようです。割と嫌な匂いがします。

夕日6
夕日6 posted by (C)Shintaro

圧倒的存在感の夕日。ものすごい綺麗で感動しました。ビーチでもあるので、泳いでるひとも結構います。

ナイトマーケット1
ナイトマーケット1 posted by (C)Shintaro

コタキナバルはそこら中にこういったマーケットがあって、朝から晩まで買物から食事までなんでもできます。夜中の治安も非常によいようで、夜遅くまでお店もやっていて、毎日うだうだ飲んだりしてました。街は超コンパクトで大抵のところは歩いてでも行けるくらいなので、よく歩いて帰ってました。

サピ島
サピ島 posted by (C)Shintaro

マヌカン島と並んで人気のサピ島。こちらはひとが多いのですが、テイクアウトの食べ物が圧倒的に美味しいのと、珊瑚礁と熱帯魚が多いので、どちらか一方に行くならサピをオススメします。ちなみに、島に行くにはオプショナルツアーとかで申込まなくてもJesselton Pointという埠頭に行けばいくらでもチケットが買えます。

シャングリラリゾート7
シャングリラリゾート7 posted by (C)Shintaro

まったく泊まってないのですが、シャングリラリゾートの出島のようになっているバーに潜入したところ非常にいい感じで、ハッピーアワーでお酒を飲みながら、夕日を眺めることができます。こんな感じの幻想的な雰囲気です。

タムナック・タイ4
タムナック・タイ4 posted by (C)Shintaro

タムナック・タイはタイ料理屋なのですが、ここはほんとむちゃくちゃ美味しいので、コタキナバルに来たらマストなレストランだと思います。

ライオンダンス
ライオンダンス posted by (C)Shintaro

旧正月に重なったということで、ライオンダンス(中国式獅子舞)がなぜかホテルの前で行われてました。もともと割と中華系のひとも多いみたいで、12時を回ったら、そこらへんでバンバン花火をあげる音(or爆竹?)が聞こえました。

そんなわけで、、
コタキナバルはあまり観光地としてはメジャーではないようですが、海も綺麗だし、街も安全で刺激的だし、ご飯も美味しいし、物価は安いし、かなりいいところでした。成田から週に二回は直行便が出てます。リゾートとして、結構穴場なんじゃないでしょうか。

<スライドショー>

その科学が成功を決める/リチャード・ワイズマン

イギリスの心理学教授リチャード・ワイズマンが豊富な科学的実験結果から常識と言われていることの間違いを指摘し、その代わり科学的効果の実証されている方法を提示するという構成になっています。といっても文章は平易でウィットに富んでいて非常に読みやすいです。久しぶりに抜粋コメント方式でいきます。

<抜粋&コメント>

  • (20種類のブレインストーミングの実験結果を分析したところ)驚くべきことに、実験の大半で、参加者が一人で考えるほうが集団で考えるより量も質も上という結果がでていた。
    ブレストの有効性については疑問は感じてはいたのですがここまではっきり結果が出ているのですね。個人的にはブレスト自体は他の人の自分では思いもつかない発言が元になって、「その後の」自分のアイデアを出すのにいい効果があるように思います。なので、ブレストはあくまでアイデアを集める場所と捉えて、実際は企画者がじっくりと考えて決めるのがいいのではないかと思います。
  • 職場に花や観葉植物が置かれていると、男性社員から出されるアイディアが15パーセント増え、女性社員の場合は問題への対応が以前より柔軟になった。
    さっそく観葉植物を買おうw
  • おそらく誰もが大好きな行動、“仕事中に寝転がる”が科学的に検証された。オーストラリア国立大学のダレン・ニプニッキとドン・バーンは、参加者に後文字からなるアナグラムの問題を、直立姿勢とマットレスに横になった姿勢の両方で解いてもらった。(中略)おもしろいことに、横になった参加者の方が問題を解く速度がおよそ10パーセント速く、したがって制限時間内の正解率も高かった。
    オフィスに横になれるところつくりたいけど、どうやったら作れるかなぁ。コタツはあるので、広めに畳とかを敷き詰めたらいいかもしれない。
  • 科学的な実験結果から言うと、いざという場合は配偶者より飼い犬にそばにいてもらったほうが、あなたの健康にはよさそうだ。 おもしろいのは、猫では同じことが言えない点だ。研究によると猫と暮らしているとマイナスの気分が軽くなりはしても、目立って気持ちが穏やかになることはなく、心臓発作を起こした場合に、12ヶ月後の生存率が高まるわけでもない。
    どっちかというと猫派なんですが、犬の方がいいのかな(苦笑)
  • 親はつい子どもの才能や知能をほめて、気分をよくさせたくなるものだ。だが、研究によると、そうしたほめ言葉はいい結果を生まないようだ。ほめるなら子どもの努力や、集中力、時間の使い方などをほめるほうがはるかに効果がある。たとえばあなたの子どもが試験でいい点をとったら、「ずいぶんよく勉強したね」「遊びにいったりしないで、時間をちゃんと使ってえらかったわ」「大変だったのに、よくがんばったね」などとほめる。(中略)こうしたほめ言葉で子どものがんばる力や柔軟性、忍耐力がはげまされる。さらにそれらの点を明確にするために、子供が自分の使った技術や作戦を思い出させるような質問をする。
    頭がいいとほめられるだけだと、同時に失敗を恐れるようになり、さらにがんばらなくてもできると勘違いする、そして実際に悪い成績を取るとやる気をなくしてしまうという。なるほど、ですね。

大人げない大人になれ!/成毛眞

元マイクロソフト日本法人社長の成毛氏によるエッセー。大人げない大人を自称するだけあって、あまのじゃくな主張がものすごく新鮮で、おもしろいです。えー、そこ否定しちゃうの?って感じで。しかし、実際のところ圧倒的な業績をあげるひとというのはこういう考え方をするひとなのだろうなとも思います。本書にはたくさん注目すべき主張がありますが、そのうち特に気になったものをいくつか。

(目標をもってはいけない)試合直後の力士にインタビューをすれば、「明日の一戦をまた頑張るだけ」と答えが返ってくるだろう。ゴルフツアーの最終日を明日に控えたプロ選手でも、翌日のスコア目標などは口にしない。そんなことを考え始めれば、プレイが崩れることを知っているからだ。 それにもかかわらず、なぜかビジネスになると、途端に誰もが最終ゴールを決めようとする。スポーツよりも遥かに不確定な要素が多いにもかかわらず、目標によって自分たちを縛りつけようとするのである。これにはかなり違和感を覚える。

確かにこれは不思議なことですね。僕も経営者という立場上、事業計画を立てたりもしますが、基本的に業績はかなり外部状況に影響されるので予測は非常に難しいです。それでも事業計画が必要だと思うのは、いつどのくらいヒトモノカネが必要になるのかを明らかにするためで、採用や資金調達などはすぐにできるというわけではないので目の前の課題だけでなくロングスパンで物事を考えるには役に立つと思います。

一方でベンチャーであれば、ビジネスモデルが強固ではないことも多いため、計画には織り込まずに、常に非連続な成長を目指して違うことをやってみることも必要だと思います。この際に気をつけなければいけないのは、小さいビジネスをいくら生み出してもあまり意味はないということで、ビックビジネスを生み出すために何を仕込んでいけるかが重要なのかなと。

(キャリアプランはもたない)キャリアプランニングのカウンターとなる考え方に、「Planned Happened Stance」というものがある。日本語では「計画された偶然性」とされている。これは、目標を定めた計画性を志向するキャリアプランニングに対して、世界を不確実なものと捉え柔軟性を重視する考え方である。(中略)ビジネスの世界に身を投じるのであれば、どこで自分を活かすことができるか、どういったところで最も面白く働けそうかを常に考えなければならない。そして一度チャンスを見つけたら、思い切って飛びつくことが必要である。おそらくこれ以外に成功の秘訣と呼べるものはないはずだ。

キャリアプランニングというのに確かに違和感を感じていたのですよね。状況なんてどんどん変わるし、10年、20年も見据えてキャリアプランニングしていくのなんて、本当にできるのかと。

チャンスに飛びつく以外に「成功の秘訣と呼べるものはないはずだ」と言い切ってしまう辺りがおもしろいのですが、肌感覚としては非常に近いかなと。キャリアがとか言ってないで、もっと自分を信じて、自分が面白いと思ったことに身を投じる方がいいんだろうなと思いました。

抜粋はすごく長くなってしまったのですが、ご興味があればどうぞ。

<抜粋メモ>
・どういうわけか日本では、我慢を美徳として考える傾向がある。そして、強い自制心を持つことが大人の証明になるとされる。しかし、私の周囲の成功者とされる人に、我慢強い人物は見当たらない。逆に、やりたいことがまったく我慢できない、子供のような人ばかりだ。そういう人は、好きでやっているのだから、時間を忘れていくらでもがんばるし、新しいアイデアも出てくる。我慢をして嫌々ながらやっている人が、こういう人達に勝てるはずがないではないか。
・(GoogleのYouTube買収について)M&Aの世界では、会社の買収を考えるとき、対象会社の抱える訴訟リスクを注意深く見積もって意思決定を行うものだが、これほど大規模な訴訟リスクを抱える事例も珍しかったのではないか。当時の報道によると、グーグルは、この訴訟対策として2億ドル以上の預託金を用意したという。こういった会社を買収するには、過剰な自信と勇気が必要だ。
・昨年頃から、爆発的に始まったように見えるこの「おバカタレント」ブームだが、実はこのようなキャラクターは、いつの時代にも存在していると言える。(中略)古くは狂言や歌舞伎のような日本の伝統芸能にも、おバカ・天然ボケとして描かれた役柄が多く存在する。
・日本を見回すと、こうした素人の発表の場が沢山ある。保険会社が主催するサラリーマン川柳や、新聞社による写真コンクール、近年話題になっているケータイ小説など、挙げればキリがない。日本人は発信したがりの民族なのである。
・多くの大人は、たとえ興味を引かれる物事を見つけても、自分で言い訳を並べ立てて手を出さないものだ。もう少し仕事が落ち着いたら、とか、何かきっかけがあればと考える。しかし、いつまでたっても仕事は落ち着くことはないし、そう都合よくきっかけが訪れることもない。
・自分より偉い人や強い人の意見をいったんはすべて否定していく(中略)なぜこのようにするのかといえば、権力を持った人の考えは、完璧な独裁者でもない限り、民主主義の論理に沿って部分最適に向かうからである。乱暴に言えば、自らの地位を守るために自然と大衆に迎合していくのだ。
・若者がラーメン屋やブティックを一軒だけ経営し始めたところで、ベンチャーとは呼ばない。ベンチャービジネスとは、権力や権威に反抗し、他人が無視しているようなものに己の人生を賭けることである。これに価値が付与され、人を追従させることができると、そこに差益が生まれ大きな儲けを手にすることができるのだ。
・仕方がないことだが、人間は年齢を重ねるに連れて保守的になりやすい生き物である。もし人が、どの程度保守的なのかを計ることができるのであれば、年齢に対して幾何級数的に上昇する様子が見て取れるように思う。これは知識や経験が蓄積すればするほど、自分の中での枠組みが固まってくるためであって、その枠組みを崩して新しいものを取り入れるコストが上昇していくのである。
・プロフェッショナルの定義は、ここまで触れたようにあいまいなものだ。しかし、人がプロフェッショナルを自任するようになると、どうも失敗や間違いを恐れるようになるのではないかと感じる。
・(目標をもってはいけない)試合直後の力士にインタビューをすれば、「明日の一戦をまた頑張るだけ」と答えが返ってくるだろう。ゴルフツアーの最終日を明日に控えたプロ選手でも、翌日のスコア目標などは口にしない。そんなことを考え始めれば、プレイが崩れることを知っているからだ。 それにもかかわらず、なぜかビジネスになると、途端に誰もが最終ゴールを決めようとする。スポーツよりも遥かに不確定な要素が多いにもかかわらず、目標によって自分たちを縛りつけようとするのである。これにはかなり違和感を覚える。
・もしどうしても目標を立てたいのであれば、ほとんど実現不可能なくらいの大きな目標を持つべきだろう。しかし、これ自体はその達成方法を考えるのには役には立たない。自分が持つ可能性を大事にしたいのであれば、目の前のことだけに没入し、何かしらの変化を察知するにつけ、次のベストを探すというスタンスを保持することが重要である。
・何か新しいものが生まれるときは、たいていそのきっかけに偶然性をはらんでいる。アイデアを生み出すには、この偶然性をいかに自分の味方につけるかが重要になるのだ。
・(キャリアプランはもたない)キャリアプランニングとは、情報収集を重ねて計画的なステップアップを設計することなのだそうだが、こんなものが一体何の役に立つのだろうか。そもそもどんなに時間をかけて情報収集したところで、知ることができるのは今日現在のことだけである。ビジネスの世界で、今日現在のことにいくら詳しくなろうとも仕方ないのだ。かといって、数年後の見通しをつけようとすれば、それはこの上なく厄介なことである。もし、数年後のことがある程度でも予想できるのであれば、その人はキャリアプランナーになって他人の愚痴を聞くよりも、自分でビジネスを起こした方が比べ物にならないほど儲かるだろう。こういった人たちが、あなたの人生を保障することなどできないのは当然のことである。
・キャリアプランニングのカウンターとなる考え方に、「Planned Happened Stance」というものがある。日本語では「計画された偶然性」とされている。これは、目標を定めた計画性を志向するキャリアプランニングに対して、世界を不確実なものと捉え柔軟性を重視する考え方である。(中略)ビジネスの世界に身を投じるのであれば、どこで自分を活かすことができるか、どういったところで最も面白く働けそうかを常に考えなければならない。そして一度チャンスを見つけたら、思い切って飛びつくことが必要である。おそらくこれ以外に成功の秘訣と呼べるものはないはずだ。
・「こんな資格を持っている」ということばかりアピールする人間は、同時に「僕は同じ資格を持っている人間となら、いつでも交換可能です」と言っているようなものである。
・結局のところ、英会話も資格も、この勉強に躍起になる人が目指すところは一緒なのである。第三者にわかりやすく評価してもらうことで安心したいだけなのだ。しかし、わざわざ他人と同じ尺度で評価されるところに飛び込んで、どんないいことがあるのだろうかと私は思う。
・(神話をつくろう)個人でも会社でも、最も効果的なマーケティングの方法は、神話をつくることである。神話というと少し仰々しいかもしれないが、人が人に話したくなるような面白い話だと理解してくれればいい。
・自分自身が実際に体験できることは、本当にごくわずかのことだけだ。自分がいるその時間、その場所のことだけしかわからない。人間は常に時間と地理の制約を受けるのである。 しかし読書をすることで、この制約を超えた世界のことを疑似体験することができる。
・読書についてよくある勘違いが二つある。ひとつは、本は始めから最後まで全てよまなければならないということだ。そしてもう一つは、読んだ本の内容は覚えていなければならないということである。

ウノウ増床しました

ここのところすごいドタバタしていて、ブログがまったく更新できてない。。特に本をあまり読めていないので、エントリに書き起こすクオリティのものがなかなかなかったりするんですよね。まぁ普通にTwitterで書いて満足しちゃってるってのも大きいと思うのですけど、、@suadd
もよろしければどうぞ。

というわけで、会社引っ越しというか増床しました。今まで8Fのみだったのを、4Fも借りて執務スペースを4Fにして、8Fは今のところ会議室だけになってます。今後お越しの際は、4Fが受付になっているので、ご注意を。

引っ越し途中
引っ越し途中 posted by (C)Shintaro

ウノウは全員ノートPCでフリーアドレスなので、写真みたいな感じで業者さんにわらわらと机や椅子、ロッカーを持ってきてもらって午前中だけで終了って感じでした。それでも無線LAN設置したり、ネットや電話や複合機手配などをわずか2週間くらいでやったので、大変だったと思います。引っ越しプロジェクトに関わった会社の方々には大感謝です。

感想としては、だいぶ広々としていて気持ちいいです。まだ色々と買い足さないといけないものもあるのですが、ぼちぼちやっていきます。8Fはだいぶ余裕スペースがあるので、なんかおもしろいことをやりたいですね、誰もオフィスでやったことないこととか。

そんなわけで、安心して増員できるようになったということで、引き続き積極的に人材募集中ですので、ぜひ興味のある方はぜひご応募ください。

ちなみに、新卒採用とかも全然やってますので(実際何人か内定者もおります)、いつでもご応募ください。普通に新卒向け説明会とかをやるつもりはないので、それでも申し込んでくるくらいの猛者をお待ちしておりますw

事実に基づいた経営/ジェフリー フェファー、ロバート・I. サットン

スタンフォード大学の教授2人の共著。タイトルがあまりにも固いのですが、内容はかなりおもしろいです。ビジネス書でよく語られている定石に対して、本当にそうなのかを問いかけて、事実ではそうでないケースもありますよ、というのが大体の流れです。しかし、定石を根っから否定しているわけではなく、いろいろなケースがあるのだから事実を冷静に見極めて、判断せよということを書いています。

とはいえ、結局のところ何が正解なのか本書が明らかにしてくれるわけではないので、最後は自分で考え決めなければいけないわけですが。そのための考え方の流れが描かれていて、それが非常におもしろく勉強になるのが、本書の特徴かなと思います。

<抜粋>
・第三に、経営者が、大量のビジネス書、記事、カリスマ、コンサルタントなどから仕入れるアドバイスは全く整合性がないことである。人気のビジネス書から、次のような全く反対のアドバイスの例を挙げてみよう。「カリスマ性のあるCEOを採用せよ」vs「謙虚なCEOがよい」、「複雑系を取り入れろ」vs「シンプルこそベストだ」、「戦略に集中せよ」vs「戦略計画など無益だ」。読めば読むほど混乱する。
・さらに悪いことに、良いアドバイスと悪いアドバイスを見分けることは簡単ではないため、経営者たちは往々にして間違った手法を実践してしまう。その一つの理由は、コンサルタントというのは、仕事を取ってくることで評価されるが、良い仕事をしたかどうかというのは二の次で、実際に提言が効果をあげたかは、評価にほとんど関係ないことである。さらにすごいのは、もし問題が十分解決されなければ、解決されない問題のためにコンサルティング会社の仕事がまた入ってくることである。
・もし、われわれの意見がコンサルティング会社に対してひどすぎると思うのなら、あなたのお気に入りのコンサルタントに、「コンサルティング会社の提言なり経営手法が実際にどのような効果をあげたか」の証拠を見せてくれるように頼んでみよう。
・私たちはベインの調査は評価したいと思っているが、なぜ同社がそのホームページで表を提示し、「われわれのクライアントは市場平均に比べて三倍の業績をあげている」などとホラを吹いているのか、理解に苦しむ。ベインの優秀なコンサルタントたちは、相関関係があるといっても、それがベインのコンサルティングが業績をあげた証明になるわけではないとわかっているはずだ。そもそも、業績の良い会社はコンサルタントを雇うだけの資金の余裕があったと見ることもできる。実際、ベインが本当に業績に貢献したかどうかは何の証拠もない。まさか、ホームページを見た人が、その瞬間に統計のクラスで学んだことを忘れることを期待しているわけではないとは思うが。
・その会社では、その前年に顧客満足度と効率性を上げるためにシックスシグマが導入されていた。サットンは講演の中で、シックスシグマやTQMなどのプロセス改善手法によって、効率は上がるがイノベーションが減ることを指摘した。それに対して、自称「品質管理の鬼」「品質の伝道師」たちがやって来て、シックスシグマはイノベーションも含めた品質の改善に役立っていると反論した。このグルたちは、10年もの経験があり、しかもシックスシグマやTQMがイノベーションに貢献した事例を一つもあげられないのにもかかわらず、そう言い張ったのである。
・「ユニホームを身につけると、個人の好みよりもグループのゴールや価値観を大切にする」心理的な力が働くことが実証されている。
・こうした研究から明らかなことは、「才能がすべてだ」といったような見方は、あたかも才能が初めから決まっていることを前提としている、という意味で危険であるということだ。こうした見方をすると、どうせ始めから決まっているのだから努力しても無駄だ、自分たちは何もできないといった考え方を(部下を含めて)生むことになる。しかし、例えば基本的な認識能力は、テストで測れる部分で見る限り、向上させることは思った以上に簡単なのである。向上できると思えば向上できる。しかし、これは大変重要なのだが、逆にもしこうした能力は上がらないと思い込んでいると、やはり上がらないのである。
・ジェームス・トレイビッグが言ったとおりだ。「金に釣られて入社する奴らは、金に釣られて辞める」。
・最近最もポピュラーな「経営資源から見た企業」という戦略理論によれば、競争優位は価値があり、かつ希少な資源を持つことによって生まれるが、その優位が継続するためには、その資源は競争相手が真似をして追いつけないよう、真似できにくく、何か別のもので代替できないものでなくてはならない。したがって、問題は「企業を成功に導く戦略というのは、(他社にとって)理解したり真似したりすることが難しいのか?」ということになる。
・デルの社員が、製品からねじ一本減らすのにどれだけ時間を使っているか(それによって製造時間が四秒短縮される)を聞いただけで、それまでして製造の効率性を上げようとする取組みは、自分で会社を経営したり、自分のような人を雇って他の会社の問題を解決したいと思っている頭の良いMBAにはあまり魅力的に映らないであろうことは想像がつく。
・変革を成功させた企業は賞賛され、リーダーは神のようにあがめられる一方、過去にこだわる企業は馬鹿にされる。結局、「変わるか、さもなくば死ぬか」なのだ。あるグルに言わせれば、「イノベーションをするか死ぬか、どちらのほうがよいか?」 こうしたスローガンや信念は完全な間違いではないが、半分しか正しくない。変革もイノベーションも危険な両刃の剣なのである。
・インテルの共同創業者であり、元CEOでもあるアンディ・グローブが退任後にこんな告白をしている。「誰も将来のことなんてわからない。私もだ」という彼の意見に対して、それではどのようにして社員を動機づけていたのかと尋ねられ、「うーん、自己規律の面もあるし、幻想という面もある」と答えた。「そして幻想は現実になった。自分を過大評価し、実際よりも良く見せるようにしたという面では幻想かもしれない。しかし、自信を持って行動しているふりをしていると、実際に自信が出てくる。だから、幻想はもう幻想でなくなる」

最近のGoogleの便利サービス

皆さん、Google使ってますか?
最近、実は検索以外もかなり便利なんですよねぇ。最近覚えたGoogleの便利な使い方はこちら。

Gmail
Gmailは前から使ってたのですが、ショートカット使い始めたらこれが異常に便利。今までのメールソフトに戻れないくらい。とりあえず、jとkで前後に行けるのを知るだけでも相当高速に処理できると思います。

Google日本語入力
Googleの作ったいわゆるIMEですが、Mac標準の「ことえり」に比べてかなり賢く、愛用しております。これもGoogleの作るOS「Google Chrome OS」のための下準備なんでしょうね。このまま行くと、ちょっと金かけてもいいひとはMac、そうでない場合はChrome OSとなって、本当にWindowsは沈んでしまうかもしれませんね。
※ことえりからの辞書のインポート方法はこちら

Googleサイト
Googleのホームページ作成ツール。簡単なページがさくっと作れます。あまり知られてないようなのですが、かなり便利。プライベートなブックマーク(スタートページ)なんかを今までは自前でWikiとかをインストールして使ってたのですが、すべてこちらに移行しちゃいました。

こうして今年もGoogle先生に取り込まれて行くのですね。。

アバター[70点]

アバター

【監督】ジェームズ・キャメロン
【出演】サム・ワーシントン / ゾーイ・サルダナ / シガーニー・ウィーヴァー / スティーヴン・ラング / ミシェル・ロドリゲス / ジョヴァンニ・リビシ / ジョエル・デヴィッド・ムーア / CCH・パウンダー / ウェス・ステューディ / ラズ・アロンソ

★★★☆ [70点]「デジタル3D映画の幕開け」

メガネをかけて3Dになるタイプなのですが、初の著名な監督(ジェームズ・キャメロン)による本格的な長編デジタル3D映画ということで注目を集めているようです。

観た感想ですが、確かにすごい。ほとんど違和感がなく立体感があって、本当に異惑星に紛れ込んだような感覚を覚えます。人間よりもかなり大きく体のバランスが違ったりする異星人ナヴィたちや、動植物や景色も本当に自然で、まったく現実とCGの境が分かりません。スピード感のある映像は新体験の連続で本当にこれだけで観る価値ありです。

一方で、ストーリー的には、それなりに工夫されているもののハリウッド的シナリオから抜け出せておらず、映像のすごさに比べて、平凡さが目立っています。とはいえ、退屈するわけではないので平均点は超えていると思いますが。

つまり、ストーリーは平均的であるものの、映像はものすごいですし、今後「ハリー・ポッター」シリーズやディズニー作品も3D化すると言われており、「アバター」がデジタル3D映画の幕開けだったと言われることは間違いないので、観ておいて損はないと思います。

Posted by suadd on 2010/01/02 with ぴあ映画生活