iPhoneは小さいMacだった!

iPhoneを1週間、使ってみての雑感です。

  • 日本のケータイヘビーユーザーにとって
    いろいろなところで言われているように、「i.softbank.jpがケータイメール扱いにならない」「メールやアプリの設定が複雑すぎる」「対応サイトが少ない(特にFlash非対応なのが痛い)」「入力方法がこなれていない」「おサイフケータイがない」「バッテリの持ちが悪い」などの理由でまるで使い物になりません。

    今の日本のケータイの方がよっぽどよくできているし、使いやすいです。巨大な経済圏と文化圏を作り出したiモードの凄さが再確認できます。

    しかし、これらはいずれも克服可能なことが重要です。

    特に入力方法については、今のところは予測変換が遅いなどまだまだ感がありますが、ジェスチャーの導入によりボタンとの差はかなり詰まったと思います。恐らく最大のネックがタッチパネルでの入力になると考えていたので、これはかなり期待が持てると思います。

  • 日本のケータイライトユーザーにとって
    iPhoneは小さいMacです。PC/Macでできるようなことが、制限付きでiPhoneでもできます。メールを読んだり書いたり、PC向けウェブも見ることができるし、スケジュールやアドレス帳をPC/Macと同期させたり、App Storeからいろいろ有料/無料アプリをインストールして楽しむこともできます。

    以上のようなことに対して、魅力を感じる層であるならば、iPhoneは魅力的だと思います。例えば、ザウルスやPalmなどのPDAを買ったことがある層など(PDAの市場規模は年間数十万台とのこと)。

    しかし、ケータイライトユーザーの大部分は、特に外でPCメールやPCウェブを見たりする必要もなければ、したくもないだろうと思われるので(あるならすでにやっている)、iPhoneに興味を持つことはないでしょう。

  • 海外において
    日本にはiモードおよび類似サービスが存在し、巨大な経済圏と文化圏を築いていますが、海外ではそういったものが存在しないため、iPhoneを軸にモバイルサービスが展開されていくことが予想されます。iモードの劇的な成功を考えれば、iPhoneが世界的に成功を納めていくことは間違いなさそうです。iPhoneは今のところケータイに比べてかなり使いづらいですが、iモードも最初は白黒だったことを忘れてはいけません。

というわけで、個人的には非常に使いづらい端末で人に勧められないと思いながらも、非常に可能性を感じています。新しいもの好きで未来を感じてみたいなら持っておいてもいいかなと。

今後のシナリオについて大胆予想してみますと(苦笑)、

  • 日本
    ケータイサービスがあくまで主流のままで、当面は一部の層への普及(年間150万台)に留まる。数年後にはiPhoneが機能としては追いつく、ただすでにあるコンテンツ側の経済圏を崩すことができないので、ニッチのままで推移する。シェアは3%=300万台まではいく。
  • 海外
    対抗軸がないのでiPhoneが急速にシェアを伸ばす。そのうちキャリアやNokiaなどの巨人達がまずい!ということに気付いてキャリアはiモードライクなサービスを必至で取り入れ、NokiaなどはiPhone的アプローチに力を入れる。アップルはMacのようにエッジがたっている製品しか作れないため最終的には、キャリアやNokiaがシェアの大部分を押さえる。とはいえ、iPhone自体は世界シェアの10〜20%を占める巨人になる。

でいかがでしょうか? できれば後者で日本のキャリア、メーカー、コンテンツプロバイダの出番があるといいんですけどね。

P.S.ネットサービス事業者としては、iPhoneのアプリにより世界に開けたビジネスを展開できるという別の視点があります。これについては、自分の立場上考えていきたいと思っています。

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