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先日の上海に続いて、北京へ行ってきました。今回は上海をさらにハードにしたスケジュールでまさに弾丸ツアー。ものすごいたくさんの人に会って非常に勉強になりました。アレンジやアテンドしていただいた方々に多謝です。

それでは、思ったことをつらつらと。写真はF08-Aです(やはり限界が。。)。

天安門
天安門 posted by (C)Shintaro
とにかく空気が汚い。ずっとスモッグでうすら曇っていて、青空が青空でなく、のどが痛くなりました。数百メートル離れた天安門でこんな感じ。僕はアレルギー体質なので残念ながらこの街に住むことはできなそうです。

点くとこんな感じ
点くとこんな感じ posted by (C)Shintaro
2年半前より街がすごくきれい。オリンピックがあったのが大きそうですが、街が非常にきれいになってました。オーロラビジョンみたいなのがそこらじゅうにありましたが、この写真のは本当に見たこともない大きさでした。

北京の裏道5
北京の裏道5 posted by (C)Shintaro
とはいえ、少し裏道へ入ると雑多な感じで庶民的な市場や飲食店があったりするのは健在。魚とかも道ばたで売ってる。。

杭州小咆
杭州小咆 posted by (C)Shintaro
その辺りにあったので、ふらりと入った餃子屋さん。普通においしい。食べて、ビール飲んで一人120円以下でした。

あやしい形のビル
あやしい形のビル posted by (C)Shintaro
インターネット企業をたくさん訪問したのですが、各社が非常に離れています。車で1時間弱とかざら。上海に比べると広いなぁという印象。一つ一つの建物が非常に大きいし、道路は広くて極めてきれい、タクシーも上海に比べると新しい車が多かったような気がします。

3gpp
3gpp posted by (C)Shintaro
上海よりモバイルビジネスが盛ん。上海ではモバイルなんてまだまだという人が多かったのに対して、北京ではみんな注目はしていて、1000万クラスのユーザー規模を持つ会社に何社か会いました。アイテム課金もそれなりに盛んに行なわれているっぽい。ただゲーム系はまだアプリでの提供が多いらしく、イメージとしてはiモードリリース初期に近い感じがします。そういう意味ではまだまだチャンスがあると思います。

talk session
talk session posted by (C)Shintaro
上海でも感じましたが、中国人のネット系起業家は、中国国内でのみビジネスをすることにリスクを感じています。なぜなら政府や携帯キャリア、ビックプレイヤー(ポータルなど)の意向でいきなりシャットダウンさせられることがあるから。特にモバイルビジネスは危険と考えられているよう。なので多くの会社は国内だけでなくアメリカや日本に非常に興味を持っています。

YEEPAYパーティー
YEEPAYパーティー posted by (C)Shintaro
なぜ日本のネット企業が現地でうまくいかないか。中国人起業家が口々に言うのは、マーケティング手段が限られているからということです。中国では起業家同士で非常にオープンにプロモーション手段と効果などの情報交換をしたり、相互リンクを張り合ったりしていますが、日本企業だとそこに食い込みずらい。実際のところほとんどコネクション(人間関係)でそういったことが決定されている。また、日本側の親会社のコンプライアンス上の縛りなどでできないことも多い。

味千ラーメン
味千ラーメン posted by (C)Shintaro
味千ラーメンは中国で300店舗を超えるなど非常に成功しています。もちろん1店舗だけでは判断できませんが、味は日本人からするとかなりイマイチですが、そこは好みの問題かもしれないので気にしないとして、サービスレベルは日本よりだいぶ低い感じ(出てくるのが非常に遅いとか)。正直言って、ビジネスのことだけを考えたら、インターネットビジネスとかするより、日本食料理とかで正攻法にアレンジして持ち込むとかの方がいいのかも、とか思いました。まぁ個人的には、インターネットが好きでこのビジネスをしているのでその選択肢はありませんが。

<今回会った会社のリスト>
・Playfish、Rekoo、Xaionei、SOHU.com、sina mobile、YeePay、pp.cn、2fishes、56.com、UCWEB、ECitySky、ISMOLE、AppLeap、apptz、5i.com、tongxue.com他いろいろ

<スライドショー>

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橘氏の本は思考実験に富んでいて非常に楽しい。今回もマイクロ法人を使うとどのような節税や利点があるかを書いてます。正直言って橘氏の他の本で聞いたような話も多いのですが、個人的には結構すぐ忘れる方なので純粋に読み物としておもしろいし、勉強になるし、いいのではないかなと思います。

<抜粋>
・すなわち日本では中高年を解雇して若手社員を中途採用すると違法とされてしまうのだ。日本で派遣労働が急速に普及したのは、解雇規制が強すぎて容易に社員を雇うことができないからであった。だが格差問題の議論の中で、この事実に触れることはタブーとされている。
・(ダイエー)中内と(RJRナビスコ)ジョンソンの二人の企業人を比べてもっとも強く印象に残るのは、会社に対する考え方のこの大きな違いだ。中内は会社をひと、すなわち自分の分身と見なしていた。ジョンソンは会社をもの(道具)として扱い、資本市場で売買することになんの抵抗もなかった。これは、どちらが正しいという話ではない。法人がひとであると同時にものでもあることで、二人の男の波瀾万丈の物語が悲劇ありうは喜劇として成立したのだ。
・株式会社は、なにもないところから儲け話だけで資金を集める仕組みだ。その儲け話に実体があればビジネスで、実体がなければ詐欺になるが、おうおうにして両者の区別は不可能だ。
・(サラリーマンの払う)厚生年金は掛け金の総額に対して受給額が大幅に下回るという逆ざやに落ち込んでいる。(中略、自営業者の払う)国民年金の保険料は定額制で、現在の月額14100円が2017年には月額16900円まで引き上げられることになっているが、これでも平均寿命まで生きれば払った分の2倍程度は戻ってくる。
・金融市場が管理できるリスク世界なのか、管理不能の不確実な世界なのかは長い議論があったが、2008年秋の世界金融危機において、統計的にありえない出来事が毎日のように起きたことから「不確実説」が有力になった。それによれば、金融市場は複雑系のネットワーク(スモールワールド)で、システムに組み込まれたフィードバック機能によってバブルや暴落が頻繁に起きる。
・MSCBは欧米の株式市場ではありえない資金調達方法で、もし実行すれば確実に株式代表訴訟の対象になる(世界金融危機でも、MSCBで資金調達した欧米の金融機関はなかった)。ところが日本市場ではそれが当たり前のように行なわれ、金融庁や証券取引所も黙認している。

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天才!  成功する人々の法則
マルコム・グラッドウェル
講談社
¥ 1,785


ティッピング・ポイント(原題)」のマルコム・ブラッドウェルの最新作。勝間和代氏が訳しているということで、ノウハウ本かと思ってしまいますが、かなり深い本ですので、食わず嫌いしている方はぜひ読んで見てください。

内容は「成功する」ことに焦点を当てて、いくつかの条件について、豊富な事例を元に書かれています。ただ、統計的な情報は少ないというか、その条件が本当に重要なのか、については多少の疑問が出てきてしまいます。そうでない可能性も否定できない、というところでしょうか。とはいえ、感覚値にはかなり近いものがありますので、この後で本書の主張とそれに対して考えてみたいと思います。

<要約と考察>


  • カナダのアイスホッケー選手は1月〜3月に生まれた選手が多い。これは選抜が1月を区切りとして行なわれるためで、早く生まれたものが有利だからだ。
    これは統計的に明らかで、疑いの要素はありません。スポーツだけでなく勉学などにおいても、幼少であればあるほど1年の差は大きいということを示しています。であれば、日本においては子育てにおいて次の2通りを考えた方がよさそうです。1.子供はできる限り4〜6月に生まれるようにする。2.日本の教育制度を変える。まぁ海外に行くという手もありますが。

  • ベルリン音楽アカデミーでの調査では、優秀な学生はそれまでの累計の練習時間が例外なく長い。短いのに優秀なものは「いなかった」。これはスポーツでも同様であり、選抜に選ばれることで練習時間が増加する。マジックナンバーは1万時間である。これはビジネスでも同様で、ビル・ゲイツはPCが登場したときにコンピューターに1万時間触っていた。
    何かをなすにはそれだけの経験が必要という主張ですが、音楽やスポーツ、学術では明らかに相関関係が見られるのはよく分かるのですが、ビジネスの世界ではぽっと出でも成功する人は結構いるように思います。恐らくビジネスでは自らの実力よりもタイミングなどの運の要素もかなり大きいからでしょう。しかし、それは悲観すべきことではなくて、きちんと努力をしていれば報われる可能性は高くなるのではないかと思っています。そうして成功した時の方が自らに自信も持てるし、満足度も高いのではないでしょうか。

  • IQの高さは社会的な成功と比例していない。大学の授業についていくにはIQ115程度が必要ではあるが、それから先、IQ130の科学者とIQ180の科学者のノーベル賞を受賞する可能性は同じくらいである。
    何事も多ければよいというわけではないらしいのですが、それでは何が影響するのかというのが次の項目です。

  • (以下は抜粋)「中産階級の子どもは、まだ小学四年生のときから、自分自身の利益のために振る舞っているように見える。教師や医師に特別な要求を出し、うまく調整して、自分の欲求を受け入れさせる」 反対に、労働階級や貧しい家庭の子どもからは、「よそよそしさ、不信、遠慮が浮かび上がる」。裕福な家庭の子どものように、自分の最大の目的のために周囲の状況を自分の要求に応じて変えていく(中略)"カスタマイズ"する方法が分からない。
    本書ではIQ190だがみじめな生活を送っている天才が誰からも認められていない事例も紹介されています。確かに、IQのような才能よりも、むしろこういった文化的な優位性が影響するというのは非常に納得感があります。

  • 歴史上の富豪(クレオパトラまで含む)の75位までのうち20%が1831年〜1840年に生まれたアメリカ人である。これは1860年代〜70年代にアメリカの産業が大幅な転換期であったことに由来する。またビルゲイツは1975年のパソコン時代の到来を21歳という絶妙のタイミングで迎えたし、フロムという弁護士は敵対的買収や訴訟が重要となった1970年代にまさにその仕事を専門としていた。
    自らの仕事が好機であることが重要というお話。本書の言葉を借りれば「長年、技能に磨きをかけてきたところ、それが、とつぜんとてつもなく重要になったというわけだ」。これは本当に重要な要素であることは理解できるのですが、実際のところそれを予測するのが極めて難しいという難点があります。とはいえ、常にアンテナを張り巡らせて、しかるべき時にしかるべき場所にいる「努力をする」ことは重要なのではないでしょうか。

  • アメリカ南部の人間は北部の人間に比べて喧嘩をふっかけやすい傾向が「統計的に」ある。中国人はアメリカ人に比べて数字ルールが簡単がゆえに数字に強い。貧困な家庭では夏休み中の読む力が低下する。など「文化」が個々人に強い影響を及ぼしている。これらは「その文化」からいったん切り離すことで、解消は可能だ。
    もちろん貧困な家庭の問題などは解消されるべきですが、それ以外の文化についてはむしろ生かしていくべきなのではないかと思いました。例えば、日本人の子どもは難しいパズルを諦める時間がアメリカ人よりも40%も長いそうです。であれば、日本人はそれが生かせる仕事を選ぶ方がよいのではないか。

特に最後のポイントについては非常に重要だと思っていて、最近考えているのは、例えばマイクロソフトやヤフー、Googleのようにビジネスのルールを作るビジネスはアメリカはすごく得意だと感じます。一方で、日本人が得意な例というと電化製品、車、アニメなどクオリティ重視のものが多い。だから、日本人が世界でやっていくためには、クオリティで勝負した方がよいのではないか、と思っています。

P.S.北京から帰国しましたー

昨年まさかのSH906iへの乗り換え失敗の後、ずっとN904iを使っていたのですが、さすがにバッテリなどもう限界を感じていて、ドコモの夏モデルのiモードブラウザ2.0と7.2Mbpsのハイスピードが魅力的で、乗り換えを決行しました。

F-08A
F-08A※ピンぼけすいません posted by (C)Shintaro

モデルは、F08-Aのホワイト。もう単純にデザインで決定。本当はデザインだけならN-07Aもよかったんですが、海外のこと考えるとGSM対応してない、というのが結構厳しいなぁということで。その他の夏モデルは、本当にデザイン的に検討の遡上にあがらない感じ。。

で、まだ一言で言えば大満足。とにかくiモードが速いのがいいです。

携帯電話においては過去、スピードが速くなるにつれて、一人辺りPVが大幅に増加してきたという経緯があるわけですが、もう7.2Mbpsまでくると携帯サイトが軽量ということもあって、ブロードバンドと変わらない体感速度です。

もはや普通の生活する上でパソコンとか要らないですね。。まぁ分かっていたことではあるのですけど、実際体験してみると衝撃的です。やはり新しいものに触れるのは重要だなぁと思いました。

<その他の感想>
・フォントがきれい
今までのギザギザはなんだったのだろうか。。WindowsとMacくらい差がありますね。
・動作がきびきび
ボタンの反応がとにかく速くて、きびきびしてていい感じです。夏モデルの中でも速い方みたいですね。
・ボタンとか裏ブタとかがキラキラ光る
個人的には結構好きです。
・電池が持つ
まぁ前がバッテリがへたってて、1日持たなかったので。。
・ワンセグ観ない
前に二台持ちで使ってたauでもそうだったのですけど、やはりワンセグ観ないですね。
・スヌーズをもっと機敏に設定したい
今のところこれだけがかなり不満。前のケータイはもっと柔軟に対応できたよ! 朝起きられるかが不安。
・カメラ、相当きれい。
でも、まぁきれいな写真を撮りたいときはデジタル一眼使うので。。
・iコンシェルがよく分からない
山手線が遅れてるとか入ってくるのですが、たとえその後、山手線を使うにしても不要。行けないものは行けないし、駅行けば分かるし。それ以上に、山手線を使わない場合にも毎日のように情報を処理する時間がまったくの無駄だと思うのですが。。もう少し経過を見てみようと思います。
・GPSなくても構わない
前のケータイにはついてたのですが、地理感はいい方なので、今までもほとんど使ってなかったし、今後も不要かなと。いざとなればiPhoneあるし。
・防水よく分かんないけどいいかも
海に持ってったりしたときに安心感があっていいかもしれません。

P.S.今、成田です。先日の上海に引き続き、今度は北京へ行ってまいります。

NGO、常在戦場
大西 健丞
スタジオジブリ
¥ 1,575


2002年、アフガン復興支援会議に鈴木宗男氏の圧力で出席を認められず不当さをマスメディアに訴えて一躍有名になったピースウィンズ・ジャパンの代表の大西氏による著作。2006年刊行です。

不勉強ながらNGOの実態はあまり知らなくて、本書によりNGOが具体的に何をしているのか、その存在意義は何なのか、が非常によく分かり、勉強になりました。

例えば、NGOが人道援助に有効な理由としては以下のように書いています。

イラクで自衛隊がやろうとしているのは、(中略)「人道援助」だという。軍隊組織が人道援助というのは、どう見ても得意分野だとは思えない。たとえば道路や橋を修復するなら、自衛隊よりも地元の建設業者に任せた方がスムーズにいく。病院や水道施設をつくるにしても、NGOの方が何十倍もコストパフォーマンスのいい仕事ができる。 NGOは現地スタッフを何十人も雇うから、事業のコストを抑えられるし、彼らのネットワークを生かして、危険を未然に防ぐために重要な一次情報を得ることもできる。現地の人にとっても雇用機会というメリットがある。

つまり、国や軍隊ではできないことを低コストかつ迅速に行なえるのがNGOのメリットということになります。

また、現場での仕事の行なわれ方は次のような形になっているようです。

世界各国からたくさんのNGOが集まる現場では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などが中心になってミーティングを開き、地域や分野ごとに支援の取りまとめ役となる団体を決めていく。コソボでは人や物を一気に投入できる欧米のNGOにその役割を独占された。資金力や交渉力も不十分だったため、苦労して練り上げてきた家の屋根修復のプロジェクトを他の団体にさらわれて、悔しい思いもした。

やはりNGOとしては、歴史のある欧米が圧倒的に強いらしいのですが、現場でこういった激しい競争が行なわれていることもよく知らなかったので、非常に新鮮でした。日本で国際支援というとODAのイメージが強く、ODAというと利権の固まりという印象すらありますが、本書を読む限りではありますが、NGO同士が競い合うことでサービスの向上が行なわれていて、非常に健全だなと思いました。

アフガン復興支援会議の件についても、かなり詳細に書かれていて、最後には、

私自身、あのころは無我夢中で、不当な圧力に負けてなるものかという思いばかりが先に立った。ありていに言えば「窮鼠猫を噛む」というせっぱつまった状況で、政策論の土俵に上がる余裕もなかった。もう少しNGOや私自身に実力がついていれば、世論の盛り上がりを追い風として外交や援助に関する本質の議論を深められたのに、と思うと、内心忸怩たるものがある。いつかこの「宿題」に本腰を入れて取り組めるよう研さんを積むことが、貴重な経験をさせてもらった私の責務だと思っている。

と書いています。個人的にも、事件については、なんだかよく分からないなという印象だったので、こういうこと(想い)だったのか、と思いましたし、このように謙虚に次を考えられるのは純粋にすごいなと思いました。

NGOの世界はまさにグローバルでピースウィンズ・ジャパンも世界のNGOを競争しています。ビジネスやスポーツの世界だけでなく、NGOという世界でも日本から世界に挑戦している人たち(団体)がいるのだなと思い、非常にうれしくなりました。何かしらできることがないか探っていきたいと思います。

国際協力NGO ピースウィンズ・ジャパン|peace winds Japan


(注:本書は献本いただきました、末尾参照ください)

刺激的なタイトルですが、内容はそのまま。新聞とテレビという二大マスコミ業界がいかにまずい状況におかれているか、豊富な事例をあげながら書かれています。また、それに対しての新しい生き残りの模索についてもとりあげられています。

佐々木さんは本書で辛辣にマスコミの状況への無理解ぶりを描いていますが、それは佐々木さんがジャーナリストであり、業界への愛からゆえなのではないかと強く思いました。

例えば、佐々木さんは「報道」自体が喪失する危機感を持っているように思いますが、はっきり言って報道への需要は0になることはないわけで、業界は相当縮小するにしても、報道自体は残ることは間違いがないでしょう。

そう考えると、マスコミに(あまり)関係しない僕のような人間からすると、適正なサイズに業界が縮小しつつあるだけで、それは今までいろんな業界でも起きてきたことであって、特別なことでないのではないかと思ってしまうのです。

なので、僕はマスコミを特別視はしていませんが、なぜマスコミというビジネスモデルがうまくいかなくなってしまったのかについて、本書を読むとよく分かって、自分が仕事をしていく上で非常に勉強になりよかったなと思いました。

<抜粋>
・(新聞社の幹部)「ネットの時代だろうがそんなことは関係なく、皆さんはどんなニュースを読むべきかというような情報取捨選択能力は持っていません。どの情報を読むべきかということを判断できないのです。だからわれわれが皆さんに、どの記事を読むべきかを教えてあげるんですよ。これこそが新聞の意味です」
・編集長や編集者が年齢を重ねたのにあわせて、雑誌の内容も年をとってしまったのである。この結果、本来は二十代前半向けだったはずの雑誌はいつの間にか三十歳前後の読者向けになってしまい、このため昔からの読者はついてきてくれているけれども、若い読者は呼び込めなくなっていたのだった。
・極論を承知で言い切ってしまえば、いまの二十代から三十代の若い読者は「カネと女と権力」なんて読み物はあまり望んでいない。彼らが求めているのは、「これからどうやってこの社会を生き延びていくのか」といった自分の生活にもっと寄り添った具体的な情報だ。(中略)だがそうした記事はサラリーマン向けの総合週刊誌にはほとんど掲載されていない。載っているのはあいかわらず政治家の腐敗か、そうでなければ風俗情報ばかり。そんな情報をいまさらだれがほしがっているというのだろう?
・典型的な例が「麻生首相の漢字読み間違い」問題だ。ネットでは「日本の新聞は首相の読み間違いばかりあげつらって、本当にレベルが低い」とさんざんに批判されているが、新聞社は何も読み間違いばかりを報道しているわけではない。(中略)実際に新聞の紙面を見ると、麻生首相の読み間違い報道はそんなに大きな扱いにはなっていない。どちらかといえばベタ記事扱いだ。 ところがネット上ではそうした新聞社側の編集権はいっさい無視されているから、新聞社がどの記事に力を入れて、どの記事をベタ扱いにしたのかは分からない。

<本の感想と献本について>
・ブログで取り上げるのは読んだ本のうちおもしろかったもの、何かしらひっかかりがあったもので、エントリされるものは、ごく一部です。
・読むスタイルは、面白くなかったら即座に読み止めなので、よほど正義感に燃えない限り、基本スルーであえて批判もしません。
・献本されたものも上記と同様で例外はありません。献本をいただける方は、このページのウノウ株式会社へのリンクから会社宛にお送りください。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 (2009)

【監督】庵野秀明 / 摩砂雪 / 鶴巻和哉

★★★★ [80点]「面白くて、目が離せない」

実に日本的な儀式的で観念的なコミュニケーションと、どこに向かうのか分からないストーリーで新しい設定がどんどん明らかになるわけですが、それがクオリティの高い映像(特に戦闘シーン)と音楽とともに繰り出され、なんだかよく分からないけれども圧倒される作品です。

四部作の2作目なので正当な評価はできませんが、とりあえず面白くて、目が離せないという意味で十分成功していると思います。また、クオリティという意味ではTVシリーズからの異常な作り込みは健在で(というより数段パワーアップしている)、それだけでも十分観る価値はありです。


Posted by suadd on 2009/07/21 with 映画生活

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ジョナサン マーゴリス
ヴィレッジブックス
¥ 1,680


ジャーナリストが表の歴史にはあまり現れない性に関する歴史を明らかにする貴重な作品。古今東西、あらゆる場所、時代におけるセックス観や事件が取り上げられていて、かなり驚きの事実がいっぱいです。

時によってあるときは、乱交からセックス愛好クラブまで何でもありだったり、異常に禁欲的なときもあったりする。そして現代において、誰もがセックスを楽しまねばならない神話が生まれているという。

ジャーナリストが書いていますが、割と学術的なので文は冗長なところもありますが、純粋に知識欲を刺激される良書だと思います。

<抜粋>
・あらゆるまじめな研究と大多数の事例によれば。従来型のセックスによる摩擦だけで女性がオルガスムに達することはまさに例外中の例外である。
・(古代ギリシャでは)軍隊に不可欠な身体の鍛錬が、そのまま同性愛文化に移行した。少年は、健康であるほど快いオルガスムを仲間に与えるとされ、容姿が美しいほど優れた精神の持ち主だとみなされた。したがって並外れて美しい少年には、年上の男たちがこぞってセックスの個人指導を買って出た。
・古代ローマ人の直近の先祖は、乱交パーティーで結婚を祝った。パーティーではまず新郎の友人全員が、立会人の面前で新婦とセックスした。これは夫婦の絆という概念がなかった昔に、結婚に先立っていわゆる「無報酬の売春」の時期が存在したことの名残と考えられる。
・(インドの)ひとりの男が多くの女たちをはべらせるハーレムの慣習がある地域では、去勢された男はクンニリングス要員であった。
・(ローマカトリック教会、1714年)教会がこの年、姦淫の相手となった女の名の告白を男性に課すことをやめたのだ。これは、必ずしも性の解放を進めはしなかった。その理由は前に見たとおり、聖職者が不貞を懺悔した男に、赦罪と引き換えに相手の女の名前を告白させ、自分自身がひそかに姦淫の罪を犯すことのできる女に関して信頼できる秘密情報を得ていたのである。
・ヴィクトリア女王にまつわる性的な逸話に、イギリス議会が同性愛を禁ずる法案を決議したが、女王は女同士でそのような行為が生じるとはどうしても信じられず、その法令に承認を与えなかったというものがある。
・フロイトは自慰を、成長の過程で卒業すべき行為と捉え(自分の息子には自慰を控えるよう忠告していた)、自慰を続けると自己嫌悪や不感症になると考えた。また、射精しないセックスは精神に悪影響を及ぼすとも訴えていた。
・(オーストラリアでロジー・キング医師曰く)だれもが1日24時間、週7日セックスを求めて楽しまねばならないという新たな神話が生じており、セックスがだれもが常にメダルを狙わねばならないオリンピック競技のようなものとして認識されていると語っている。

エルメスの道
竹宮 惠子
中央公論社
¥ 1,365


エルメスが1997年に初めて作った社史なのですが、なんとこれ漫画なんですよね。伝統的なブランドでありながら、革新的をする文化もあるんでしょうね。内容もすごくしっかりしていて、ストーリーも面白いし、クオリティも高いです。エルメスすごいなと思うこと間違いなしなのですが、まぁ社史なので当然と言えば当然ですね。。

馬具の下請けから始まったエルメスが、自社ブランドを持ち、2回の大戦と大恐慌を乗りこえ、ケリーバックやスカーフを生み出し、業態を変えながらも、手づくりの伝統とエレガンスを守っていく職人たちとエルメス家の物語。歴史書としてもよくできていますし、一読の価値ありです。

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P.S.ドラクエ9やってますが、、クリアまで当分時間かかりそうな予感。。

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