2009年6月アーカイブ

堕落する高級ブランド
ダナ・トーマス
講談社
¥ 1,680


元ニューズウィークでファッション・ジャーナリストである著者がルイ・ヴィトン、プラダ、エルメス、カルティエ、コーチ他、現在あるあらゆるブランドがどのように生まれ、どのようにグローバル化し成長してきたのかを丁寧に描いているだけでなく、コピー製品やアウトレットやネットへの取り組みから、日本、中国、ロシア、インドでの現状まで取り上げています。

さらに、すごいのは、タイトルにあるように、現在のブランドの問題点を詳細に調べていて、それに対するカウンターとしての新しい動きまでもを取り上げている点です。

例えば、ブランドがあまりにも大衆化し、グローバル化し金儲けを重視しすぎため、品質にまで手を付けはじめてしまったことが赤裸々に綴られ、それに対して、H&MやZARA、アバクロなどのファスト・ファッションが高級ブランドのデザイナーと組むことで、低価格帯からの追い上げが始まっていることなどが指摘されています。

一方で、ブルガリのホテルやブラジルの新しいラグジュアリー・デパート「ダズリュ」、元グッチのトム・フォードの新しいブランドやクリスチャン・ルブタンなどの新しい取り組みなども紹介していて、非常に刺激的です。

ブランドというのは、現代のあらゆるビジネスに欠かせないものでありながら、まだまだよく分からないものだと思います。しかし、本書によってまさにブランドがもっとも重要な要素になっているファッションの世界を包括的に知ることで、どのようにブランドを扱っていけばいいのか、というヒントを得ることができるように思います。

<抜粋>
・今日、約40%の日本人がヴィトン製品を所有しているという。「なぜブランドものを買うのか」と尋ねた市場調査で、日本人はもっともな理由を挙げている「長く使えるからだ」と。しかし、ある専門家によれば、「日本人が自分たちは階級のない社会にいると考えている」ことがおもな理由ではないかと指摘する。実際、別の調査では、85%の日本人が「自分は中流階級」と答えている。
・現代の香水の始祖ともいえるべき存在が、シェネルNO5だ。 第2次世界対戦が終結したとき、ヨーロッパに派兵されていた米国兵たちは愛する人へのプレゼントとして競って買い求めた。マリリン・モンローが「ベッドでつけるのはシャネルの5番だけ」と言ったのは有名な話だ。(中略)NO5は世界中のどこかで、30秒に1瓶ずつ売れていると言われている。(中略)『ウィメンズ・ウェア・デイリー』によれば、NO5の利ざやは40%で、競合する製品の4倍以上だそうだ。
・大半の香水を実際に創作しているのは大手の香水研究所である。スイスのジヴォータン・ルール、米国のインターナショナル・フレイヴァーズ&フレグランシズ、ドイツのシムライズやハーマン&レイマー、スイスのフィルメニッヒ、英国のクエスト・インターナショナル、日本の高砂香料工業などだ。総事業規模は年間200億ドルで、彼らは高級ブランドの香水からフライドポテトまで、あらゆるものの香りや風味をつくりだしている。
・香水づくりのすべてを外部に委託している高級ブランドでは、新製品の開発時には、まず「どんな香水をつくるか」というブリーフをまとめ、研究所数社でコンペを行なうのが一般的だ。
・プラダのバックパックは、会社自身も気づかないうちに、高級ブランドを急激に変化させるきっかけとなった。「卓越した技術で手づくりの商品を家族経営の小さな会社が販売する」というそれまでの高級ブランドビジネスは、「グローバルな企業が中間階層をターゲットに大量に売る」ビジネスへと変わっていった。
・中国で偽物製造者と闘うのは、いくつかの理由で簡単ではない。その最大の理由は、この国が歴史的に知的財産に所有の概念を持っていない点であろう。たとえば、教育を民主化した最初の人物である孔子は、すべての教室に知識を広げるべく、学者の偉大な作品を模写して学べ、と奨励した中国共産党の指導者が、個人でも企業でもなく、「国がすべての財産を所有する」と明言しているのも事態をさらに複雑にしている。(中略)国際商標協会元理事長のフレデリック・モスタートは言う。 「中国では何世紀にも渡って(コピーする)文化を脈々と受け継いできたのに、ある日突然止めるように命じられた。まさに文化的ジレンマを生んだね」
・(H&Mのマーケティング・ディレクターによると)カール・ラガーフェルドとのコラボは、クリスマス商戦に女性客を引きつけるアイデアを練っているときに浮かんだという。(中略)「女性に人気の高いカール・ラガーフェルドに白羽の矢を立て、電話をかけました。(中略)彼の考えでは、H&Mはシャネルと同じように流行を決定している。大手アパレル企業はファッションをつくっているが、トレンドはストリートで生まれている、ということでした。そこで我々は特別に作られた限定版を、限定された期間だけ大量流通させる、という『マスクリュシヴィティ』に挑戦することにしたのです。我々は民主的にどんな人にも商品を届けたいけれど、特別な日だけしか売らない限定商品もつくります」
・主要ブランドの中には本物の一流品を追求する姿勢を失っていないところもあるーーとくにエルメスとシャネルがそうだ。ケリーやバーキンの伝統的な手づくりのバックや、シャネルNO5の原料となるジョゼフ・ミュルのバラなど、クオリティが製品の要であるというブランドの哲学を貫いている製品もある。
・(トム・フォード曰く)「マクドナルドみたいになっているよね。どのブランドもそっくりと言いたくなるほど似ている。(中略)当時はそれが時代にあっていたんだよ。ぼくたちがしなければ、別の誰かがやっていただろう。あのころ世界の世界の文化はグローバルに均質化していた。そういう空気だったし、それに対応する必要があったし、ぼくたちがやったことに今でも誇りを持っている。でもぼくが関心を持っているのは今、現在のことだ。反動が来ているんだよ。昔ぼくが手がけたバックの広告を見ると吐き気がしそうだ。(後略)」

僕は今猛烈に感動しています。

大学の先輩である吉田雄人さんが横須賀市長に当選しました。

4月のとある日に、雄人さんが横須賀市長選に立候補することにしたから大学時代の友達同士で集まろうという話になり、横須賀の事務所にお邪魔しました。その時は、現職が圧倒的に強いという話で、市議会員を辞して立候補を決意した雄人さんには失礼ながら悲壮感すらありました。

僕らはインターネット系の人間が多かったから、ウェブサイトをリニューアルしたり、駅立ちを動画で流すなど、僕たちにできることをやっていくことで合意し、別れました。そして、僕も微力ながら、献金やアドバイスをさせていただきました。

そして、本日、、

asahi.com(朝日新聞社):小泉元首相おひざ元、「チェンジ」 横須賀市長に吉田氏 - 政治

 1200日以上の駅立ちを続ける。旧自治省出身の市長が36年間続く中、米オバマ大統領にならい、市政の「チェンジ(変化)」を訴えた。自転車で各地を回り、「若さ」「しがらみの無さ」をアピール。若手の議員や首長らが「勝手連」で応援し、支持を広げた。

 一方、現職の蒲谷亮一氏(64)の陣営は、最近の首長選での無党派層の動向に危機感を持ち、「小泉人気」を取り込む作戦に出た。小泉元首相は5月から4回にわたり蒲谷氏の応援で地元入り。14日には01年の首相就任以来一度もなかった市内での街頭演説をし、「厳しい時こそ、まじめな人に横須賀市政をしてもらいたい」と呼びかけていた。

初当選を果たしました!!

小泉元首相の応援演説もものともせず、本当にすごい。これも雄人さんが地道に駅立ちを1200日以上し、市議会議員として常に誠実に政治にあたり、選挙でも明確に主張を伝えていったからだと思います。

僕は雄人さんを大学の時から見続けていて、本当に信頼できる能力の高い男だということを知っています。横須賀市の皆様の見識に感謝します。ぜひ彼を信じて暖かい目で見守って欲しいと思います。必ず答えてくれると思います。

僕の友達たちは本当にすごいことをやってのけます。そういう友達たちに囲まれて本当に幸せを感じます。雄人さん、がんばってください。僕もがんばります。

横須賀市市議会 市議会議員 吉田雄人 公式ウェブサイト

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序 (2007)

【監督】鶴巻和哉 / 摩砂雪


★★★★ [80点]「今まで観なかったことを後悔」

(注:これは1作目のレビューです)
なぜか観る機会がなかったのですが、さすがに観ないと思って借りてきました。

結論から言うと、これはすごい作品です。TV版のリメイク的要素が強いので、さすがに急ぎ足な感じはありますし、3部作(4部?)だけあって序章な感じもありますが、やはりストーリーというか世界観がすごくよくできているので、非常におもしろいです。

特に当時はできなかったであろう3DでモデリングされたCGがすごくよくできていて、しかし、それを感じさせずに溶け込ませているので新鮮な映像になっています。

これだけのクオリティをほぼ自主映画の形で実現し、興行収入20億をあげてしまう庵野秀明氏の才能に震撼せざるを得ない作品です。「ヱヴァンゲリヲン」は日本の誇るアニメの頂点の1つなので観ておいて損はないと思います。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を早く観に行かねば。。


Posted by suadd on 2009/06/28 with 映画生活
完全網羅 起業成功マニュアル
ガイ・カワサキ
海と月社
¥ 1,890


著名ベンチャー・キャピタリストのガイ・カワサキ氏による「企業成功マニュアル」。なるほど!と思うことも多くあったのですが、実際は状況によって違うことも結構ありますね。

後、僕自身いろんなフェーズでいろんな方々にアドバイスを求めて、いろいろとアドバイスをいただいたり、本を読んでヒントを得たりしてますが、実際の各フェーズにいる身としては、なかなか見えないことが多いです。

後で「そういうことだったのか」と気づくんですよね。逆に、アドバイスを聞いて、失敗したこともたくさんあります。

今の僕の考えは、

・本や人のアドバイスは真摯に受け止めるが、自分の中で腑に落ちない時は絶対にやらないこと
・自分にとって都合のよいアドバイスだけ聞き耳を立てていないか、都合の悪いアドバイスを無視していないか、常に自分を疑うこと

の2つが重要かなと思っています。

というわけで、こういう本はなかなか難しいなぁと思いました。今からベンチャーを起こす/起こした、という方は一読して損はないかなとは思います。

ベクター:ブラウザゲーム専用ポータル「ブラゲタイム」を発表/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム

発表会では、同社が新サービスとして展開する、ブラウザゲーム専用ポータル「ブラゲタイム」及び、独占タイトルとしてオンラインシミュレーションRPG『ドラゴンクルセイド』と『ブラウザ三国志』が発表された。 ブラウザゲームとは、ゲームをダウンロードしなくても遊ぶことができるオンラインゲーム。ブラウザ上で起動するため、OSなどのプラットフォームに影響されずにゲームを楽しめるというものだ。

これは4月のニュースですが、「ブラゲタイム」密かに注目していたので、どうなってるか見てみると、

・ブラゲタイム本体はAlexaで見てもほとんどPVがなさそう(恐らく数百〜数千PV/day)
・しかし、「ドラゴンクルセイド」は別ドメインになっており、vector.jpのPVは明らかに跳ね上がっている
ニュースによると月間PVは3億を超えているらしい。また、サーバも4台目が投入されたりしている。

以上のことから

・ブラゲタイムの2大タイトルのうち、「ドラゴンクルセイド」は非常にうまくいっている
・「ブラウザ三国志」とFlashミニゲームはほとんどうまくいっていない

という感じなのかなと思います。「ドラゴンクルセイド」は中国の会社が開発していてすでに実績があるゲームのローカライズ版のようですが、「ブラウザ三国志」はAQインタラクティブが新規で作っているようです。

やはりソーシャルゲームにおいては、センスとチューニングが重要なんでしょうね。

昨日行なわれた「第三回マネタイズHacks」は100名以上の方が来場されたそうで、ライブドア櫛井さんはじめ主催の方々は本当にお疲れ様でした。

懇親会も非常に盛り上がり、個人的にもすごく楽しませていただきました。お話させていただいた方々、ありがとうございました。

早速ですが、発表のスライドを公開します。かなり実践よりの話なので、ゲームのアイテム課金に興味のない方にはいまいちかもしれませんが。。ライブドアさんのディレクターブログで動画が公開されるそうなので、興味のある方は合わせてご覧ください。

see also まちつく!ー僕のまちはこんな感じ

任天堂
井上 理
日本経済新聞出版社
¥ 1,785


昨年「日経ビジネス」に連載された任天堂特集をまとめた本。任天堂がなぜ今、好調なのか、そのルーツに迫り、どのように成功してきたか、これから何をしようとしているのかが描かれています。

任天堂の成功は、まさに自らの強みと弱みを徹底的に見つめ直して、努力して、天に任せた(任天堂の語源でもある)結果であって、これからの成功を保証するものではありません。しかし、本書に書かれているように、何十年にも渡って、多彩な人材が成功を生み出してきたことが任天堂の強さでもあるし、その経営哲学が一つの成功形であることを示していると思います。

個人的には、まさに今、ケータイゲームを作っていることもあって、すごく刺激的でした。宮本氏がマリオを作った時、たんに「おっさん」と呼んでいた話や、「星のカーヴィ」が発売直前でこのままではもったいないから発売中止された話など、おもしろい逸話の連続で非常におもしろかったです。そして、そういう中で任天堂が考える「ゲーム」とは何なのかが、おぼろげながら見えてきて、そうそうまさにこういうのがゲームのおもしろさなのだな、と思い、ゲーム作りの本質的なおもしろさにも触れた気がしました。

P.S.2年前の記事ですが、糸井重里氏のほぼ日の岩田さんとの対談(?)記事。これもすごくおもしろいです。

<抜粋>
・岩田は語る。 「私は、ゲーム作りそのものに、奥深さ、凄みみたいなものを感じるんです。ある一つのゲームを組み立てるということは、操作と遊びの構造を一体化させながら、何かのテーマ、コンセプトを貫いて延々と試行錯誤を繰り返すということ。膨大な可能性を追求して、究めるように収束させていく。そんな風に作られるものって、他にあまりないんじゃないかと感じるんです。」
・結果を伴ったというのは、幸運に恵まれた部分でもありますよね。だって、正しいことをしても常に結果がついてくるとは限らないわけで。人が何をもって面白いというかということもそうですが、とりわけ商品が何をもってヒットするかということに関しては、自分たちの力の及ばない部分がものすごく大きいんですよ。


漫画家でイラストレーターの西原理恵子による「カネ」にまつわるエッセー。

カネのない無惨な子供時代の話から始まり、その嫌な環境から抜け出すために、著者がどのように考え、どのように抜け出してきたのかが語られています。しかし、そこからギャンブル(麻雀)にハマって抜け出したこと、アジアの貧しい子供たちを見て考えたこと、家族が同じループにはまって苦しみながら再生したことなどが語られています。

子供や学生に向けて語りかけるようなエッセーになっていて、非常に平易な文章になっているのですが、書かれていることはものすごく奥が深くて、胸をうつ素晴らしい作品になっています。誰が読んでも、非常におもしろいと思いますが、すごく心から若い人に読んで欲しいなと思いました。

自分にとって、「カネ」とは一体なんなのだろうか。

僕はカネに困った、という記憶はあまりなく、そういう意味で非常に恵まれていたと思います。その多くは両親によっていて、それについていつでも感謝しています。一方で、自分よりカネを持っている人はたくさん知っていて、カネによってもっと豊かな生活も無駄な生活もできることも知っています。

そういった人は自らの能力でカネを得た人もいるし、運や家柄がよくてカネを得た人もいます。でも、人のことはあまり気にする必要はないと思っています。著者も言っていますが、自らを社会に問うていくことで、何が好きで何が向いているかを知ることができるし、そうすれば自然にカネを稼ぐことはできるようになります。

そして、その過程、つまり人生そのものを楽しむことができればよくて、人と比べることには意味はありません。運がよくてカネ得たからといって、それで自らを過信してしまえば、たとえそれを墓場まで持っていくことができたとしても、本当の意味で人生を楽しんだと言えないのではないと思います。

だから、成功も失敗もすべてを飲み込んで、幸せを噛み締めることができていることこそが重要であり、カネはそれにはあまり影響しない、と考えています。

もちろん、これをある程度カネを稼ぐことができている甘ちゃんの言葉だと思う人もいると思います。確かに僕は、現代日本という世界的にも恵まれた地域で育ち、好きなことを仕事にできているし、だからこそ言える言葉であるのも理解しています。

だから、僕は仕事を通じて、周りの人や世界を豊かにすることに少しでも貢献したいと思っているし、そのために仕事をしていると思っています。そして、そういうことを誰もがそれぞれの分野でやることによって、世界の富が増え、世界から貧困のループをなくすことができるのではないかと考えています。一人一人ができることは少ない。特に僕ができることなんて本当にちっぽけです。でも、自分の仕事をすることで、少しでも貢献できているのではないかと信じています。

<抜粋>
・最下位の人間に、勝ち目なんてないと思う? そんなの最初から負け組だって。 だとしたら、それはトップの人間に勝とうと思っているからだよ。目先の順位に目がくらんで、戦う相手をまちがえちゃあ、いけない。(中略)結局、わたしが予備校時代のまる一年をかけて学んだのは、自分の絵がどうダメなのか、うまい人と、どこがどうちがうのかということを、冷静に判断できる力をつけたことだった。
・「どうしたら夢がかなうか?」って考えると、ぜんぶを諦めてしまいそうになるけど、そうじゃなくって「どうしたらそれで稼げるか?」って考えてみてごらん。
・働くっていったい、どういうことだと思う? 子どもから見たら、大人の世界はすごくたいへんそうに見えて、何だか「感じが悪い」って思っているかもしれない。(中略)大人って、自分が働いて得た「カネ」で、ひとつひとつ「自由」を買っているんだと思う。 単純な話、働いてお金が稼げるようになれば、できることや行動範囲だって広がっていくからね。「大人になる」って、だから楽しいことなんだよ。
・わたしの場合も、人から「あれ描いて」「これ描いて」って注文されて、断らずにやっているうちに「このあいだのアレ、おもしろかったよ」「こういうのをまたやりましょう」って、ウケるほうに、食べていけるほうに、仕事が寄っていった。そうなると、ひとつの仕事が次の仕事を呼んで、仕事の道ができていく。 だから、わたしは思うのよ。 「才能」って、人から教えられるもんだって。
・今、自分のいる場所が気に入らなくって、つらい思いをしてる子だって、その「嫌だ」って気持ちが、いつか必ず、きっと、自分の力になる。 マイナスを味方につけなさい。今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対に抜け出すんだって、心に決めるの。 そうして運よく抜け出すことができたんなら、あの嫌な、つらい場所にだけは絶対に戻らないって、そう決めなさい。
・ギャンブルっていうのは、授業料を払って、大人が負け方を学ぶものじゃないかな。その授業料を「高い」って思うんなら、やらないほうがいい。まして本気で儲けようだなんて思うほうが、まちがい。(中略)人生だってそう。勝つことより、負けることのほうがずっと多いし、負けてあたりまえ。わたしにとってのギャンブルは、そういうときの「しのぎ方」を、型破りの大人たちから学んだところだった。
・「カネについて口にするのははしたない」という教えも、ある意味、「金銭教育」だと思う。でも、子どもが小さいときからそういった「教え」を刷り込むことで、得をする誰かがいるんだろうか。 いる、とわたしは思う。 従業員が、従順で、欲の張らない人たちばっかりだと、会社の経営者は喜ぶよね。(中略)そういう人間が育つように戦後の学校教育ってあったって思うし、そういう人間を使うことで日本の経済成長もあったと思うけど、もう、単純な経済成長なんか見込めないような今の時代に、そんな金銭教育のままでいいのだろうか。
・「自分は何をしたいか」を考えるのも、もちろん大切なこと。でもその前に、キミたちに聞いてみたい。 働けることのしあわせ、働く場所があることのありがたさについて、考えてみたことがありますか?
・人が生きていくということは、もしかすると遠い遠い家路なのかもしれない。 働くことも、お金も、みんな、家族のしあわせのためにある。 わたしは、いま、そう思っている。 働いていてよかった。自分の仕事があってよかった。そのおかげで、病気だった彼をちゃんと看取ることができた。子どもたちにも、お父さんのいい記憶だけが残った。 お金には、そうやって家族を、嵐から守ってあげる力もあるんだよ。

テンペスト  上 若夏の巻
池上 永一
角川グループパブリッシング
¥ 1,680


テンペスト 下 花風の巻
池上 永一
角川グループパブリッシング
¥ 1,680


開国直前の琉球王朝末期を舞台にした壮大な物語。沖縄には縁がなくて一昨年に初めて行って(昨年2回目)、その奥深さに関心を持ち始めていたところだったので、民俗の描写が非常に興味深かったです。清と薩摩の間、さらに黒船到来、新政府の日本で揺れ動く王朝、科挙のような試験と王府の仕組み、最高神官の聞得大君加那志(きこえおおきみがなし)や王妃、側室が対決する男子禁制の御内原(うーちばら)などなど。

もちろん小説ですから、すべてが真実ではないわけですが、沖縄がこれだけ豊かな文化を持った一つの王国であったということを知ることができてよかったです。沖縄に行ってももっと楽しむことができそうです。

さて、内容についてですが、基本的にはおもしろいのですが、主人公がいじめられて危機に陥りなんとか切り抜けることの繰り返しの展開に、正直だんだん飽きてきてしまうのは否めません。浦沢直樹「Happy!」や韓流ドラマのような展開と言えば分かりやすいかもしれません。個人的には苦手なタイプなので、もう少しカタルシスのある気持ちのいいストーリーだったらよかったのになと思いました。

とはいえそれは好みの問題で、琉球を知るにも非常によい作品だと思いますので、ぜひたくさんの方に読んで欲しいなと思います。

琉球王国 - Wikipedia

友達とバーベキューやりながら、夏やってみたいことを話していて極限状態でアイロンをかけるスポーツ(?)があるというのを聞いて、みんな大爆笑してたわけですが、家帰って調べてみたら「エクストリームアイロニングジャパン」なる組織まであるらしい。

EIJについて | エクストリームアイロニングジャパン EIJ

エクストリームアイロニングとは、山や海、川などの厳しい自然環境下において、アイロン台を出し、涼しい顔で平然と服にアイロンを掛けるという、なんともスタイリッシュ(?)な極限的スポーツです。極限でのアイロン掛けを行う場所としては、そこに到達するだけでも厳しい岩肌、海中、山頂、空中(スカイダイビング中など)、激流でのカヌー上、波乗りの最中、スキーの最中など、とにかく「極限下で」という事が絶対条件となります。

なにそれ、超おもしろい。

動画でみるとなかなかイカしてますね。

世界大会まで行なわれてるらしいですよ。
あー、今日も一つ賢くなったわ。やるかどうかは別だけどw

P.S.バーベキュー会場の近くに噂のお台場ガンダムがいました。むちゃくちゃかっこよかったです。そして、みんなものすごい勢いで写真撮ってました。

ガンダム2
ガンダム2 posted by (C)Shintaro

ガンダム4
ガンダム4 posted by (C)Shintaro

FacebookのFacebook | UsernameからURLのUsernameが取得できるようになりました。僕は、

http://www.facebook.com/suadd

を取りました(お知り合いの方はぜひ友達申請を)。早い者勝ちなのでお早めに!

ちなみにTwitterも同じく

http://twitter.com/suadd

です。

ユニクロのキャンペーンサイトがかっこいい。

正直言って、1年くらい前まではユニクロのブランド向上をするよりも、GAPにおけるBanana Republicみたいな上位ラインを作る方がいいのではないか、と思っていたのですが、これだけしつこくやりつづけると、なんとなくユニクロのイメージが変わってきている空気感を感じます。後、もう少しやり続ければ、、、

最近まで、こういうかっこいいキャンペーンサイトってどんな意味があるんだろうって思っていました。すごいなぁ、柳井さん。

最近は感動することが多くてつくづく幸せだと思います。

人はどういうときに感動するのでしょうか。普段、人は今の状況、感覚がすべてだと考えていて、まったく違う考え方や人生があることを忘れがちです。だから小さいことにこだわってしまったり、自分の幸せというものを実感する機会が少なくなってしまいます。感動とは、違うパラダイムに知ることにより、自らを相対化するときに起こるのかもしれません。

<最近、感動したこと/話(の一部)>
手塚治虫展
両国の江戸東京博物館にて。現代漫画やアニメというジャンルを創造し、あらゆるジャンルの作品の原型が含まれていることに震撼せざるを得ません。本当にすごい。6月21日までやっているので、ぜひ足を運んでみてください。ちなみに、本展の江戸博物館も一見の価値ありです。
無題のドキュメント 「娘さん下さい!」って言いに行くww
2ちゃんねるに投稿された告白話。社会的地位だったり人類の進歩への貢献といった壮大なことよりも、身近なことで人ってすごく幸せを感じたりできるし、実はそれこそが重要なのではないかと思います。
Nick Vujicic - - 希望、勇気と感動の人生 (日本語字幕)ーYouTube
10分程度のYouTube動画。人が絶望をどのように受け入れ、克服し、人生を謳歌するに至るのか、どれだけ自分が恵まれていて、なのに小さいことにこだわっているのかを実感できる感動ムービーです。

第三回マネタイズHacks 参加者募集のお知らせ テーマは「ユーザー課金」 - livedoor ディレクター Blog(ブログ)

第一回は7社で集まってマネタイズの方法を披露し合い、第二回は20社程度を集めてグループワーク&発表という形式でした。第三回となる今回は「ユーザー課金」をテーマに、CGM系のwebサイト運営をされている方々にお越しいただいて15分ずつお話しいただく予定です。

第三回マネタイズHacksで発表することになりました。よろしければぜひご応募&ご来場ください。締切6月8日(月) 17:00まで。結構倍率高いらしいですが。。

ちなみに、僕のパートは以下のような感じになってます。変わるかも、ですが。

「月額課金の問題点とアイテム課金の導入ポイント」
フォト蔵」などを展開するウノウでは、5月に新サービスのケータイ無料ゲーム「まちつく!」を正式リリースしました。そのサービス設計/開発/運営をして行く中で分かってきた、月額課金モデルとアイテム課金についてのタイプや、よい点と悪い点、向いているサービスと向いていないサービスなどについてお話します。さらに、実践的なアイテム課金の導入ポイントなどについて深く突っ込んだ話をしていきます。

GREE(マザーズ)、渋谷で初の大型街頭プロモーションを展開。 | Findstar 広告・マーケティング

今回のプロモーションでは、渋谷駅ハチ公前のスクランブル交差点を中心として、SHIBUYA109、QFRONTなどビルの外壁や屋外看板に10面以上のビルボード広告を展開。併せて、Q'S EYE(QFRONT)など駅前大型ビジョン3箇所にて、タレントの木下優樹菜さん出演のCMを放映する。さらに「クリノッペ」の電飾広告を施した「光るバス」が渋谷近辺を走るなど、ジャックぶりを演出する。

クリノッペ
クリノッペ posted by (C)Shintaro

写真撮りました。[くりのっぺ]検索となぜかひらがなになっているのが、すごく不思議。しかもケータイでGoogleやYahoo!で「くりのっぺ」を検索すると、ブログばっかりが出てくるという罠(ちなみにPCのYahoo!だと一番上はGREEのページです)。。どうなんですか、これ。

see also くりのっぺ渋谷ジャック|カニレース

1Q84 BOOK 1
村上春樹
新潮社
¥ 1,890


1Q84 BOOK 2
村上春樹
新潮社
¥ 1,890


村上春樹新作。軽く100万部を超えそうだそうで、かなり売れているようですね。二つの物語が平行するスタイルは、僕のが著者作でもっとも傑作だと考える「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を彷彿とさせ、かなり期待して読み進めました。

しかし、内容的には今までのスタイルを踏襲しており、いつものようにときおりおっと思わせる台詞が出てきたり、語り口のうまさで引き込ませるものの、新しい要素があるわけではありません。特に今回はファンタジー色がかなり強いです。確かにおもしろいのですが、何か新しいところが欲しかったな、という印象でしょうか。

P.S.著者が「今までで最も長い小説になる」と発言していることからBOOK 3が出るのではないかという噂があるみたいですが、個人的な感覚からはない気がしますね。個人的には、かなり、きれいに、完結していると思いました。しかし、もし村上氏が新機軸を打ち出すのなら、あるいはありかもしれません。

読むんじゃなかった!? 〜人生を変えた1ページ〜 ブックフェア

エニグモさんが有隣堂さんとやってる店頭のブックフェアで声をかけていただき僕が挙げた本も紹介されているようです(店頭未確認、すいません)。よろしければ足を運んでみてください。

後、ウェブ連動なので、ウェブもどうぞ。感想を投稿すると図書カードなどももらえます。個人的に知ってる方が多くて、かなり興味深いです。買いに行かないと。。

一応、僕が挙げた本は以下です。やっぱり人生を変えたとなると高校・大学の頃になりますね。違う方向性ですが、両方とも初めて読んだときの衝撃がすごかったです。両方とも手元にないので読み返そうかな。

ニーチェ入門 (ちくま新書)
竹田 青嗣
筑摩書房
¥ 777



有隣堂エニグモ WEB連動型書店フェア
〜注目のビジネスパーソンが選ぶ"人生を変えた一冊"〜開催|株式会社エニグモ

インターネットビジネスの企画・開発・運営を手掛ける株式会社エニグモ(代表¥取締役共同最高経営責任者:須田将啓/田中禎人 本社:東京都渋谷区)は、株式会社有隣堂(以下、有隣堂)の首都圏7店舗にて、今注目のビジネスパーソンが選ぶ"人生を変えた一冊"を集めたブックフェアを開催します。同時に特設WEBサイトにて、"人生を変えた一冊"の選者からのコメントや推薦図書を紹介するほか、読者が感想を書いたり、お勧め本を紹介できるコーナーを設置し、今までになかったインタラクティブ・ブックフェアを開催します。

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