村上春樹新作。軽く100万部を超えそうだそうで、かなり売れているようですね。二つの物語が平行するスタイルは、僕のが著者作でもっとも傑作だと考える「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を彷彿とさせ、かなり期待して読み進めました。
しかし、内容的には今までのスタイルを踏襲しており、いつものようにときおりおっと思わせる台詞が出てきたり、語り口のうまさで引き込ませるものの、新しい要素があるわけではありません。特に今回はファンタジー色がかなり強いです。確かにおもしろいのですが、何か新しいところが欲しかったな、という印象でしょうか。
P.S.著者が「今までで最も長い小説になる」と発言していることからBOOK 3が出るのではないかという噂があるみたいですが、個人的な感覚からはない気がしますね。個人的には、かなり、きれいに、完結していると思いました。しかし、もし村上氏が新機軸を打ち出すのなら、あるいはありかもしれません。
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