iPodがどのように作られてきたのかをニューズウィークのジャーナリストが追った本。著者はジョブスやビル・ゲイツとも知己の一級のジャーナリストで、どのように世紀の大ヒット商品ができていったのか、よく分かります。最初の頃マスコミ含めてほとんど注目されていなかったのに、使ったユーザーが中心になって、徐々に熱狂の渦になっていく様が、とても気持ちよくて一気に読めます。少し著者がApple信者過ぎるのが気になりますが。。
ジョブスが20代の時に、著者に語った言葉がとても本質的だなぁと思ったので、引用しておきます。
「果物だから、リンゴ。このシンプルさこそが究極の洗練なんだ。僕らがこの社名で表現したいのは、こういうことさ。人が最初に問題にぶち当たったときには、単純な方法で簡単に解決できるように見える。それは、まだ問題の複雑さを理解していないからだ。でも解決策が単純すぎたら、それはうまくいかない。そうしていったん問題の細部に足を踏み入れると、そこではたくさんの問題が複雑に入り組んでいることがわかってくる。込み入った問題のそれぞれに、手の込んだ解決策を考え出さなきゃならなくなるわけだ。たいていの人はこの段階で止まってしまう。確かにこういう方法でもその場しのぎはできるからね。でも、本当に優秀な人材はそこに留まらずに、問題の背後にある本質を見つけ出す。そして、美しくて簡単明瞭で、しかも見事に機能する解決策を思いつくんだよ」。