2008年12月アーカイブ

続いて、映画のまとめ。今年は劇場では20本弱しか観てないのですが、あまり豊作な年ではなかったと思います。ただ「ダークナイト」はすべてを吹き飛ばす傑作。これが観れただけで幸せな一年だったと思います。

  1. ダークナイト - suadd blog
    全米で歴代興行成績2位(1位はタイタニック)なのに、日本では不発のバットマンの2作目。この映画は、本当にクオリティが高くて、アクション、ストーリー、演技、音楽のどれもが素晴らしい。長いのにまったくダレずに、緊迫しっぱなし。傑作中の傑作。DVDも出てますので、是非ご覧ください。
  2. アメリカン・ギャングスター - suadd blog
    こちらも暗めの作品ですが、マフィアものとしてクオリティ高し。実話を元にしていて、妙にリアルなのがいいです。
  3. ぼくの大切なともだち - suadd blog
    友達とは何かをテーマにしたフランスのコメディ。コメディなのに、かなり痛々しくて、面白いんだけど笑えない、笑えるんだけど心から楽しめない。そんな作品。人間関係を見つめるいい機会になるんじゃないかなと思います。

see also: 2007年の映画 - suadd blog

ダークナイト 特別版 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 3,980

うかうかしていたら大晦日ですが、まず本のまとめです。2008年も素晴らしい作品が多くて、これ以外にも捨てがたい本がかなりありました。。順位もあくまで参考までに。

  1. まぐれ--投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか - suadd blog
    金融が世間を騒がせた年でしたが、本書はそれ以前に大学教授にしてトレーダーである著者によって書かれた本。まぐれ、を実力を勘違いしたのが、今の状況を招いたのでしょう。「市場リスク 暴落は必然か」も同じように金融専門家が書いた本で非常におもしろいです。
  2. リスク - suadd blog
    古代から現在にいたるまでの「リスク」に関する出来事を描き出す名著。作者のあまりにも膨大な知識がすごいの一言です。
  3. なぜビジネス書は間違うのか - suadd blog
    「エクセレント・カンパニー」「ビジョナリー・カンパニー」などのエセ科学ぶりを暴いた意欲作。
  4. 世界を変えた6つの飲み物 - suadd blog
    そんなバカな、というタイトルですが、本当に世界を変えてた飲み物の話。飲み物から見た世界が非常に新鮮。
  5. パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ - suadd blog
    今年は宇宙論・量子論に目覚めた年でした。結構難解なものが多いのですが、この本から入ると分かりやすいのではないかなと思います。
  6. ヤバい経済学 - suadd blog
    「統計」のすごさを実感できる本。統計にはまだまだ未踏な部分が多く、これからが楽しみです。「その数学が戦略を決める」も合わせてどうぞ。
  7. 「みんなの意見」は案外正しい - suadd blog
    個人より集団の方が正確な判断を下せることを解説していて、非常に衝撃的。タイトルにだまされないで読んだ方がよいです。「第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」もおもしろかったです。
  8. 虚業成れり--「呼び屋」神彰の生涯 - suadd blog
    元祖「呼び屋」神彰(じん・あきら)のドキュメント本。高度経済成長の空気感がよいです。「野中広務 差別と権力」もおもしろかったです。

see also: 2007年の本 - suadd blog

前にもちょっと書きましたが、最近、ウノウではエンジニア採用を進めていて、すでに1名は内定し、さらに継続して進めていくつもりです。

驚いたのが、今回も自社ウェブと今回もFind Job!で募集してますが、かなり応募数が多くなっています。過去の経験からすると、結構厳しい条件にしている前提で、2週間で5,6通が通常のところ、今回は10日ほどで50通を超えています。

恐らくかなり不況突入が影響しているように思います(もちろんFind Job!さんの努力も素晴らしいと思います!)。人材が流動的になっていて、不況時には人材確保がしやすいというのを実感します。こういうチャンスを逃さないようにしたいと思っています。

それはまぁよいのですが、応募書類を見ていて思うのは、「形にすること」の重要さです。求人情報にも、

ウノウ株式会社 - 求人

ブログや個人運営されているサイト、執筆歴、オープンソース・ソフトウェアへの貢献などの経験は最重要視いたしますので、できる限り自己アピールしてください。

と書いてありますが、書いてくる人は非常に少ないです。もちろん職務経歴書である程度の能力を推し量ることはできますし、書いてない場合に無条件で漏れるわけでもありませんが、逆に言えば、上記が一つでもある方はかなりのアドバンテージがあるということになると思います。

特に、ブログなどは恥ずかしさもあってか書かないことが多いように思いますが、採用担当者からすると、ブログは非常に参考になります。

まず少なくともブログを書いているというだけで、その人個人がアウトプットする能力はあることが分かります。職務経歴書だと複数人プロジェクトだと、その人の能力がなかったとしても完了することは可能ですし、個人プロジェクトだとやっつけでも終わらせることができるかもしれませんが、両方とも職務経歴にはなります。

ウノウのような小さいベンチャーの場合、そのようなビックマウスな人が交じるのは致命的になるので、できる限りそういった事態は避けたく、たとえコードが一行もなくてもブログは(ないに比べて)かなりのアドバンテージになります。

ちょっとブログに寄りましたけれども、ブログでなくても何でもよいので何か形があるならばどんな些細なことでも重大なアドバンテージになるので、応募時に添付していた方がよいと思います。もちろんその前にアウトプットがないと出せないわけですが。

P.S.ちょうどウノウでの一次面接の模様の再現企画がTech総研さんで公開されてますので、よければご覧ください。また、まだまだ応募もお待ちしてます。

ネットの「楽しい」を創造し続けるウノウへ/Tech総研

ComScoreによると今やYouTubeが全Google検索の25%を占める

comScoreの月間Searchレポートが木曜の夜、発表された。これによると、YouTubeがもし独立のサイトだったとすると、Googleに次いで第2位の検索エンジンに相当するという。ここ数ヶ月にわたって、YouTube上で実行された検索の方がYahooでの検索より数が多い。

これは非常に驚くべきシェアだと思いますが、恐らくGoogleはここまで想定してYouTubeを買ったのでしょうね。

よくよく考えると、Googleにおいてもイメージ検索は15%程度を占めているという統計は昔からありますから、動画検索がイメージ検索と同等もしくはそれ以上になることは想定できていたのでしょう。

もちろんYouTubeが事実上のプラットフォームになったから故でもありますが、もしここまでYouTube寡占が進まなかったとしても、GoogleはYouTubeをコアにした動画横断検索サイトを作るのに苦労しなかったと思います。

Googleが2006年秋に16億5000万ドルでYouTubeを買収したときには高いという声もありましたが、今やYahoo!の検索クエリより多い訳ですから、もしYahoo!やMicrosoftがYouTubeを買っていたら歴史が変わっていたかもしれず、高いとは言えないと思います。

さらに言えば、実はYouTubeは買収後もトラフィックを伸ばし続け、今やAlexa Global Top SitesでYahoo!、Googleについで3位にまで上り詰めています。ここまでのポテンシャルを持ったウェブサービスだと当時想像していた人は少ないのではないでしょうか。

これはGoogleにとっても予想以上なのかもしれませんが、この記事を見て僕はGoogle上層部の賢明さに震撼せざるをえません。やっぱりGoogleはすごい。

P.S.↓最近、YouTube動画にマウスオーバーすると検索窓が出てくるようになったのも影響しているのでしょうか? (動画のチョイスに意図はありませんw)

著者は「Bバージン」などの売れっ子漫画家であり映画「ゼブラーマン」などにも関わっている多彩な人物。才能というのは、「どこにも属せない感覚」すなわち非属のうちにこそある、というのがこの本の趣旨です。僕もつよく非属を感じる人間なので、非常に納得感がありました。そして、今の自分は非属を大切にしているだろうかと思いながら読みました。

会社の経営者というのはある意味で常識を求められる存在でもあり、僕も日々失敗しながら、いろいろなことを勉強しながらなんとかやっているわけですが、そうして常識的な物事の考え方を身につければつけるほど、自分のエッジな部分が失われているような気がするのも事実です。その折り合いをどうつけて行くのかは、ここ数年の大きなテーマでもあり、こういった本を読むと普段忘れ去られていた感覚を刺激されます。恐らく結論はないので、いろいろなものを忘れないようにしながら、やっていくしかないのでしょうけども。

気になったのは、「バカの壁」を誤読しているところと、インターネットはダメと頭ごなしに否定しているとこでしょうか。でもまぁ人と同じ考え方をしていれば、何も得られないのも事実。

・「空気が読めない奴」と言われたことのあるあなた
・まわりから浮いているあなた
・「こんな世の中おかしい」と感じているあなた
・本当は行列なんかに並びたくないと思っているあなた
・のけ者になったことのあるあなた
おめでとうございます。

この序文は傑作だと思います。ぴんと来た方は是非読んでみてください。

<抜粋>
・斬新な発想や創造性が決定的にものを言ういまの時代において、疑問を持たず、自分でものを考えず、受験だけに努力しろと言うのは、開国から幕府滅亡までの激動の時代に、「藩で出世するために刀を振りまわせ」と言うのと同じことだろう。
・ムラの掟と場の空気を最優先し、とりあえず無難に生きた人間が歴史を変えることなどあり得ない。
・パチンコに行って、少しの時間で大儲けした人は、その後、その何十、何百倍もの時間と財産をつぎ込んでしまう。
・手塚治虫の時代はまだ漫画家の社会的地位は低く、収入面も厳しかったため、その道は王道などではなく、まして渋滞の高速道路でもなかった。ビル・ゲイツや三木谷氏は、インターネットなど誰も知らない時代から、その将来性に自分の未来を賭けたから成功したのだ。(中略)王道とは、みんなが知っている漁場なのだ。すでに定置網である可能性が高い。
・「まわりの友達はみんな"いい車"に乗ってますよ。軽トラに乗ってる人間なんて僕くらいです。だから、軽トラに関しては誰よりも詳しい自信があります。ライバルゼロですよ。まさに原野に道を通す屯田兵の気分です」
・僕の事務所では絶対に多数決をしない。なぜなら一見、公平なやり方に見えても、多数決をすれば多数派が勝つに決まっているからだ。
・メスの遺伝子ははるかに優秀で、何が人間にとっての価値かということを見抜いてしまう。(中略)(『Bバージン』について)女性が何か特別なものにのめり込んでいる男性に惹かれるものだと感づいていたからこそ、そのように描いたのだ。
・「興味ない」の生き方は、楽しみのほうも圧倒的に少なくなってしまう。(中略)いつも「何かおもしろいことないかなあ」と言ってくる僕の友人たちはたいてい新しい旅をしない。
・自分の感覚で決めるのは大いに結構なのだが、自分が常に正しいかどうかは分からないという自覚だけは必要だ。

旅する力--深夜特急ノート
沢木 耕太郎
新潮社
¥ 1,680


沢木耕太郎氏自身が深夜特急を振り返ったエッセー。割とふらふらと思い出を語っているだけで、説教臭かったり自慢めいた部分などもありますが、当時の雰囲気だけは伝わってきて、非常に旅したくなりました。でも、後からこうやってノートという形で出さなくてもよかったんじゃないかなとも思いましたが。。いずれにせよ「深夜特急」は必読本です。

グリー初値は5000円、時価総額でミクシィを抜く - VENTURE VIEW

その後株価は4800円で17日の取引を終えた。この日の最安値は4650円、最高値は5270円だった。1日の出来高は444万8600株。終値での時価総額は1070億5000万円となっている。

ついにグリー上場。2番目のユーザーとしてはうれしい限り。というか、何百万人もの人が使っているのが信じられない。僕ももっとがんばんないとなと思いました。ネット株価情報でも、DeNAについで7位。ミクシィ超えしてます。よっしーさん、本当におめでとうございました! これからも期待してます。

GREE

アフリカ 苦悩する大陸
ロバート ゲスト
東洋経済新報社
¥ 2,310


エコノミストの元アフリカ担当編集長が描くアフリカの問題点と解決への道筋。今までの貧困解決本よりも実地での体験がベースになっているので非常に具体的で興味深かったです。正直、あまりにも貧しくあまりにも危険なところを聞くと、かなり暗い気持ちになりますが、意外に立ち直れば早いのかもしれないなとも思いました。実際、人種差別撤廃や民主主義導入については一部の国ではうまくいきつつあるようですし。本書でも書かれていましたが、例えば電話もいきなり光ファイバーや携帯電話などコストの安いものを導入して間をすっ飛ばすことができるという利点もあります。

若干、資本主義に任せて海外資本をばんばん導入すべきだという主張で、そういった企業が不正をしてもインターネット時代の今はすぐに告発されるから大丈夫、というようなことを書いていてあって、そこだけはどうかなとも思いましたが、それ以外については非常に納得の話ばかりでした。特にフェアトレードについては、アフリカでは売春自体が1ドルからという衝撃的な現実に目を向けるべきだと思いました。

アフリカの現実を知りたい方におすすめです。「最底辺の10億人」および「貧困の終焉--2025年までに世界を変える」などと合わせて読むとよいかもしれません。

<抜粋>
・欧米では、一般的に家を担保にして金を借りる。アメリカでも多くの起業家が使う手だ。(中略)しかしアフリカの大部分の人々はこの手を使えない。家を持っていても、たいてい権利証書がないから証明できない。証明できなければ家を担保に銀行から金を借りることもできない。だから資本をーー資本主義の源泉たる資本をーー手にできない。
・所有権が確立されているとさまざまな利点があるが、欧米では当たり前すぎて、誰もほとんど意識していない。
・(南アフリカの「鉱山および労働に関する修正法」について)これは給与が高い職位から黒人を排除するための法律だが、「企業が黒人を雇わないようにしてくれ」という白人系労組の訴えに応えて制定されたのだった。企業家たちは(人種差別主義者も含めて)、会社の利益が損なわれるという理由で、こうした「人種別職種制限」には反対した。
・ザンビアでは、各民族の政治的有力者と支持者らが「保護者=庇護者」の関係にあり、これが有権者の投票行動を決める「根本的」な要素になっている(中略)「人々は政治家を指示する見返りに、具体的な支援を期待する。この一点においてのみ、政治は彼らにとって意味を持つ(中略)ザンビアのある大臣はこう述べたというーー『私が地元の連中を採用してやらなければ、ほかに誰がしてくれるというのですか?』」
・貧困国との貿易に異を唱える人はよくこう主張するー貧困国は労賃を安く抑え込んでいるから競争として不公正だ、と。心情的には説得力がある。(中略)だがアフリカの貧困層はひとつもありがたくない。多くのアフリカ人にとって、低賃金の長時間労働に替わる選択肢は、無賃金の長期間失業しかない。アフリカ人から貿易の機会を奪うことで、先進国は彼らをいっそう貧しくしているのである。
・一般的には、豊かな国が猛烈なペースで技術革新を進めていくにつれ、貧しい国はおいてきぼりを食うと思われている。しかしそれは違う。(中略)現在、欧米人の平均寿命は78歳で、一世紀前より約70%伸びた。一方、開発途上国の寿命の延びはさらに大きいーー今や平均寿命は64歳だから、1900年の2.5倍にもなる。

忘年会議、毎年行けなかったので、実は初参加してきましたー。

  • 水野敬也さんの話がおもしろかった
    170万部突破の「夢をかなえるゾウ」の著者登場。「通常の自己啓発書は教祖に対してつっこみがないから気持ち悪い」とか「捨てるのが好き」「ダメだしされると眠くなる」「「やっべ思いついちゃいました」から始めろ」などなど。ちょっとオーラが出ていて、実績って人を変えるんだなと思いました。
  • 橋本大也さんの小話がおもしろかった
    田口さんのPC(?)が動かなくなった時の大也さんが無理矢理ひねり出してたつなぎの小話がおもしろかった。
  • Lang-8、やっぱりすごいかも
    前に見て結構おもしろいなと思っていたのですが、きちんとワークし始めているらしく、更新した日記は早ければ2分、遅くとも24時間以内にほぼ添削されるらしい。ターゲットは狭いのでビッグビジネスになるか分かりませんが、おもしろいなと思いました。

そして、何よりいろいろなところで活躍している方々にお会いできてよかったです。途中、全体会議も不況の前振りでしたし、懇親会でもそんな話もちらほら。でも、忘年会議に参加しているような方々がいれば、インターネット業界も未来は明るい! と思いましたよ。


そしてそして、ついで告知なのですが。

こんな時こそチャンスとばかりに、ウノウはどんどん仕込みたいと思っています。今、ウノウでは手が足りておらず、超積極的にエンジニアを求人してますので、ぜひご応募を! 下記から詳細ご覧ください。

PHPプログラマー 求人/ウノウ株式会社 | 求人情報 Find Job !
ウノウ株式会社 - 求人

新イーモバイル D21HW
新イーモバイル D21HW posted by (C)Shintaro

イーモバイルの上がり速度が速くなったというD21HWに機種変更。いろいろ考えたのですが、iPhoneのNetShareだけに頼るのは厳しそうだし、仕事でも使うので、機種変更することにしました。新規だと12,900円ですが、機種変更の場合は(ビックカメラで)5,000円引きの7,900円でした。

早速使ってみてますが、正直、あまり体感速度は変わらない感じ。。ただ、前のケーブルタイプのD01HWに比べると持ち運びが楽だし、装着した状態もMacBook Airのカラーが微妙に合ってて悪くないし、かなり満足度高いです。

※DVプログラムへの参加を希望の方は若干古い情報ですが、こちらに書いてますのでご参考にどうぞ。

先日アメリカ大使館に行って、アメリカ永住権=通称グリーンカードを放棄してきました。理由を一言で言えば、しばらくは日本にいて仕事に集中したいので、しばらくアメリカに「住む」ことはないと考えたからです。

グリーンカードを持っていてもアメリカに年間の半分以上を住んでいないと基本的に維持できません。現実には、アメリカ入国の際に問題になり、僕も過去2回の入国時には別室送りでかなりきつくしぼられました。「アメリカに住む気があるのか?」「なぜ日本に住んでいるのか?」「今度来るときにこの状態だと剥奪して、強制送還する」などなど。恐らく次回は普通には入国できない状態でした。

帰国後すぐは再入国許可証というのを取得していて2年間は自由に入国できましたが、すでに期限切れしていましたし、再申請はアメリカ国内でしかできないので、不可能でした。もう一つの手は、次回の入国時に帰国永住者として「これから移民するから入国させて」と嘆願するものですが、これもイミグレーション・ジャッジ(移民局判断)になってしまうので確度は高くありません。何よりもその時まで一回もアメリカに入国できなくなってしまうのが痛いところです。

もう一つ問題なのは、税金の問題で、グリーンカードホルダーはアメリカ国税庁(IRS)から絶対に逃れられないことです。日本などほとんどの国は属地的な収入に対しての税金なのに対して、IRSでは属人的な収入が対象になります。これはアメリカ人やグリーンカードホルダーは世界中のどこに行っても、IRSが追いかけてきて税金を徴収するということを意味します。当然ながら僕も毎年IRSに申告をしています。もちろん1,000万円くらいまでは、日米の租税回避条約が有効なので、それ以上税金はかかりませんが、それ以上の収入があった場合は、一般的にアメリカの方が税金が高いため、差額を納めるなど、かなり複雑なことになってきます。

さらに、最近できた法律により離脱時(グリーンカード破棄した時)にある程度の財産があるとみなし売却益として、それらにいきなり税金がかけられるようになりました。さらに、IRSに10年間は申告をしつづけなければなりません。これらはアメリカ人向けに脱税目的で米国籍を放棄するものが後を絶たないためにできた法律らしいです。僕はまだグリーンカード歴が短いので対象になっていませんが、しばらくすればこの対象になってしまいます。

帰国時の目論見としては、日本で株式会社を作って、ウェブサービスを作って、またアメリカに持ってくるということを考えていたのですが、今のところそういう展開まで行けておらず、それは僕の力不足であると思っています。今は、もっと時間をかけてじっくりとやっていきたいと思っています。

以上のようなことを考えて、またいつかアメリカで仕事をしたいと思っていますが、少なくともここ数年はその可能性は低いことを考えて、いったん放棄した上で、その時にまたビザを申請しようと考えました。

しかし、アメリカ大使館ではアメリカへのビザを求めるたくさんの人々が列をなしていましたし、アメリカに住んでいる友人でもグリーンカードを欲している人がたくさんいる中で、非常に心苦しい部分があります。ビザの関係で日本に戻って来ざるをえなかった人も何人も知っています。

せっかくの無限のチャンスを持つカードを自ら放棄してしまうことに対して、昨年辺りからずっと考えてきてました。しかし、今の時点で仕事を放り出してアメリカに行くことはできないと思っていますし、もっと目の前のことに集中しようと考えて、大使館に行ってきました。

大使館の人にも「本当にいいのか?」と念押しされましたが、「はい」と答えるとあっさりと終了。わずか15分ほどで、From I-407のコピーをもらって大使館を後にしました。また戻ってくる日を信じて。

現在のアメリカは超・格差社会ぶりを、統計結果やモデルケースを使いながら分かりやすく解説するとともに、なぜそのようになったのかをアメリカの建国以前までさかのぼって明らかにした本。

僕もそんなに詳しくないですが、個人的に専門書などを読んで知っているかなり仔細な出来事まで、的確にさらりと触れられていたりして、著者がかなり広範囲の知識を備えていることが分かります。

よく知らなかったアメリカの成り立ちを独立戦争から現在まで各時代ごとに知ることができて、非常に興味深かったです。また、アメリカの問題点を前提とした上で日本はどうすべきかにまで切り込んでいますが、これがまた非常に示唆に富んでいます。

というわけで、アメリカを知りたい方には非常におすすめです。

<抜粋>
・独立戦争の最大の勝者は誰か。それは、イギリスの商船を略奪する免許を得、7年間に渡って3000隻以上、当時の価格で1800万ドル相当という膨大な商船と積荷を略奪した船主たちだった。因みに当時のアメリカのGDPは2億5000万ドル前後と推計されているから、略奪額はGDPの7%に相当する。
・イギリスが1838年にカリブ海諸島で奴隷制度を廃止した時には、イギリスは所有者に2000万ポンドの損害補償金を支払った。しかし当時のアメリカ北部は、400万人の奴隷財産を放棄させるにあたって補償金を支払う気はなく、結局戦争という強硬手段で廃止するに至った。そして戦争に勝ったことで、北部は補償金を支払わずに済んだばかりか、農業地帯からさらに資金を吸い上げ、工業品の輸入には関税をかけて、工業化に邁進することになる。
・生き残った原住民は、ヨーロッパの進んだ軍事力で絶滅に近い水準にまで滅ぼされるか不毛地帯に追い込まれたため、アメリカへの移住農民は土地を無償で手に入れて、地主となって開墾することができた(リンカーン時代以降は、開拓農民は連邦政府の土地を、一世帯0.65平方キロから2.6平方キロの単位で、無償で賦与された。ただしこれによって賦与された土地の総面積は8000万エーカー強で、鉄道に賦与された2億エーカーの半分以下だった)。だから分け与える土地(資産)があった間は、税による所得の再配分をしなくても配分する原資があったわけで、そのため労働争議は起きず、エリート層の資本蓄積も早かった。
・アメリカ人は(中略)よほど親しい人に対してでない限り、問題を抱えていたり、心配したり悩んでいたりすることや、愚痴は口にしない。それを口にするのは、自分の弱さや無能さを認めるに過ぎないからである。(中略)だから、お互いに率直で親身な話し合いにはなりにくい。お互いにうまくいっていることだけを楽しそうに話し続けるのだから、逆にそこから生じるストレスの強さは、想像に難くない。
・アメリカ国内では貧富の差が拡大しても、特権層は物理的に隔離された世界に暮らしているから、貧困層の問題は身に迫る深刻な問題とは感じない。貧富の格差が拡大すれば、どこの国でも同じような隔離現象が次の解決策になるだろう。
・日本で生じている労働報酬の格差問題は、その大きな枠組みの中で生じている現象だから、給与格差の問題を扱うには、資本分布の問題と労働スキルの問題を、別個にかつ両方とも考える必要がある。日本における労働報酬の格差問題は、アメリカにおける資本分布の格差問題に比べたら、まだ対策を立てやすいように思える。
・(※日本の)ニートやフリーターの問題は、経験を積むにしたがって報酬が増える見込みがない、つまりキャリア・パスが見えないことが問題視されている。しかし学校を卒業した人全員が、自動的にキャリア・パスを保証される(べき)という前提は、非現実的と言わざるを得ない。


いかに現在が英語の世紀に突入しており、日本人はどうやって日本語を「護って」いけばよいかを論じたエッセー。非常におもしろい論考だと思いましたが、自身の主観的な体験により自分に酔いながら筆を進めている部分が散見され、ところどころに登場する偏見(学力不足のクラスをアフリカの田舎の子供を集めたのと同様としたり、アイルランドの自国語保護政策を贅沢としてみたり)がかなり気になりました。

また、優れた文学として過去の作品のみが取り上げ現代作品については「文学の終わり」を憂える声があるとしていたり、英語のみが普遍語として流通するということを前提にしているのが個人的にはあまりピンと来ない感じです。例えば、前者で言えば、村上春樹のように海外でも高い評価を得ている作家や後者で言えば中国語やスペイン語はどうなのだろうかと思いますが、それらの疑問には答えられていません。

とはいえ、国民国家の成立と国語の成立が密接にかかわり合っていること、中世におけるラテン語の使われ方、日本における漢字文化とひらがなの成立、明治維新後の国語の成立と翻訳の意味などの指摘には非常に新鮮な部分があり、読んでおいて損はない作品だとは思います。

「ミクシィ年賀状」は20代男女で高い支持【楽天リサーチ調べ】:MarkeZine(マーケジン)

郵便系サービスが上位を占めるなか「携帯のデコレーションメール」もに20〜40代の女性の支持を集めている。また、SNSを活用した年賀サービス「ミクシィ年賀状」をあげた人は全体では6.8%にとどまっているが、20代男性で17.0%、20代女性で14.0%と全体より7〜10ポイント高くなっている。

mixi年賀状、どのくらい使われるんでしょうね。年賀状はどうやら毎年40億枚も出されているらしい。一方、mixiのユーザーは1,500万人以上。ユーザーの1%が10枚づつくらい出すと150万枚。3%の10枚だと450万枚。0.5%の5枚だと75万枚。ずばり100万枚くらいかなと予想。売上的には1億円、収支トントンといったところでしょうか。

大はずれしそうな感じもしますが、あえて数字を残しておくということが重要とばかりに。。

つい先日引越しをしたのですが、少し前に

賃貸物件を探すのに不動産屋さんは使えない - Money does not hurt your heart
賃貸探しで不動産屋さんを攻めるたった一つのポイント - concretism

など、賃貸住宅探しについてネットを活用すべしという話があったようですが、実際のところは足で稼いだ方がよいと思います。その理由は以下です。

  • よい物件はネット上にはない
    よい物件はすぐに埋まってしまうためネット上にあがってくる物件はいまいちな物件が多いのは周知の事実。したがって、地場の不動産屋を何件か回って、その不動産屋もしくはごく少数の不動産屋にのみ流通している物件情報を取得した方がよいです。

    とはいえ、実際1件回るのに1、2時間ですから1日で5件くらいは回ることができます。ネット上で検索しても掘出し物に当たる可能性は非常に低いので、さっさと不動産屋を回った方がよいと思います。

    ただし、自分の好みの物件が一般の認識とは違う場合(例えば、ベランダが広い方がよい、とか、ウォークインクローゼットが必須とか)はネットで探すのもよいかもしれません。

  • 相場観は現場でつけられる
    ネットで相場観をつかむのがよいという話がありますが、正直どこもそんなにひどい値付けはしていないし、不動産屋でざーっと情報を見たり、何件か内見したりすれば高いかどうかは分かるので何ヶ月も前から新着物件メールを受ける必要はないと思います。
  • 本当に知識があれば不動産屋も一目を置くの?
    知識によって、いい物件が出やすくなるかどうか分かりませんが、何件か回れば必然的に詳しくなるので、これはいまいちだった、などと言っているといい物件が出てくるのかもしれません。

しかし、それ以上に重要なのは物件を知っているベテランかどうかだと思います。そういう人に根掘り葉掘り聞くのがよいと思います。新人はかなり厳しい。熱意はあっても物件を知らなければ、意味がないので。できるだけ店長もしくは主人を狙って行きたいところですが、これがなかなか難しかったり。。新人に当たってしまったら30分で不動産屋を出るのが吉です。

以上ですが、僕が今回の引越しで使ったテクニックをついでに。

  • 諸条件をまとめておく
    エリアや部屋の条件などで譲れないもの、できればあるといいものなどを分けてリストアップしておきます。それを不動産屋に見せれば、毎回希望条件を書く手間を省けます。
  • 家賃発生日を交渉する
    家賃や敷金礼金自体は交渉できなくても家賃発生日などは交渉できることが多いので、ごりごりと交渉しましょう。せめて今の部屋とのかぶりが1週間程度になるようにするのは特に問題ありません。僕は実際、1ヶ月以上引き延ばしました。
  • 仲介手数料半額を狙う
    最近の不動産屋では仲介手数料が半月分でよいという素晴らしいところがあります。大手だと、フォレント、ミニミニなど。中小でも何社もあります。はっきり言って受けられるサービスは基本的に同じです。またそうでない不動産屋の場合、ちょっと礼金が高いなぁなどと言うと、半額分くらいまで自腹で割り引いてくれそうなところがありました。

というわけで、回ったのは事実上2,3日ですが、なかなかよい物件が見つかって満足してます。ご参考にどうぞ。

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