最底辺の10億人

最底辺の10億人の人々はどのような状況で、どのような罠に陥っており、それを救うにはどうしたらよいかを論じた本。具体的にどうアクションすればよいかまで指摘しています。貧困撲滅といえば、ジェフリー・サックス「貧困の終焉」がありますが、著者もその想いには同意するものの、援助を重要視しすぎており、「援助」だけではなく「軍事介入」「法と憲章」「貿易政策」の4つをバランスよく行っていく必要があると言います。

確かに前半の天然資源や紛争、ガバナンス、内陸国の現状などを読むと、援助だけでは非常に難しいのだろうと納得ができます。しかし、著者の言う国の状態にあわせて、適切なタイミングで、適切な組織(ここでは世界銀行やOECDやG8など)が、適切な手段を講じるというのは非常に難しそうだなとも思います。

個人的には、「貧困の終焉」は確かに熱くて方法論的には足りない部分もあるのかもしれませんが、世界世論を動かすには、単一のメッセージで熱く問いかけ、まず先進国民を動かすのは重要なのではないかなと思いました。それからでないと、利害対立する国やNGOの意思統一が難しいのではないでしょうか。

いずれにしても、著者自身ができる限り平易に書いたというだけあって、非常に読みやすい本なので、「貧困の終焉」と共にぜひたくさんの人に読んで欲しい良書です。

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