大学教授にしてトレーダーである著者が金融業界の中心で何が起きているかを明らかにした本。シニカルなタッチですが、生々しいストーリーがたくさん出て来て非常におもしろいです。
多くのトレーダーがなぜ吹き飛ぶのかと言えば、例えば1/2のリスクがあるにしても、3年勝ち続けるもののは4000人いれば500人もおり、現役トレーダーは生き残りでしかカウントできないから、ほとんどのトレーダーが好成績を残し高年収でこの世を謳歌している。本人は運が良くて高年収をもらっているとは露とも思っていない。しかし、x年目に運が悪ければ、吹き飛ぶという。
また、モラルハザードの問題も。例としてジョンという人物は7年間で2億5000万ドルの収益をもたらしたが、最後に働いた会社では6億ドルを吹き飛ばしたという。しかし、ジョンの手元には100万ドルが残った(元々は1600万ドルあったのだが)。トレーダーにしてみれば、めったに起こらないことのリスクをとってゲームに残れるオッズを最大化する明確な理由があるからだという。
しかし、それではなぜ金融機関はやっていけるのでしょうか。著者は、自分はオプションを買って儲けているが、なぜそれが儲かるかという原因については「トレーディングにつきまとう直感に反する部分(そして、私たちの情緒はそういう部分に適応できないこと)のおかげで、私は有利な立場に立てる」と書いています。しかし、そういった「歪み」は何はともあれ裁定されるのが金融というものではないのでしょうか。
実際のところどの金融機関が生き残るのかすら「まぐれ」でしかないのかもしれません。ソロモンやLTCM、UBS(名前は残っているが)なんかもなくなってしまし、リーマン・ブラザーズもなくなるかもしれないわけで。


運も実力だから勘違いするん(勘違いじゃないけど)じゃないでしょうかーw