任天堂 "驚き"を生む方程式

任天堂
井上 理
日本経済新聞出版社
¥ 1,785


昨年「日経ビジネス」に連載された任天堂特集をまとめた本。任天堂がなぜ今、好調なのか、そのルーツに迫り、どのように成功してきたか、これから何をしようとしているのかが描かれています。

任天堂の成功は、まさに自らの強みと弱みを徹底的に見つめ直して、努力して、天に任せた(任天堂の語源でもある)結果であって、これからの成功を保証するものではありません。しかし、本書に書かれているように、何十年にも渡って、多彩な人材が成功を生み出してきたことが任天堂の強さでもあるし、その経営哲学が一つの成功形であることを示していると思います。

個人的には、まさに今、ケータイゲームを作っていることもあって、すごく刺激的でした。宮本氏がマリオを作った時、たんに「おっさん」と呼んでいた話や、「星のカーヴィ」が発売直前でこのままではもったいないから発売中止された話など、おもしろい逸話の連続で非常におもしろかったです。そして、そういう中で任天堂が考える「ゲーム」とは何なのかが、おぼろげながら見えてきて、そうそうまさにこういうのがゲームのおもしろさなのだな、と思い、ゲーム作りの本質的なおもしろさにも触れた気がしました。

P.S.2年前の記事ですが、糸井重里氏のほぼ日の岩田さんとの対談(?)記事。これもすごくおもしろいです。

<抜粋>
・岩田は語る。 「私は、ゲーム作りそのものに、奥深さ、凄みみたいなものを感じるんです。ある一つのゲームを組み立てるということは、操作と遊びの構造を一体化させながら、何かのテーマ、コンセプトを貫いて延々と試行錯誤を繰り返すということ。膨大な可能性を追求して、究めるように収束させていく。そんな風に作られるものって、他にあまりないんじゃないかと感じるんです。」
・結果を伴ったというのは、幸運に恵まれた部分でもありますよね。だって、正しいことをしても常に結果がついてくるとは限らないわけで。人が何をもって面白いというかということもそうですが、とりわけ商品が何をもってヒットするかということに関しては、自分たちの力の及ばない部分がものすごく大きいんですよ。

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