YouTubeと動画広告の将来は明るい?

CNET Japan Blog - 渡辺聡・情報化社会の航海図:GoogleのYouTube買収と日本のテレビ業界

しかし、問題は売上の方になる。
Googleの広告ビジネスはテキストキーワードが中心となっている。一部動画のトライアルが進んでいるがボリュームとしてはさほど多くない。よって、テキスト広告収益の利益構造のままインフラ負担の高い動画の世界に入ってくるとコストのみかかるようになるためマージンは薄くなる。販売単価を伸ばせないのなら(あるいはテキストと同等レベルまで劇的に配信コストを落とせない限りは)、利益が少なくなっておしまいである。
この点、当然何も考えてない訳はないだろうがどういう見通しで動いているのか。ワーナー、ユニバーサル、ソニーと大手のメディア企業との提携発表がどのあたりで繋がるのかあるいは繋がらないのか。

これに関して言えば、僕はかなり楽観的に考えています。というのも現状でもっとも広告シェアがあるのはテレビであり広告費全体の35%程度(日本でも世界でも)を占めています。これらはほとんどすべて動画広告ですが、これは「動画広告が静止画やテキストの広告よりも効果が高いことが多い」ことを示しています。よく考えれば当たり前で、動いてる方が商品をより効果的にPRすることができますよね。

※もちろん日本では放送免許独占によるリーチの大きさも影響していますが、テレビ広告の人気ぶりはアメリカのようなテレビ競争社会でも顕著です。

インターネットで動画広告を流しやすいプラットフォームは何かと考えれば、動画共有であるのは間違いないです。ビデオを見に来ているわけですから、動画広告を見る下地があります。恐らく今後、TVを抜け出せなかった広告主が、こういった動画共有サイトになだれ込んでくるのではないでしょうか。

米アナリスト予想:「MySpaceの価値は数年で100億ドル規模に」 - CNET Japan

まず、MySpaceでは現在ビデオの広告枠が完売状態だが、その単価は「The Simpsons」のようなプレミアム付きのもので、1CPMあたり35~40ドルにもなるという(以前に記したように、いちおうトップクラスとされるCNETやNYTimes.comが20~30ドルだから、それと比較してもかなり良いレートかもしれない。また人気アニメーションとなれば視聴者の数も桁違いに多いであろうことは容易に想像がつく)。

このCNETの記事では、YouTubeではないけれどもMySpaceのビデオ広告が非常に好調で、CNETやNYTimesのCPM(1000回表示辺りの広告費)を上回っているとあります。CNETやNYTimesではもちろん記事は記者が書いているわけですが、YouTubeはあくまでCGM(Consumer Generated Media)なのでコンテンツにお金がかかっているわけではないこと、チープ・レボリューションによりハードウェアおよびネットワークコストは劇的に下がっていくと考えるとYouTubeはかなりの高収益体質になる可能性が高いと考えています。

ただし、著作権絡みの問題はとても微妙ですけども。(YouTubeではないかもしれないけども)それさえクリアできたら動画共有サイトの動画広告については将来は明るいと考えていいのではないでしょうか。

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コメント(4)

トラックバックどもです。

上記のようなビジネスシナリオがどの程度組まれているかと、その実現性というところですよね。

インフラコストの計算なんかは当たり前のごとくやってるでしょうから、どれくらいで弾いたんだろうなぁ、というのを見てみたいところです。
(絶対無理でしょうがw)

インフラコストは正直言って、あまり問題にならないんじゃないかと。今年前半の試算値が月1億2000万円ですよね。今はもっと高いでしょうけど、売上を考えたら微々たるものなんじゃないかと思います。

テレビの視聴率が落ちてインターネットに移っていることを考えても、将来は明るいでしょう。

テレビ放映されるアニメーションなどは制作段階ではほとんどが赤字という話なので、著作権が絡むとそれなりに高額な著作権料の支払いが必要かもしれません。

ただ、メディアミックス戦略の効果が出る前に終わってしまう1~2クールの作品や、なかなか放映されなくて人気が上がらないスポーツなんかにとっては、うまく活用できる新しいチャネルでしょう。こういったところと組めたところが強いかもかもしれないですね。

マイナースポーツはかなりいいんじゃないかと思っています。ネットとビデオの融合段階でいろいろなものが試されていくでしょうね。

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