よく考えたら、チンギス・ハンについても、モンゴル帝国についてもよく知らなかったのですが、歴史上最大の国であるし、それを創設した人物とはどんな人物なのかを知りたいと思いこの本を手に取ったのですが、これが予想をはるかに上回ってすごいのです。
モンゴル帝国は、併合した国の数・面積は他のあらゆる国に比べて2倍以上引き離し、現在の国で言えば30カ国以上、30億人を超えます。つまり、現代人の過半数はモンゴル帝国に征服された地域に住んでいます。
しかも、この偉業をチンギス・ハンは奴隷の身から成り上がり、まずモンゴル族を統一することから始めます。ようやく統一できたのが、50歳の時。ここから25年間で中国北部、中央アジア、中東地域を傘下におさめ死去します。しかし、その息子たちが、中国、ベトナム、インド、バルカン半島までをも征服していきます。
創意工夫を重ねて圧倒的に強い軍事力もさることながら、国としてもさまざまな国からいいものを選び抜いて画期的な制度を多数作っていった柔軟性や選択眼の確かさは驚異的であり、驚嘆しました。ローマもすごかったですが、モンゴル帝国はそれ以上なのかも。
モンゴル帝国については、最近になって分かってきたことが多いらしく、この本は学者が5年の研究を経て書いています。それもあって事実を中心に淡々と書いてあるのですが、誰かこういった新事実を元にもっと小説っぽく生き生きと書いてくれないかなとか勝手に思いました。
P.S.今年ももう終わりですね。年末で夜出かけてしまうことが多かったのと最近面白そうな本をたくさん見つけるので、本が大量に積読されています。これをひたすら読みながらいろいろ考える年末年始になりそうです。
最近のモンゴル帝国小説というと、日経でやってる堺屋太一のやつがありますね。
# 「平成三十年」の堺屋太一だけど
>秋元様
堺屋さんねー、年末年始よく考えときます(苦笑)