著者のダニエル・ピンクは名著「フリーエージェント社会の到来」で、アメリカに「フリーエージェント」と呼ばれる独立して働くスペシャリストが数千万人(4人に1人)おり、社会が変化していると書いた作家で、元副大統領のスピーチライターでもあった方です。
この本では、さらに推し進めて、ドラッガーの言う「ナレッジ・ワーカー」が増えたことで、専門性に対する価値が下落し、ハイ・コンセプトすなわちコンセプトを創り出せる人の時代が到来すると説きます。
それでは、コンセプトを作り出せる人とはどのような人なのか? それは、左脳の論理的な能力に加えて、右脳的な能力、つまり一見バラバラな要素を集め、そこから物事の全体像を認識する力に長けた人ということになります。
確かに、今の世の中はかなりの程度豊かになってきていて、しかも所得格差があるため誰でもできることはどんどん途上国に移管され、価値が下落しています。さらに、豊かであるために商品は必要以上に売れず、売れる商品はハイ・コンセプトな商品に集中する傾向があります。
この本では、これから求められる感性(センス)を6つに分けて様々な事例とともに紹介しています。
▼これから求められる「六つの感性(センス)」
・「機能」だけでなく「デザイン」
・「議論」よりは「物語」
・「個別」よりも「全体の調和(シンフォニー)」
・「論理」ではなく「共感」
・「まじめ」だけでなく「遊び心」
・「モノ」よりも「生きがい」
個人的におもしろいなと思ったのは、アメリカにおいて美術学修士(MFA)が非常に重要視されてきており、各企業がこぞってアプローチしているという話でした。例えば、マッキンゼー新入社員において、MBA取得者が1993年に61%だったのが41%まで低下したそうです。学生側の倍率もハーバード大学の10倍のところ、UCLAの美術大学院は30倍を超えるという。
また、カーネギー・メロン大学において、「右脳と左脳のための学位プログラム」を謳い「エンターテインメント・テクノロジー修士号(MET)」を与えており、MFAやMETが新たなMBAとして脚光を浴びつつあります。
このように見ていくと、これからの時代は専門性を持ちながらも、創造的にハイ・コンセプトなものを生み出していけるかが重要な能力になってきます。
これを会社として考えると、感性(センス)は数値化しにくいため、非常に評価しにくいです。どのように会社にハイ・コンセプトな人を集めていくかを考えると、非常に難しいと言わざるを得ません。
僕としては、とにかく自分のセンスを高めていくことに投資していき、自分自身としてハイ・コンセプトな実績を作り、ハイ・コンセプトな人を見極められるようになり、そういった人々に認められ、協力してもらえるようになることが重要だと思います。
これは数値化できないだけに困難が伴いますが、ハイ・コンセプトなものを生み出すことやハイ・コンセプトな人と付き合うことはとてもエキサイティングなことでもあるので、楽しみながらやっていきたいなと思ったのでした。


先生!直近の2エントリがパーマリンクになっていません!
>幸之介様
ほんとですね。
直しておきました。
ご指摘ありがとうございました。
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