途中からユーザーのことを考え始めるということ

ITmedia D Games:稲船敬二氏かく語りき「日本のデベロッパーは臆病である」と――PC版「ロストプラネット」開発も明かす

稲船氏 ゲーム開発者は開発に携わった当初、ユーザーのことを考えていないものです。いかに自分が面白いかだけを考えています。要は自分がやりたいゲームが基本にあるわけです。それにはいずれ限界が来ます。途中でユーザーと自分とのギャップに気がつくのです。販売が伸びないなど、自分が面白いと思うものと、ユーザーが面白いと思うものが同じとは限らないと、エゴに気がつく。だから途中からユーザーのことを考え始めます。そこで身近なユーザーということで、日本のことを考える。でもまた壁が来ます。例え、日本で受け入れらても、なぜ海外ではダメなのかと。当然、文化や生活習慣が違うのですから、当たり前なのですが、ここで開発者は2つの選択肢があるわけです。日本だけでいいやと思うか、欧米でも受け入れられるものを作ろうと挑戦するかです。僕はもちろん後者なのですが、失敗は覚悟の上です。たくさんの失敗を経て、少しずつ欧米を理解しているところです。だから制限とは僕は思いません。これからも世界に向けたタイトルを出していくつもりですし、今度はもっと成功できるという感触を持っています。

(中略)稲船氏は、自分も臆病だがやりたいことは突き通す信念を持っていると強調する。そのためなら、6カ月だろうと、1年だろうと説得するのはいとわないと。途中でリタイアし、会社を出て行くこともできるが、自分は諦めたくないという。言うことを聞いてくれないから辞めるのではなく、言うことを聞かせてやるという気概を持って望みたいというのだ。また、チームというのは、絶対君主に忠実に従うだけではなく、たてつけないようでは機能しないもので、そうでなくては多面的ないいゲームは作れないと自身の柔軟性を説く。それで面白いゲームが作れれば問題ないのではないか、と。

途中からユーザーのことを考え始めるという感覚はとても分かります。ストレートに好きなものを作りたい、というのは1段階目。ごちゃごちゃとしたサービスを作りがちです。次の段階に行くと、もっと謙虚になってユーザーの声を聞きながら柔軟に考えるようになります。

そして、会社に育ててもらったから会社に楯突くようになる。こういう方がいる会社は幸せだと思います。

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