ソニー―ドリーム・キッズの伝説

ソニー―ドリーム・キッズの伝説
ジョン ネイスン
文藝春秋
¥ 790

井深、盛田、大賀、出井氏と続くソニーのリーダーたちを中心に、いかにして世界最高のブランドを持つ、エレクトロニクスから音楽、映画、ゲーム機、保険事業までを擁するソニーという会社がいかに作られていったのかを膨大なインタビューから構成したドキュメント。

盛田氏が「アメリカ市場へ直接出荷する経験を持たないことには、ソニーが複雑なアメリカ市場をマスターすることは無理だ――そして、米国で指導的な地位を確保することは自分が会社に抱いているビジョンを実現するため、是が非でも達成しなければならない。自分は一瞬たりともこれを疑ったことがない」と言い、1960年に50万ドルもの大金を持ち出し、子会社を作ったシーンが非常に印象的でした。盛田氏は、そのまま米国に移住し、文字通り必死でアメリカ市場を攻略していきます。

盛田氏は、世界の企業リーダーが集まっても抜群の社交性で場の中心を取り仕切ったと書かれていますが、一方で「内面では悪戦苦闘していた」可能性も書かれています。

この本ではこういった迫真の決断のシーンが目白押しで、その気迫には鬼気迫るものがあります。

それから、一つ重要だと思ったのが、ソニーが経営者として外国人を活用していることです。とにかく人だ、というばかりに、ひたすらいろいろなところから人を引き抜いてきています。そして手痛い失敗を数々しながらも、一向に止めていません。外国人だけではなく、大賀氏にも井深、盛田氏により働いてもいないのに給料を払い続けています。

これらのことからソニーがいかに人を重要視し、それらの人がまた人を惹きつけることで、最高の人材を集めていったかが分かります。これが、ソニーの成功の一因になったのは間違いありません。

偉大な企業や偉大な起業家とは何なのかを考えさせられる素晴らしい作品だと思います。

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