1977年生まれの僕にとっては、プロレスの記憶と言えば、小さい頃にテレビで観たことをおぼろげながら覚えているくらいで、ジャイアント馬場やアントニオ猪木がどんな関係だかも知らなかったし、プロレスと言えばフェイクなショーという印象しかありませんでした。
実際のところそのイメージはほぼ正しいのですが、このドキュメンタリー作品では、レスラーが真剣になってショーを作り上げ、熱狂的な時代があったことを伝えてくれます。しかも、その中には1976年にアントニオ猪木がリアルファイトを3試合行なったことが描かれています。ここには有名なモハメド・アリとの一戦も含まれます。プロレスはショーでありながら、突如としてリアルファイトにもなりうる恐るべき一面を持っています。
また、最後の方では、今のK-1やPRIDEなどの総合格闘技がどのような経緯で出てきたのかが書かれています。これも初めて知ることばかりで非常に興味深かったです。この本はアントニオ猪木を中心に描かれているので、足早ではあるのですが、もっと詳しく知りたいと思いました。
とにかく疾走感に溢れる筆力には凄まじいものがあり、すばらしい作品です。
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