ビートたけし&北野武のオフィス北野社長である森氏のプロデュース論。バイク事故からの復帰、ヴェネチア映画祭での金獅子賞受賞などの裏側から自分自身のプロデュースに関する考え方まで。口頭筆記のようなスタイルなので読みやすいのですが、一つ一つの話は非常に奥深く考えさせられます。
気づくか気づかないか、これは本質的なこと。「分かるか分からないか」ということとは別物であり、はるかに重要なのです。別に私が言ったことを理解してもらわなくても構いません。分からない人というのは、百回言っても分からないから。問題は分かってもらえるかどうかじゃなくて、自ら気づくってこと。気づく人というのは、こっちが何か言えば早く気づくけれど、言わなくてもやがて気づきます。それは一つの才能なんですよね。こっちが「あの時、分かったって言ったじゃねえか」と言っても無駄。本人が気づかない限り、その人のものにはなりません。
森氏は日本の映画業界について、いい監督はいるがプロデューサーが欠けていると言います。確かにその通りだなと思います。ゲームやアニメのようにビジネスセンスが優れた人がいればもっともっと日本映画も世界で生きてくるでしょうね。
非常におもしろいので「何か」をプロデュースする方にオススメします。
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