正力松太郎は、読売新聞を買取り一地方新聞であった読売を発行部数日本一へ導いた敏腕経営者ですが、それ以外にも「プロ野球の父」であり「テレビの父」であり「原発の父」でもあります。さらに、元々は警視庁に勤めるエリート官僚で関東大震災時の朝鮮人虐殺にも関わったとされ、戦後は巣鴨にぶちこまれ、晩年には衆議院議員として若かりし中曽根氏を子分のように使っていた話まで。
その数々の業績を裏側から描いたのがこの作品。サブタイトルにもあるようにその陰には膨大な影武者達が存在し、正力によって業績を独り占めされてきたことが分かります。
しかし、あまりにもスケールが大きいので、不思議と悪い印象は受けません。近くで仕事をするのは嫌ですが、しかし多くの才能が引き寄せられていったのもよく分かる気がします。そういう意味では、スティーブ・ジョブスに近い印象かもしれません。
後、日本の昭和の雰囲気が知れて非常に興味深いです。超オススメなのですが、もうあまり売ってないようで、中古で手に入れるしかないみたいです。
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