あなたはなぜビジネス本を買ってしまうのか?

日経エンタテインメント!2008年5月号」に「あなたはなぜビジネス本を買ってしまうのか?」という大変興味深い記事があったので、ご紹介します。

まずネットや携帯電話におされて出版業界が斜陽の中、なぜかビジネス本が熱い状況に触れ、その真相に迫っています。具体的には、勝間和代、茂木健一郎、梅田望夫氏などの一連の著作や「地頭力を鍛える」「ミリオネーゼ」シリーズなどを指します。

まず仕掛人の一人、ディスカバートゥエンティーワンの干場弓子社長にインタビューを試み、典型的な出版業界人とは違い、タレント事務所社長のような佇まいだと書いています。また、話題の著者についても、「大企業経営者やベンチャー企業の成功社長などではない。コンサルタントなど、いわば勝ち組ビジネスマン」とし、内容についても「勉強法ひとつとっても、方法論を記しただけの抽象的なノウハウ本ではない。著者の体験や実践に基づいたスキルアップ本だ。読者は本を通じて、著者の成長を疑似体験する」としています。一方、干場氏自身も「『写真写りはいいかしら?』『人前に出て話せるかしら?』と頭の中で考えてしまう私がいるんです。そう見てはいけないと思いつつ(笑)」などと語っています。

著者自身についてもブログなどで積極的に情報発信していて、勝間氏の例をあげ、「しょこたん」のブログのようにリアルタイムに書いてファンを引き込み、一般人ブログのリンク集を作ったり、コメントを付けまくったりし、「ベストセラー作家にして、積極的に会話していくこの親近感」が新しいとしています。

これらを持って「ファン作りとプロモーションがキモとなり、一体感を生み出すことで消費が起きるエンタテインメントビジネスそのもの」、「出版の中では文芸など他のジャンルに比べてイノベーションが進んだ」から熱い状況となっているとしています。

最後に勝間氏のインタビューがあり、自身で「(出版点数が増えたので)登場したのがタレント化。いかに著者をブランディング化するかということです」と語り、これからについては「まだまだ拡大すると思います」と語っていて、かなり意識的にブランディングしているんだなと思いました。

最近、こういったタイプのビジネス本が増えているなぁとは思っていたのですが、この記事でかなりすっきりとしました。非常におもしろい記事でした。

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コメント(4)

古本屋の立場からするとビジネス本は一過性で取り扱うに足らぬ商品である。ビジネスは常に過渡的で結論をだすものではないのだろうが、精神論を説くものですら寿命は短いようだ。だんだん、ブログにとってかわられるようなジャンルであろうなあプシュー

日経エンタのこの記事を企画&取材執筆した大澤です。ご紹介ありがとうございました! 楽しんでいただけたようでうれしいです。「ビジネス本がエンタメ化してる」という仮説で取材を進めましたが、ビジネス本界隈は仮説以上に仮説的でした。同じく発売中の日経トレンディでは「副都心線開通――真の勝者は原宿」という原稿も書いてます。こっちも仮説型の記事ですが、よかったらご覧になってください!

>レトロン様
確かに長く残るのはごく一部なんでしょうねぇ。

>大澤様
なんと著者様からコメントがっ。大変うれしいです。
トレンディのも読んでいて気になっていました。
原宿熱くなりますよね。H&M好きなので。。
これからも良質な記事を楽しみにしています!

トレンディ、見てくださっていたのですね。ありがとうございます。「大原宿ーダイハラ」って言葉が流行らないかと、密かに狙ってます(笑)。プロフィール拝見しました。早稲田リンクスやってらしたんですね。僕も同時期に早大生だったので見てましたよ!
懐かしい。どこかでお会いする機会がございましたら、よろしくお願いいたします。

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