笹川良一といえば、日本船舶振興会会長としてCMで「一日一善」「戸締まり用心、火の用心」と呼びかけていた謎のおじいさんという印象しかなく、競艇という性質上怪しいものを感じていました。おそらく多くの人はそうなんじゃないかと思います。
しかし、この本によるとそれはまったくの誤解であり、本人は超天才型の投資家・実業家であり、戦前と戦後にそれぞれ数百億づつは稼ぎ、さまざまな援助の呼びかけに応じて、死ぬまでにすべてを使い切った聖人であったと言います。実際、日本船舶振興会は天然痘根絶、ハンセン病根絶、緑の革命などに多大な貢献をし、それ以外も合わせて年間拠出金はロックフェラーなどの財団を上回り民間最大だそうです。
また、戦前には戦争反対を説いて回り、一方で戦後はA戦犯として巣鴨プリズンに進んで入り、ソ連を批判し、国民を飢えさせないためなら命をささげる、やましいことは一切ないと豪語し、他の収監者を心から支え、家族を私費でかくまったという。それにより「ヒーローであった」と称され、そのお礼状は8000通近くに及んだらしい。もちろん本人は無罪放免されている。
どうやら、日教組や労組批判を繰り返すなどして、朝日新聞などから批判を浴び世間的なイメージが歪曲されているようです。ちなみに、日本船舶振興会を蓄財に使っているのではないか、という批判に対しては、金なら(昔から)いくらでもあるからそんなことをする必要はない、と言っており、本人としては当然すぎて弁明する必要もないと思っていたのが、世間はそう取らなかった、ということらしいです。そういった批判にも、本人は「そのうち分かる」と言って寿命を迎えたらしい。
文章はやや冗長ではありますが、スケールがあまりにも大きくて、気持ちのいいエピソード満載で非常におもしろいです。笹川良一が再評価される日はいつになるのか分かりませんが、個人的には非常にかっこよくて、こんな風に生きていきたいなと思いました。

なかなか面白かったでしょ。
菩薩の人ということで、
いま、菩薩が二対上野にきています。
薬師寺展。日光菩薩と月光菩薩
>ozeki様
おもしろかったですー。
薬師寺展もおもしろそうですねー。