海外では着々と電子ブック化が進んでいる

TechCrunch Japanese アーカイブ アマゾンKindle延べ販売台数は「24万台」だった

アマゾンに近い筋から得た情報によると、昨年11月からのKindle出荷数は延べ24万台だそうだ。(中略)ザックリ計算してみると、この端末の総売上高は通算$86M(8600万ドル)から$96M(9600万ドル)の間となる(端末価格はこの5月に$400から$360に切り下げとなった)。 これに利用者が端末上で読むデジタル書籍、新聞、ブログの購入に支払った額を加算すると、これまでだけでも$100M(1億ドル)を楽勝で超えるビジネスということになる

AmazonがKindle(キンドル、と呼びます)を発表したときは、冷ややかな見方が広がっていたように思いますが、半年強で24万台も売れているらしいです。これを金額に直すと、100億円近くにもなります。さらに有償販売の合計額も同程度あり、Amazonは、ゼロから半年強で200億円のマーケットを生み出したことになります。

電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 - ITmedia News

松下電器産業とソニーがそれぞれ、専用端末を使った電子書籍から事実上撤退することが分かった。ソニーは昨年、松下は今年3月までに端末生産を打ち切り、書籍ダウンロードサイトは今年度中に閉鎖する。

(7月初めのニュースですが)一方で、日本勢は松下もソニーも撤退します。Kindleが、日本メーカーと違った点は、まず開始時にベストセラーを含む9万冊という大量の書籍を準備したことと、ネットワーク機能が搭載されておりダウンロード購入も24時間いつでもどこでも手軽にできるという点です。

これを補足すると、KindleにはノートPC用のデータ通信カードのようなものが内蔵されており、月額無料で提供されているということです。なぜこういうことができるかというと、Kidle自体はコンテンツを有料販売するので、通信費をコンテンツ費に上乗せできるし、ノートPCのように膨大にデータ通信をしないためにキャリア(ドコモとかKDDIとかの通信事業社)もネットワークに負荷をかけないために1台辺り相当安く提供できるからです。

ユーザー視点でみると、端末がカラーだろうが小さかろうが(とりあえずは)関係なく、どれだけの読みたい書籍がどれだけ「簡単に」買えるかが重要なのであり、Kindleはこの二つを見事にクリアしています。

その点、上記のITmediaの記事ですらメーカー広報が「専用端末の大きさや重さがユーザーに受け入れていただけなかったのだろう」と言ってしまうのだから、その差はどこまで広がっているのかと。。

どうやら、日本メーカーは、iPodに続いて、電子書籍というマーケットのおいしい部分も失ったようです。もうそろそろルールを変更するような「ものづくり」をしていって欲しいなと思います。

追記:3月にApple増井さんに触らせてもらったKindleの写真。アシンメトリーな形をしているのが印象的でした。反応はきびきびしててよかったです。

Kindle
Kindle posted by (C)Shintaro

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コメント(1)

これ楽しみですよね、日本導入決まったら・・・
電子ブックは日本でも結構はやりそうな気はするんですけどね・・・漫画特にスピリッツやらモーニングやらが電子情報で流通し始めた日にゃコンビニの風景も変わりそうですね

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