「ゲームの神様」へのインタビュー

4Gamer.net あの"ゲームの神様"遠藤雅伸氏がMMORPGに言いたい放題。「ドルアーガの塔」からケータイゲームまで,存分にどうぞ(ドルアーガの塔〜the Recovery of BABYLIM〜)

「ドルアーガの塔」などで知られ「ゲームの神様」とも言われる遠藤氏へのインタビューなのですが、このインタビュー相当おもしろいです。自身が関わっているMMORPG(ネット上で同時にたくさんの人で遊ぶPRGゲームのことですね)だけでなく、アーケードゲームからケータイゲーム、さらに映画やネットサービスにまで言及。かなり核心をついていると思います。まさに最近ケータイゲームを作ってる身としては非常に勉強になりました。ぜひ本文をどうぞ。

<抜粋>

  • (MMORPGにおいての確率論について)4時間ちょっと遊んで1回出現することを前提にするならば,256枚のくじが入っていて,その中の1枚が当たりになっている,そういう抽選箱で1分ごとにくじを引かせるタイプにすればいいんです。 最初に挙げた方式では,くじを引いてハズレだったら,そのくじを箱に戻しているわけですが,今紹介したやり方なら,時間が経つにつれて当選確率が高くなっていきますよね。当たりが出るまでに要する時間に,上限を設定できることが大事なんですよ。こういうことをもっと勉強しろよといいたくなります。

  • (時間管理の甘さについて)アーケードゲームを作っていた人達の文化と,PCゲームを作っている人達の文化の差ですね。アーケードゲームでは,できるだけ早くお客さんに倒されていただきたい。短時間にどれだけお客さんに満足していただけるかということを,本当に真剣に考えて作っていました。 だって,最初に遊んだときに面白くなかったら,もう遊んでくれませんから。つまり,しょっぱなから面白い部分を前に出さなきゃダメなんです。

  • そういえばこのあいだ,「ゲームの本質とは何ですか?」と質問されたので,「インタラクティブな要素があって満足感が得られるもの」は,全部ゲームだと思っていると答えました。 例えば,アバターを用いたコミュニケーションだって,インタラクティブで,満足感が得られるものだからゲームです。自分が何かをしたことによって何かが起き,そのことで満足感が得られるということが一番大事だと思うんですよ。

  • (今後新しいゲームを作るとしたら?)まともなMMORPGを作ってみたいな。最近とくにそう思っています。僕が作るなら,3〜5年前のPCやケータイで遊べて,動作スペックの中に「グラフィックスカードは○○以上」と書かれていないものがいいな。環境マッピングとかマルチレイヤーとかは要りません。プレイしている最中はそんなところ見やしませんから。スクリーンショットがきれいなだけで客を呼ぶつもりはありませんね。

  • 面白いものを作りたいという人は,すでにゲーム業界にはいないのかもしれませんよ。だって,Web 2.0的なもののほうが面白いから。

  • 面白いものを作っているヤツはきっと,ケータイゲームとかブラウザゲーム,勝手アプリみたいな分野に取り組んでいると思います。そういうもののほうが作るのが簡単だし,一人でできますしね。

  • (ゲームが映画に勝てない理由)映画については,別の要因が働くと思うんです。僕は最近,「コンテンツはコミュニケーションに勝てないんじゃないか」と考えています。つまり,人は潜在的に,コミュニケーションに対する欲求を持っているんじゃないかと。 なぜゲームが映画に勝てないかといえば,1万円近くかけて映画を観に行っている人は,一緒に観に行く人とのコミュニケーションをとるために,映画というコンテンツを用いている部分があるからだと思います。

  • ゲーム人口が減ってるという統計を出す人は,ケータイやブラウザで遊んでいる人達が格段に増えていて,実はゲーム人口自体は増えているという事実を捉えていない気がします。 例えば,ケータイでRPGを遊んでいる人と,コンシューマ機でRPGを遊んでいる人の1日あたりの平均プレイ時間は,ケータイで遊んでいる人のほうが長いんですよね。

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コメント(2)

抜粋拝読しました。この人まったく枯れてませんね!というかアンテナ感度びんびん(笑)ですね!すごい!

元記事も読みます!ご紹介ありがとうございました!

>けんご様
僕も何十年も前(ちょっと言い過ぎか)から現役で活躍されている方が、現在のMMORPGどこか、ネットサービスまで感度びんびんなのにびびりました。すごいですよね。自分も、こうありたいなと思います。

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