V字回復の経営--2年で会社を変えられますか


現在ミスミ社長で、再建請負のプロ経営者、三枝氏が経営指南本。実際にミスミ以前に請け負ったいくつかの会社のケースをミックスして小説仕立てになっていて、非常に読みやすいです。

経営者としては、ウノウはまだ20名程度の会社なので、もっと違う要素に左右される部分は大きいのですが、それでも本書にあるような経営能力が必要とされることも多く、いろいろと勉強になりました。

特にプロ経営者を目指している人、大企業の人にかなり参考になるのではないかなと思います。

<抜粋>
・東亜テックに初めて行ったとき、いったい何人の役員から「社員を不安にすることは言わないでください」と言われたことだろう。しかし、彼らは完璧に間違っていた。それが仲間を守ろうとする日本人の心情だというなら、偽善もほどほどにしろと言いたいくらいだ。社内で真実を語りたくないのは、それを言われて困る人たちなのだ。
・アスター事業部のタスクフォースメンバーは、あとで振り返って、「辛かった」「鬼気迫るものがあった」「狂気にも似た執念だった」と言った。(中略)しかし、この程度の集中的緊張状態はプロの経営コンサルタントの世界では決して珍しいことではない。タスクフォースの代わりにコンサルタント会社が入れば、10名どころか、その半分以下の人数のコンサルタントしか投入しない。そしてプロのコンサルタントたちは川端たちと同じかそれ以上に猛烈に働く。
・しかし、リーダー役になる外部コンサルタントの多くは「プロ的思考マインド」は強いが、一般に「リスクに立ち向かう経営者的行動マインド」は口ほどでもないことが多い。
・(抜擢に対して抵抗があったとき)改革が総論で語られているうちは、大多数が賛成する。それが各論に下りるに従い、立場や考え方の違いが表面化し、あちこちで新旧価値観の戦いが始まる。この問題の根源は、人事体系そのものではない。事実、この三人の任命が正式に決まったあとは、まるで初めから何の問題もなかったかのようにそれが実行された。人事体系などその気になれば、どうにでもなるのである。
・企業の人材が成功と失敗を経験して育っていくのと同じように、私も成功ばかりでなくこれまで失敗や屈辱をたくさん経験した。(中略)思い通りにいかないことが起きてみると、そのときは人のせいにして腹を立てたりするのだが、冷静に考えると結局、自分の「読み」が足らず、経営的力量が不足していたと反省することが多かった。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: V字回復の経営--2年で会社を変えられますか

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://suadd.com/blog/mt/mt-tb.cgi/2329

コメントする

フォト蔵

映画生活

プロフィール

about 山田進太郎
作者は何者であるか?
[写真(フォト蔵)] [twitter]
[mixi] [GREE] [メモ(clipp)]


↓共著書
新・データベースメディア戦略。オープンDBとユーザーの関係が最強のメディアを育てる

ウノウ株式会社
代表取締役社長
まちつく!
ケータイ無料ゲーム
フォト蔵
写真共有・動画共有サービス
映画生活
映画情報サイト、現在はぴあ運営
Fujisan.co.jp
雑誌の定期購読、創業メンバー
Listen-IT !
ITを題材にした英語学習サイト
ネット株価情報
ネット企業の時価総額ランク